紀尾井ホールの開館25周年の記念演奏会を聴きに行きました。トレヴァー・ピノックさんによる楽しみなオール・モーツァルト・プロです!

 

 

紀尾井ホール室内管弦楽団

紀尾井ホール開館25周年記念演奏会

(紀尾井ホール)

 

指揮:トレヴァー・ピノック

ソプラノ:望月 万里亜

アルト:青木 洋也

テノール:中嶋 克彦

バス:山本 悠尋

合唱:紀尾井ホール室内合唱団

 

モーツァルト/交響曲第40番ト短調K.550

モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプス ニ長調K.618

モーツァルト/レクイエム ニ短調K.626(F.ジュスマイヤー補筆版)

 

 

 

まずは交響曲40番。しっとりエレガントなモーツァルト、という印象の演奏。オケの音色が曲に馴染んで、素晴らしい聴きものでした!トレヴァー・ピノックさんは第4楽章の展開部でかなり強調を入れていたのが印象的でしたが、総じてオーソドックスな指揮。それでも聴き応えのある演奏はさすがです。

 

お休みの日の午後に、木の雰囲気の紀尾井ホールで聴くしっとりとした珠玉の40番!喜びを噛みしめる素敵な時間!

 

 

続いてアヴェ・ヴェルム・コルプス。何という優しい合唱!短調の交響曲の後にこれを聴くと、モーツァルトの魂が慰さめられるような気がします。心からホッとする瞬間でした。

 

 

 

後半はレクイエム。冒頭は速めのテンポで入るも、こちらもオーソドックスな指揮。充実の響きのオケと合唱。合唱に混ざって歌ったソリストのみなさんも素敵な歌。聴き応え抜群の素晴らしいレクイエムでした!

 

部分的にはコンフターティスの激情、ラクリモーザの悲壮感、サンクトゥスの晴れやかさ、ベネティクティスの慈愛に特に惹かれました。モーツァルトの音楽の素晴らしさに浸ることだけに集中すれば良い、満ち足りた時間。見事なレクイエムでした!

 

 

 

このコンサートは紀尾井ホールの開館25周年を記念する演奏会です。開館25周年、本当におめでとうございます!

 

東京にはサントリーホールや東京オペラシティコンサートホールなど、響きも雰囲気も素晴らしい大きなコンサートホールがありますが、座席数が800と小ぶりで音響が良く木の温もりを感じる紀尾井ホールは、毎回、紀尾井ホール室内管弦楽団による素晴らしい演奏が聴けることもあり、正に「珠玉」のホールです。

 

周辺には風情のあるお濠の景観だったり、風格のあるホテルニューオオタニだったり、AUX BACCHANALESのおしゃれなテラス席だったり、レアチーズケーキで有名なケーキ屋さん「しろたえ」だったり、コンサートの前後も大いに楽しめます。赤坂見附から青山一丁目、外苑前、表参道、渋谷までの青山通り沿いは、フランス料理やイタリア料理のレストランやビストロ、カフェ、バーが楽しめる、東京でも屈指のエリアです。

 

 

特に若い方々には、紀尾井ホール室内管弦楽団の定期演奏会、土曜日のマチネをお勧めします。マチネのコンサートと近くでの食事やカフェでデートを組めば大いに盛り上がりますよ。ぜひ彼女や彼氏、あるいは気になっている人を誘って紀尾井ホールに聴きに来てみてください!

 

 

 

 

(写真)この冬の旅行で訪れたウィーン中央墓地にあるモーツァルトの墓碑。埋葬はザンクト・マルクス墓地ですが、多くの作曲家が眠る中央墓地にも墓碑があります。