(冬の旅行記の続き)旅行11日目。最高気温3℃、最低気温0℃。盛り沢山で楽しんできた今回の冬の旅行も最終日。いよいよフィナーレを迎えます。
(写真)この日の朝食。ゼンメル(写真左のパン)がオーストリアならではの朝食の風景です。
この日は11:00からコンサートがありますが、その前に1時間くらいで観るのに何かいいものはないか?オーストリア航空の機内でもらったウィーンの観光冊子で探したら、自然史博物館は9:00から開いていて、さらにちょうど日本オーストリア友好150周年の記念展示をやっているとのこと。よしよし!これを観に行きましょう!
(写真)自然史博物館。美術史美術館の向かいの建物です。
(写真)博物館の前にいる象。子供たちに人気です。
(写真)すぐそばには立派なマリア・テレジア像があります。
その日本オーストリア友好150周年の記念展示は、通常の動物や魚の展示の中、日本の動物の展示に友好150周年のサインを入れ、詳しい解説を付ける方で実現されていました。
わざわざ動物の標本を移動させ、一箇所に集めなくてもでき、また、動物や鳥、魚のジャンルごとの流れの中で観ることができるので、とても賢くて洗練した方法だと思いました。私はウィーンやオーストリアのこういうさりげないセンスが好きなんです。特に印象に残ったのは以下の展示です。
◯ニホンザル
日本各地、北海道南部まで棲息。ジャガイモや小麦を洗って塩の味付けをする、食事の事前準備の技術を持つことで有名。日本の寒い冬にはニホンザル自らの力で温泉に入る、と解説がありました。うーん、やはりニホンザルは食事での創意工夫だったり、温泉が好きだったり、日本人に似ているのかも?(笑) いろいろな猿がいましたが、その中でもニホンザルは凛々しくて可愛かったです。
◯ニホンカモシカ
ニホンカモシカは羊やヤギに似ている。本州などの高地の森に棲息、と解説がありました。確かに体が小さく、顔つきが他のシカに比べて優しい雰囲気です。
◯キジ
日本の「国鳥」として1947年に指定された。2004年まで1万円札に描かれていた。雌が茶色に対して、雄はカラフル。北海道以外の各地に棲息。”Game bird”として使われる、と解説がありました。他の国の鳥も沢山いましたが、その多くが単独。キジは雄と雌のつがいでの展示だったのでとても貴重でした。
◯トキ
”Nipponibis”という名前でトキの展示がありました。学名は”Niiponia Nippon”ですが、ドイツ語もあるんですね。佐渡で再生プログラムが進められていて、最初の雛が2016年に産まれた、と解説にありました。
◯オオワシ
世界で最も高いワシの仲間。冬季は北海道で大群が見られる。北海道には毎年海外から多くの観光客が訪れる、と解説がありました。他の国のワシもいろいろいましたが、それらに負けずとても立派!
◯アオバト(Sieboldtaube)
果実を食べて、海水を飲む。アオバトを見つけたシーボルトについて、シェーンブルン宮殿の庭園にシーボルトのモニュメントがある、と解説がありました。
そして、以下の2つは今回の記念の展示のために、神奈川の施設から特別に提供された目玉の展示、という紹介でした。見た感じ、深海にいるサメのようですね。
◯ミツクリザメ
ミツクリカイチ博士がイギリスのコレクターから提供を受けて、新種のサメとした、そうです。
◯ラブカ
サメの専門家に「ヘビに似た海のモンスター」と称されたそうです。
その他、魚では、ルリハタ、ごまひれきんとき、アンコウ、ハリセンボン(「ハリ - 千本」と表示)、アカグツ、両生類では、カスミサンショウウオ、アカハライモリなどの展示がありました。
こうしてみると、日本ならではの動物、日本の固有種って、いろいろいることが分かります。以前にNHKで、太古の日本は大陸と陸続きで動物も行き来していたが、その後、大陸から離れて、閉じ込められた動物が独自の進化を遂げた、という内容の番組を見たことがあります。
そのことをここウィーンの自然史博物館で再認識できました。正にディスカバー・ジャパン!日本オーストリア友好150周年、本当にありがたい限りです。
そして、日本の動物以外も、オーストリアのみならず世界中の沢山の動物や魚がいて、非常に壮観でした!私は海外旅行では、そのまちや土地ならではのものが見たいので、こういう自然博物館の類に行くことはほぼないですが(万国共通の展示が多いので)、このウィーンの自然史博物館はかなり見応えがあったので、お勧めです。
なお、この日最大の発見は”Mondfisch”。ドイツ語で「月の魚」という意味ですが、この魚、ドイツ語ではこう言うんだ!なるほど!よく出来ている!と思いました。これ、何の魚の名前だか分かりますか?(答えは本記事の一番下に)
熱心に見ていたら、案内のオーストリア人のおじさんから「おはようございます!」と日本語で挨拶されました(笑)。そして「”sprechen”は日本語で何て言うんだ?」と聞かれたので、「話す、ですよ」と答えました。最後に出口でも会って、「日本語を教えてくれてありがとう!」と声をかけていただきました。こういう旅のちょっとしたやりとりは楽しい。
ところで、このおじさんはどうしてsprechenの日本語が知りたかったのでしょう?もしかして、ウィーンのカフェでお隣が日本人女性になったら、「お嬢さん、少しお話ししてもいいですか?」とかだったりして?(笑)
(上のなぞなぞの答え) ”Mondfisch”(月の魚)の答えは…、マンボウです!なるほど!でしょ?(笑) 今週もお疲れさまです。ほっこりされてくださ~い!(笑)
(参考)マンボウ ※フリーイラストより