名指揮者マリス・ヤンソンスさんが11月30日に亡くなられました。享年76歳。長らく心臓を患われていましたが、指揮活動を懸命にされながら、の中でした。素晴らしい指揮者。本当に残念でなりません。


マリス・ヤンソンスさんと言えば、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とバイエルン放送交響楽団の両方のシェフを務められていたので、両オケとのコンサートをいろいろ聴くことができました。

いずれも曲の魅力を存分に高めていただける卓抜な指揮。ここでこうしてほしい(強調したり溜めたりなど)という想いをことごとく自然な形で音にしていただけるので、いつも充実の聴き応え。大いなる感動に包まれたコンサートばかりでした。


中でも私が一番記憶に残っているのは、2007年にウィーンのムジークフェラインにバイエルン放送交響楽団と客演された時のマーラー/交響曲第7番。第1楽章からニュアンスに溢れ、非常に雰囲気のある演奏。最終楽章を躍動感のある指揮で盛り上げる音の饗宴には圧倒的な感銘を受けました!

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は幸運なことに、本拠地のアムステルダムのコンセルトヘボウで聴くことができました。同じく2007年、マーラー/さすらう若人の歌(トーマス・ハンプソン独唱)、ドヴォルザーク/交響曲第8番というクリスマス・マチネのコンサート。素晴らしいコンセルトヘボウの響きを堪能しつつ、曲の魅力を十二分に体感できた至福の時間でした。

来日公演では、2010年のマーラーイヤーのハイライトであるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とのマーラー/交響曲第3番、2014年のR.シュトラウスイヤーに聴けて嬉しかったバイエルン放送交響楽団とのR.シュトラウス/ドン・ファン&ばらの騎士組曲などなど、様々なコンサートを存分に楽しめました。


偉大な指揮者ですが、アムステルダムでは自転車に乗って移動されたり(現地の記事で見ました)、気さくな方だったようです。マエストロ・ヤンソンス、素晴らしい音楽を本当にありがとうございました!

 

 

 

(追伸)マリス・ヤンソンスさんのお写真(アムステルダムのコンセルトヘボウから届いたメールよりお借りしました)。12月2日(月)夜、家に帰ったら、コンセルトヘボウからマリス・ヤンソンスさんを追悼するメールが届いていました。追悼の記帳も12月6日まであるようです。改めて、偉大な指揮者に、心より哀悼の意と感謝の気持ちを捧げられればと思います。