(冬の旅行記の続き) 旅行4日目。最高気温3℃、最低気温0℃。この日は朝はゆっくりした後、ウィーン・フィルのプレヴューコンサートを聴きに行きました。

 

 

WIENER PHILHARMONIKER

Voraufführung Neujahrskonzert

Großer Musikvereinssaal

 

Dirigent: Andris Nelsons

 

Carl Michael Ziehrer

Ouverture zur Operette Die Landstreicher

 

Josef Strauß

Liebesgrüße. Walzer, op. 56

Liechtenstein-Marsch, op. 36

 

Johann Strauß Sohn

Blumenfest-Polka, op. 111

Wo die Citronen blühn. Walzer, op. 364

 

Eduard Strauß

Knall und Fall. Polka schnell, op. 132

 

Pause —

 

Franz von Suppè

Ouvertüre zur Operette Leichte Kavallerie

 

Josef Strauß

Cupido. Polka française, op. 81

 

Johann Strauß Sohn

Seid umschlungen, Millionen. Walzer, op. 443

 

Eduard Strauß

Eisblume. Polka mazur, op. 55; arrangiert von Wolfgang Dörner

 

Josef Hellmesberger d.J.

Gavotte

 

Hans Christian Lumbye

Postillon-Galopp, op. 16/2; arrangiert von Wolfgang Dörner

 

Ludwig van Beethoven

Zwölf Contre-Tänze, WoO 14Auswahl

 

Johann Strauß Sohn

Freuet Euch des Lebens. Walzer, op. 340

Tritsch-Tratsch Polka, op. 214

 

Josef Strauß

Dynamiden. Walzer, op. 173

 

 

Josef Strauß

Im Fluge. Polka schnell, op. 230

 

Johann Strauß Sohn

An der schönen blauen Donau. Walzer, op. 314

 

Johann Strauß Vater

Radetzky Marsch, op. 228

 

 

 

(写真)ムジークフェライン。地球上で最も好きなコンサートホールです。

 

 

 

新年の風物詩ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートは、お正月にテレビ放映もあり、日本でもお馴染みですが、12月30日にプレヴューコンサート、31日にジルヴェスターコンサート、そして1月1日にニューイヤーコンサートと、同じプログラムで3日連続コンサートがあります。この日に聴くのは、その初日のコンサートです。

 

今回はラトビア出身のアンドリス・ネルソンスさんが、初めてニューイヤーコンサートに登場するのが注目されていました。実力派の指揮者でも、必ずしも素晴らしい指揮になるとは限らないのが、ワルツやポルカを中心とするニューイヤーコンサートの難しさ。果たしてネルソンスさんはどうでしょうか?

 

(なお、晴れやかで祝祭的なコンサートなので、感想はごくごく簡単に)

 

 

 

(前半)


カール・ミヒャエル・ツィーラー/喜歌劇「放浪者たち」

何という軽やかで美しい音色と響き!ムジークフェラインで聴くウィーン・フィルの素晴らしさ!冒頭の曲から痺れました!

 

ヨーゼフ・シュトラウス/ワルツ「愛のあいさつ」
チャーミングで若い恋人たちの語らいを思わせる音楽。微笑ましい気持ちになります。

 

ヨーゼフ・シュトラウス/リヒテンシュタイン行進曲

ヨハン・シュトラウスⅡ世/ポルカ「花祭り」

マーチやポルカも楽しい!

 

ヨハン・シュトラウスⅡ世/ワルツ「レモンの花咲くところ」

この曲はヨハン・シュトラウスⅡ世の曲の中でも、私が特に好きなワルツです。ひたすら憧れと切なさを感じる、繊細で美しいワルツ。このワルツには、オペレッタ「ウィーン気質」第3幕でツェドラウ伯爵が、伯爵夫人ガブリエーレに許しを請う歌の旋律が出てきます。とても切ない旋律、大いに魅了されました。

 

(参考)ヨハン・シュトラウスⅡ世/ワルツ「レモンの花咲くところ」。静止画ですが、音楽は素敵な演奏。上記のオペレッタ「ウィーン気質」に出てくる、ほろりと切ない旋律は4:27~5:04と5:39~6:16です。

https://www.youtube.com/watch?v=5yeZAgHvjDE (9分)

※Strauss Capelle Viennaの公式動画より

 


エドゥアルト・シュトラウス/ポルカ・シュネル「電撃」
ゆったり美しいワルツの後に聴く、ポルカ・シュネルのウキウキ感が堪らない!

 

 

 

(後半)

 

フランツ・フォン・スッペ/喜歌劇「軽騎兵」序曲

ウィーン・フィルの軽騎兵序曲は究極!もうズバッ!ピタッ!とホールに見事に調和するウィーン・フィルの響きが最高です!しかも迫力がありながら、パリッと軽やかで極上の貴金属を思わせます。タララッタタ!タララッタタ!途中の有名な行進曲のリズム感も素晴らしい!

