熊倉優さんがN響に客演するコンサートを聴きに行きました。何と言っても、イザベル・ファウストさんのシマノフスキが非常に楽しみです!
NHK交響楽団2月公演
(東京芸術劇場コンサートホール)
指揮:熊倉 優
ヴァイオリン:イザベル・ファウスト
スメタナ/歌劇「売られた花嫁」-3つの舞曲
シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲第1番
ドヴォルザーク/交響曲第6番ニ長調
まずはスメタナ。和声、そしてトライアングルが効いているところに、スメタナの音楽を大いに感じます。3曲とも賑やかな踊りの曲でめっちゃ楽しい!オペラ「売られた花嫁」はしばらく観ていませんが、また観たくなりますね。
続いてお目当てのシマノフスキ。イザベル・ファウストさんを聴くのは2018年にドレスデンでベルク/ヴァイオリン協奏曲を聴いて以来ですが、この時の最高のベルクがとても印象に残っています。シマノフスキは果たしてどうでしょうか?
(参考)2018.1.7 ダニエル・ハーディング/イザベル・ファウスト/シュターツカペレ・ドレスデンのベルク&マーラー
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12358384165.html
いや~、これが素晴らしいシマノフスキでした!イザベル・ファウストさんのヴァイオリンは、ここ!というピンポイントの音を奏でて、よく響かせつつ、オーケストラに溶け込んだ、それはそれは見事なもの。私は神尾真由子さんのようなソリストの情念を大いに感じさせるヴァイオリンが好きですが、いい意味で好対照。N響と混然一体となって、シマノフスキの陶酔的な音楽がうわっと迫ってきます。
N響もシマノフスキの半音階に満ち溢れためくるめく音楽を美しく奏でて、全くもって見事な演奏!熊倉さんの指揮がそれを大いに盛り上げ、特にラストの盛り上がりの前のルフトパウゼには痺れました!終演後、観客も盛大な拍手でしたが、N響メンバーのイザベル・ファウストさんへのリスペクトが半端なかったのがとても印象に残りました。
(参考)シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲第1番
https://www.youtube.com/watch?v=HQ_mciYd4kU (27分)
※Anna SAVKINAさんの公式動画より。Anna SAVKINAさんのヴァイオリン、パスカル・ヴェロ指揮/仙台フィルの演奏。
後半はドヴォルザーク。ドヴォルザークの6番を聴くのは10年ぶりくらい、久しぶりです。第1楽章の最初にフルートが可愛らしく「シシラソ~♪」と出てきて、これこれ!と懐かしく思いました。第2楽章はメロディ・メーカーのドヴォルザークならではの音楽。
そして第3楽章のフリアントの迫力は、これこそドヴォルザーク!第4楽章の出だしは、公演パンフレットにも書いてありましたが、ブラームスの2番にそっくり!(笑) 自然と頬が緩みます。熊倉さんはN響をよく鳴らして、とても賑やかな演奏。大いに楽しめました!
熊倉優さんとイザベル・ファウストさんとN響のコンサート、素晴らしかったです!イザベル・ファウストさんのヴァイオリンをまた聴けたのが本当に嬉しく、スメタナ、シマノフスキ、ドヴォルザークと東欧の作曲家でまとめたプログラムもいい感じ。少し渋めの曲目でしたが、お客さんもそれなりに入っていましたね。そして、東京芸術劇場で聴くN響はかなりいい。とても素敵な金曜の夜になりました!
(写真)プラハのヴルタヴァ川沿いにあるスメタナの像とスメタナ博物館(後ろ)。スメタナは実際にこの建物に住み、ここでオペラ「売られた花嫁」と「ダリボル」(傑作!)を書きました。博物館の展示物も興味深かったですが、ここでスメタナの珍しいオペラのCDをいろいろ買えたのが良い思い出になっています。
(追伸)2月13日(土)は新国立劇場のプッチーニ/トスカのカヴァラドッシが素晴らしかったフランチェスコ・メーリさんのリサイタルを聴きに行きましたが、めちゃめちゃ凄かった!控え目に言って最高!アンコール何と10曲!東京文化会館小ホールの観客総立ち!未だに興奮が冷めやりません。次の記事で!
