今回の冬の旅行の観劇の先陣を切るのはヨハン・シュトラウスⅡ世/ヴェネツィアの一夜。ウィンナワルツが大活躍する、珠玉のオペレッタです!

 

 

Allee Theater - Hamburger Kammeroper

Allee Theater

 

J. Strauss Sohn

Eine Nacht in Venedig

 

Musikalische Leitung und Bearbeitung: Ettore Prandi

Regie und Choreographie: Stefan Haufe

Bühne: Kathrin Kegler

Kostüme: Barbara Hass

 

Barbara Delaqua: Iva Krušić

Herzog Urbino: Titus Witt

Annina: Natascha Dwulecki

Caramello: Gevorg Aperánts

Pappacoda: Lukas Anton

Ciboletta: Anne Elizabeth Sorbara

Senator Bartolomeo Delaqua: Gregor Nöllen

 

Allee Theater Ensemble

 

 

 

(写真)ハンブルク・アレー劇場

 

(写真)公演のプログラム(アンニーナ(左)とカラメッロ)

 

 

(参考)J.シュトラウスⅡ世/ヴェネツィアの一夜(ダイジェスト)

https://www.youtube.com/watch?v=Z6qvhcn1dQo (2分)

※メルビッシュ湖上音楽祭の公式動画より。広い舞台を上手く使った、メルビッシュならではの迫力の公演です。

 

 

 

会場はハンブルク・アレー劇場。ハンブルクで有名なのはハンブルク国立歌劇場。そしてオペレッタハウスもありますが、このアレー劇場はおそらくあまり知られていない劇場かと思います。客席は300席くらいでオケは室内楽。それでも十分楽しい舞台になります。 

 

 

 

ヴェネツィアの一夜のあらすじは非常に込み入っているので、簡単にまとめるのは諦めます(笑)。超ざっくり言うと、好色のウルビーノ公爵がヴェネツィアのカーニバルにやってきて、ヴェネツィアの重鎮デラックアの美しい妻バルバラを狙います。

 

バルバラの侍女のチボレッタ、そして漁師の娘アンニーナの2人がバルバラに変装して公爵をごまかそうとしますが、その2人の恋人、料理人パパコーダと理髪師カラメッロが乱入して大混乱。それでも最後は大団円を迎える楽しいオペレッタです。全く訳分かりませんね?(笑)

 

 

 

前半。序曲のワルツで早くも涙…、心を揺すぶる音楽の素晴らしさ!観客のみなさまを見ると、前のおばさまがノリノリで指揮のフリをしたり、後ろのおじさまがメロディを歌ってたり(笑)。心から楽しんでいる様子が分かります。こういう周りのお客さんたちの心からオペレッタを楽しんでいる姿にほっこりするのも、ヨーロッパの観劇の醍醐味の一つです。

 

歌の場面では、パパコーダが「パパコーダ」を連呼して陽気にコミカルに踊りながら歌う場面、チボレッタがパパコーダと痴話喧嘩する場面、カラメッロがゴンドラを漕いで幻想的な歌を歌う場面など、とても魅了されました。ウルビーノ公爵がバルバラといい感じで歌う場面では、ワルツ「南国のばら」の音楽が出てきましたが、これはアレンジなのでしょうか?

 

若手を中心とした歌手のみなさんは、歌も上手いですが、とにかくみなさん演技が抜群に上手い!コロコロと変わる喜劇の表現、役柄を見事に演じます。オケはほとんど室内楽ですが、雰囲気出ていて十分。舞台も簡素ですが、小道具を上手く使ったり、とても楽しい舞台。オペレッタの楽しさを十分に伝えます。

 

 

 

(写真)パパコーダの歌の場面では、お店のPRとして客席でビラを配り始めました。チボレッタ役のAnne Elizabeth Sorbaraさんからいただいたビラ。

 

 

 

後半。恋人のアンニーナがウルビーノ公爵といい感じなので、カラメッロがフィガロ、コジ・ファン・トゥッテ、リゴレットのマントヴァ公爵の“La donna e mobileを歌って嘆く歌が印象的。(アンニーナとチボレッタの2人が変装して)バルバラが2人となって一瞬とまどうも、まあいいかと2人とも口説き始めるウルビーノ公爵!(笑)

 

しかし、カラメッロとパパコーダに邪魔され、本物のバルバラも加わり、バルバラはどこ~と翻弄されます。すったもんだして、最後は3組のカップルとも微妙な雰囲気になりますが、ウルビーノ公爵がまた来年の仮面舞踏会で会いましょう!とちゃっかり締めて、いつの間にかハッピーエンドで幕(笑)。最後は見せ場のメドレーを歌って楽しく終わりました。

 

 

 

いや~、とても楽しい公演でした!ヨーロッパ旅行だと、どうしても対応が難しくなるのがヨーロッパ入り初日の観劇。時差が8時間(冬時間)あるので、どうしても眠くなるからです。そりゃそうですよね。日本時間で朝の4~7時(笑)に相当する時間帯での観劇なので。

 

こういう場合は、シリアスなオペラは避けて、楽しいオペレッタやミュージカル、短い曲目からなるコンサートにすると、上手く乗り切れることが分かってきました。前回の夏の旅行はカール・ツェラー/小鳥売り、その前のGWの旅行ではミュージカル/I am from Austriaを選択して、結果、一睡もせず楽しめましたが、今回も作戦大成功!ヨハン・シュトラウスⅡ世の楽しいオペレッタを存分に楽しめました!

 

 

このアレー劇場には、建物の中にFoyerという雰囲気の良いビストロもあって、開演前には多くの方々が食事を楽しんでいました。大人の楽しみ方でとてもいいですね。次に来る機会があったら、観劇の前に来てみようと思います。

 

 

 

 

(写真)終演後は初日なので食事は控えましたが、お酒だけ軽く。ハンブルクを代表するビール、ホルステンです。