秋もますます深まり、赤ワインの本当に美味しい季節になりましたね。ボルドーはポイヤックの銘酒、シャトー・ランシュ・バージュを連続で楽しんできました。

 

 

 

(写真)シャトー・ランシュ・バージュ2001。11月6日(土)に開けました。白・黒・赤のシンプルなラベルですが、これを見ると、胸が高鳴ります。

 

 

 

(写真)シャトー・ランシュ・バージュ1996。こちらは11月20日(土)に開けました。2週間空きましたが、2001年との違いはハッキリ分りました。

 

 

 

シャトー・ランシュ・バージュは、ボルドーはポイヤックの5級の格付けのワイン。メドックの格付けは61シャトーしかないので、5級でも相当にハイレベルなワインですが、ランシュ・バージュはそのクオリティの高さから、2級に相当すると言われています。さらには、2級のシャトーの中でも、より評価の高い「スーパー・セカンド」とまでも呼ばれることのある実力派です。

 

 

ヴェンテージは2001年と1996年。2001年は今年、他のシャトーを試してきて、もう十分に飲み頃になっているものと思われますが、グレート・ヴィンテージである1996年のボルドーは非常にタニックで固いワイン。過去に何度か他のシャトーを開けたことがありますが、十分飲み頃に入ったという印象を一度も持ったことがありません…。さすがに25年経つので、そろそろ大丈夫だと思いますが、果たしてどうでしょうか?

 

 

 

まずはその1996年のランシュ・バージュから。もう完璧の一言!あまりの素晴らしさに、震えるような感動を覚えました!色はうっすら縁にオレンジ色が差し、中央の少し明るくなったボルドールージュとのグラデーションが美しい。

 

香りは熟した黒いベリーだったり、バニラだったり、小豆だったり、時々刻々と変化する甘い香りが抜群!エレガントなラフィットとゴージャスなラトゥールの両方の香りの要素を感じました。味は1996年の強いタンニンがようやく丸くなって、得も言えぬ極上の旨味。円やかでバランスが非常に良かったです。

 

カベルネ・ソーヴィニョンが主体のポイヤックのワインが完璧に熟成した姿を見た、大いなる感動を覚えた最高のワインでした!あと5~10年は持ちこたえるポテンシャルを感じましたが、いまが絶頂なので、いま開けて大丈夫だと思います。

 

 

 

一方の2001年も十分に美味しい。1996年に比べると、色も香りも味も、より若さを感じますが、十分に飲み頃に入っていて、しみじみ美味しい。ストラクチャーは十分感じつつも、柔らかくチャーミングな印象を持ちました。一方で、1996年までの高みに辿り着くには、2001年ヴィンテージのためか、凝縮感が少し足りない印象も。なので、もう5年くらいは行けそうではありますが、こちらも、いま開けて大丈夫だと思います。

 

 

 

ランシュ・バージュは20代~30代のワインの修行時代に、何度もお世話になった思い出のシャトーです。その頃は1970~80年代のランシュ・バージュをいただく機会が多かったですが、どのヴィンテージを試しても外れがなく、長命でボリューム感があり、フルボディの赤ワインのお手本のように思っていました。当時は比較的お値打ちだったのも、お財布に優しくて嬉しかったです。

 

 

2001年にはランシュ・バージュの垂直試飲会に参加しました。その時のラインナップは1975、1982、1985、1986、1988、1990、1993、1994、1996、1997年の10ヴィンテージ。伝説の1982年や1990年を含めて、素晴らしい体験となりましたが、その時に購入したのが今回の1996年です。

 

 

その2001年の購入後20年の時を経て、最高の姿を見せてくれたランシュ・バージュ!ワインの世界を深めていくのを助けてもらった、その感謝の念を大いに持ちつつ、時間をかけてゆっくり味わいました。