ラファエル・パヤーレさんがN響に定期に客演するコンサートを聴きに行きました。オール・ショスタコーヴィチ・プログラム、アリサ・ワイラースタインさんのチェロも楽しみです。

 

 

NHK交響楽団第1933回定期演奏会Cpro.

(NHKホール)

 

指揮:ラファエル・パヤーレ

チェロ:アリサ・ワイラースタイン

 

ショスタコーヴィチ/バレエ組曲第1番

ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲第2番ト長調

ショスタコーヴィチ/交響曲第5番ニ短調

 

 

 

開演前にピアノのお姉さんが熱心に練習していて、とてもいい感じ。コミカルでユーモラスなピアノの生の旋律が聴こえてきて、もうずっとやっててほしい!(笑)

 

 

まずはバレエ組曲。軽やかでコミカルで楽しい!人を喰ったようなお茶目な音楽も聴かれて大いに魅了されます。この曲はバレエ音楽「明るい小川」が原曲です。あのプラウダ批判でも有名な曲ですが、いつかぜひ「黄金時代」「ボルト」とともにバレエでも観てみたい。多分、めっちゃ楽しいと思います。

 

 

続いてチェロ協奏曲。一転、非常に内省的な、瞑想的な何とも言えない音楽。晩年のショスタコーヴィチ、一筋縄では行かない奥深さと神秘さを感じさせる音楽。途中に出てくるコミカルな音楽も素晴らしい。最後はまるで交響曲第4番第2楽章のラストのよう。うわ~謎だ~!(笑)

 

なかなか一言では語れない曲ですが、アリサ・ワイラースタインさんのチェロがとにかく深い音色、抜群の存在感で見事!おそらく十八番の曲なのでは?なかなか聴くことのできない曲の素晴らしい演奏でした!

 

 

 

後半は革命。抑揚が大きく付いた第1楽章、歯切れよく進んだ第2楽章といい感じ。コンマスのライナー・キュッヒルさんの第2楽章の明るい雰囲気のソロは、音色といい表現といい、艶やかで何かが違う。ふと、ウィーン・フィルのショスタコーヴィチもライヴで聴いてみたいと思いました。

 

そして第3楽章。ラファエル・パヤーレさんは静と動の描き分け、対比が見事。木琴が高鳴るクライマックスでは、一音一音で唸り声を上げて渾身の指揮!

 

その後のチェロを中心とした弦楽の異様なまでの強奏の響きが凄すぎる!引き続く亡霊のように浮かび上がるヴァイオリンにも大いに魅了されました。ラストのチェレスタもいつもながら絶妙な音楽!

 

第4楽章。速いテンポで入り、前のめりに多段階で加速する、まるでバーンスタイン/ニューヨーク・フィルを思わせる冒頭!これは痺れました!聴き応えのある迫力のラストも見事!若武者が躍動してN響がそれにしっかり応えた、素晴らしい革命でした!

 

 

ラファエル・パヤーレさんとアリサ・ワイラースタインさんとN響のコンサート、素晴らしかったです!このコンサートを聴くだけでショスタコーヴィチの音楽の様々な側面を俯瞰でき、その幅広さや奥行きの深さを十二分に堪能できる、卓越したプログラム。こういうのは本当にいいですね。

 

2月1日(土)も15:00から二日目の公演があります。一日目も抜群でしたが、二日目はもっと良くなるでしょう。当日券もあると思うので、ショスタコーヴィチの音楽の存分に体感されたい方は、ぜひ聴きに行かれてみてください!

 

 

 

 

(写真)ショスタコーヴィチ/交響曲第5番ニ短調「革命」の愛聴盤、レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルのCD。言わずと知れた名盤です。今日のコンサートの第4楽章冒頭はレニーのテンポを思わせて、「きた~!」と思いました。バーンスタイン没後30周年に聴けて、とても嬉しい瞬間でした。