 

そして、スッペを聴けたこと自体が大いなる感動!というのも、2019年はスッペの生誕200周年だからです。スッペ生誕200周年に聴けたウィーン・フィルによる軽騎兵序曲!よくぞ選曲していただきました。

 

 

ヨーゼフ・シュトラウス/ポルカ・フランセーズ「キューピッド」

小粋なチャーミングさを感じるポルカ。あのパッポ!とカッコウが鳴くクラップフェンの森にも似ている曲ですね。

 

ヨハン・シュトラウスⅡ世/ワルツ「抱き合え もろびとよ!」

雰囲気ありまくりのヴァイオリンに痺れます!拍を大きく揺らして、ネルソンスさんのリズミカルな指揮がとてもいい感じ。

 

エドゥアルト・シュトラウス(ウォルフガング・デルナー編曲)/ポルカ・マズルカ「氷の花」

ポルカ・マズール。ゆったり恰幅の良い音楽ですが、ポーランド風のワルツ、ということで、昨日アン・デア・ウィーン劇場で観たモニューシュコ/ハルカの悲しみを思い出させます。

 

ヨーゼフ・ヘルメスベルガー/ガヴォット

ピツィカートを使ってチャーミングな音楽。

 

ハンス・クリスティアン・ロンビ(ウォルフガング・デルナー:編曲)/郵便馬車のギャロップ

勢いの良い音楽。何と、ネルソンスさんがトランペットを披露しました!ニューイヤーコンサートはバッチリでしたが、この日はちょっと外していたかも…。ネルソンスさん、本番に強いタイプ?(笑)

 

ベートーベン/12のコントルダンスから第1曲、第2曲、第3曲、第7曲、第10曲、第8曲

もうこれはベートーベン聴けた喜びに浸りました!楽しい!エロイカの旋律!

 

ヨハン・シュトラウスⅡ世/ワルツ「人生を楽しめ」
これぞ正統派のワルツ!という感じの聴き応え満点のワルツ!「人生を楽しめ」という曲名がまたいいですね。座右の銘にしようかな?(笑)

 

ヨハン・シュトラウスⅡ世/トリッチ・トラッチ・ポルカ
有名なトリッチ・トラッチ・ポルカ。いつ聴いても賑やかで活き活きして楽しい!

 

ヨーゼフ・シュトラウス/ワルツ「ディナミーデン」
ラストにディミナーデンを聴ける喜び!この曲は最高だった2019年11月のクリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルの来日公演でも聴きました。ご存じ、R.シュトラウス/ばらの騎士のオックス男爵のワルツの原曲でもあります。ゆったり奥ゆかしい音楽ですが、惑星の運行をも感じさせる、スケールの大きさを感じます。

 

 

(アンコール)

 

ヨーゼフ・シュトラウス/ポルカ・シュネル「飛ぶように急いで」
これまた楽しいポルカ・シュネル!

 

ヨハン・シュトラウスⅡ世/ワルツ「美しく青きドナウ」

この曲は涙なくしては聴けません…。日本オーストリア友好150周年にこの曲を聴けて本当に良かった!

 

ヨハン・シュトラウスⅠ世/ラデツキー行進曲
観客による拍手がお楽しみのラデツキー行進曲。いつもは拍手を控える場面でも、ネルソンスさんから拍手をするように指示が出て、「ええ~!?ここも叩いていいの?」と思いつつ、フランツもおっかなびっくりの拍手(笑)。かなり拍手の場面が多かった、賑やかなラデツキー行進曲でした!

 

 

 

ウィーン・フィルのプレヴューコンサート、ウィーン・フィルのワルツやポルカに酔いしれた、極上の時間でした!アンドリス・ネルソンスさんは大きな身振りでノリノリの指揮、オケもよく乗って心地良く演奏していたように感じました。プレヴューコンサートは花の飾り付けもまだ全開ではなく、テレビ放映もないですが、プログラムはニューイヤーコンサートと全く同じです。至福の時間に他なりません!

 

昨年2019年はウィーン・フィルを6回(オペラも含めれば10回)聴けた素晴らしい年、と年末のまとめ記事で総括しましたが、嬉しいことに年の最後にもう1回聴くことができました!世界で一番好きなオーケストラを本拠地ムジークフェラインで聴く喜び!2019年はとても良い年でした!

 

 

 

 

(写真)終演後にブリストルで見かけた、オーストリアと日本の大きな国旗。これを見つけた時は本当に嬉しかったです。祝!日本オーストリア友好150周年!

 

 

 

(写真)ブリストルを通り過ぎると、すぐウィーン国立歌劇場が見えてきます。ちょっとご無沙汰してますが、今回のウィーン滞在中、果たしてシュターツオーパーには行くのでしょうか?

 

 

 

 

(写真)クリスマス・シーズンらしい飾りもあちこちで見かけました。この時期のウィーンはロマンティックで、ただまちを歩くだけで楽しいです!