一昨日に引き続き、ヴァイオリンの女王、アンネ゠ゾフィー・ムターさんのベートーベン生誕250周年記念リサイタルを聴きに行きました。今日はベートーベンの室内楽が中心、世界初演となるヴィトマン/スタディー・オン・ベートーベンも楽しみです!

 

 

サントリーホール スペシャルステージ2020

アンネ゠ゾフィー・ムター

~ベートーベン生誕250周年記念~

「室内楽」

(サントリーホール)

 

ヴァイオリン:アンネ゠ゾフィー・ムター/イェウン・チェ

ヴィオラ:ウラディーミル・バベシコ

チェロ:ダニエル・ミュラー=ショット

 

ベートーベン/弦楽三重奏曲ハ短調Op.9-3

イェルク・ヴィトマン/『スタディー・オン・ベートーベン』弦楽四重奏曲第6番(世界初演)

ベートーベン/弦楽四重奏曲第10番変ホ長調Op.74「ハープ」

 

 

 

このコンサートはもともと行く予定はありませんでした。ところが、一昨日のアンネ=ゾフィー・ムターさんのベートーベン/ヴァイオリン協奏曲&三重協奏曲のコンサートのプログラムに曲の解説が載っていたので興味を引き、聴きに来たものです。

 

(参考)2020.2.20 アンネ゠ゾフィー・ムター/ベートーベン生誕250周年記念コンサート(協奏曲)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12576634444.html

 

 

 

まずはベートーベンの弦楽三重奏曲。古典的な雰囲気の美しい音楽を堪能できた第1楽章、チャーミングで魅力的な第2楽章、動きがあって激しさを感じた第3楽章、ブルックナー2番のフィナーレに似た旋律が聴こえてニンマリした(笑)第4楽章。ベートーベンの弦楽のトリオを聴くのはほとんど初めてだと思いますが、かなり楽しめました!

 

 

続いてヴィトマンのスタディー・オン・ベートーベン。イェルク・ヴィトマン(1973-)はドイツの現代の作曲家。プログラムには、「この作品でヴィトマンが拘ったのは、緊張と弛緩、掛留と解決、固定と逸脱といったさまざまな現象を含んだ調性に内在する重力の検出」「見かけの上ではすでに使い尽くされたような素材によってさまざまな革新や今まで聴いたことのないものが継起することを可能にしている」とありました。良く分からないけど、何だか凄そう!

 

実際に聴いてみての感想は、ベートーベンの弦楽四重奏曲っぽい雰囲気を持ちつつも、時々不協和音や常軌を逸したような音楽が現れてハッとさせる、油断も隙もない曲(笑)、という印象です。とても面白い曲を聴いたという印象は持ちましたが、音楽の理論的な面やベートーベンとの関係の点では、どこがどうという感想までは残念ながら持てず…。その原因は本記事の下の方の記載にて。

 

 

後半はベートーベン/弦楽四重奏曲第10番「ハープ」。「ハープ」の愛称のもととなった弦楽のピィツィカートが楽しい第1楽章、抒情的な音楽に大いに魅了された第2楽章(名曲!)、小刻みな弦楽が活き活きと響いた第3楽章、ベートーベンならではの変奏曲の妙を大いに楽しめた第4楽章。素晴らしい曲&演奏でした!

 

 

 

今日は弦楽四重奏曲を中心としたリサイタルでしたが、ファースト・ヴァイオリンのムターさんが曲をぐいぐい引っ張って、後のみなさんもいい感じの演奏。とてもまとまりのあるいいカルテットでした。急きょ聴きに行ったリタイタルでしたが、大いに楽しめました!

 

 

 

ということで楽しめたリサイタルでしたが、一点だけ心残りなのは、世界初演となるヴィトマン/スタディー・オン・ベートーベンの特徴やオリジナリティを十分には体感できなかったこと。その大きな理由は…、

 

 

朝から14時くらいまで、ピアノの練習をし過ぎてクタクタだったから(笑)。

 

 

そうなんです。この3連休はピアノを思う存分、練習するぞ!と張り切っていたところに、急きょ今日リサイタルを聴きに行くことになったので、その分、練習時間を確保するため、朝早くからしっかりピアノの練習をしました。特にベートーベン/熱情ソナタ(第1楽章)をたっぷりと。

 

その甲斐あってか、かなり弾けるようにはなっては来ましたが、とにかく1回通しで弾くごとに、もうグッタリ疲れます…。ベートーベンならではの緊迫感のある曲想かつ15ページもあって長い、ということもありますが、何より見た目以上に弾きにくい!

 

例えばアルペジオ。私はショパンのアルペジオであれば、ピアノ・ソナタ第3番の第1楽章や第4楽章のスペクタクルなアルペジオなども、そこまでは苦労しませんでしたが(何というか、ショパンの場合、指がちゃんとハマってくれる&迷わない)、ベートーベンのアルペジオは非常に弾きにくく、さらにどの指で押さえたらいいのかもまだカッチリ決め切れていません。

 

 

 

ベートーベンの練習の疲れを引きずってコンサートに行ったので、その余波がヴィトマンに出てしまいました。ヴィトマンさんやムターさんたちには本当に申し訳なかったですが、これも一つの「スタディー・オン・ベートーベン」ということで、どうかお許しを~!(笑)

 

 

 

 

(写真)素晴らしいベートーベンを聴いて、また、たっぷりベートーベンを練習できて。今日も良き日でした。ということで、一日の終わりのお楽しみ、お酒タイム!(←いまココ、笑)

 

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