先週のロシア・プロが素晴らしかったトゥガン・ソヒエフさんとN響。この日はフランス・プロを聴きに行きました。

 

 

NHK交響楽団第1923回定期演奏会Bpro.

(サントリーホール)

 

指揮:トゥガン・ソヒエフ

 

ベルリオーズ/劇的物語「ファウストのごう罰」から

  「鬼火のメヌエット」「ハンガリー(ラコッツィ)行進曲」

ビゼー/交響曲第1番ハ長調

ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲

ベルリオーズ/劇的交響曲「ロメオとジュリエット」(抜粋)

 

 

 

まずはベルリオーズ/ファウストの劫罰から。フルートを始め木管のキビキビ感が見事だったメヌエット、キレとメリハリが抜群だったラコッツイ。1曲目から全開の、あざやかな演奏でした!

 

ファウストの劫罰は私がベルリオーズで最も好きな曲です。いつかソヒエフ/N響で全曲が聴きたいですね。さらにオペラ公演だったら最高です!

 

 

続いてビゼー。流れるような推進力に満ちた第1楽章、寂しげなオーボエと途中のロマンティックな盛り上がりが素敵な第2楽章。南国の雰囲気を感じる第3楽章。第4楽章は細かく刻むヴァイオリンが、バレエダンサーが回るシーンを思わせます。こちらも素敵な演奏でした。

 

 

 

後半はドビュッシュー。牧神の午後への前奏曲は聴く頻度の高い曲ですが、毎回本当に魅了されます。今日は幻想的で官能的な牧神、というよりは、明晰でドビュッシーの和声と管弦楽の妙、そしてN響の演奏の精妙さ堪能できた、素晴らしい演奏でした。

 

 

最後は再びベルリオーズで、ロメオとジュリエットから。ベルリオーズらしい小刻みに畳み掛ける金管を、N響の迫力の演奏で体感できた「ロメオひとり」「悲しみ」「キャピュレット家の宴会」。よく歌って雰囲気抜群のチェロを主体に、ロマンティックな音楽に包まれた「愛の場面」。

 

これまたベルリオーズならではの弦の細かい刻みで、幻想的な妖精の音楽を存分に堪能できた「マブ女王のスケルツォ」。こちらもN響の機能性や一体感を堪能できた素敵な演奏でした!

 

 

 

トゥガン・ソヒエフさんとN響のコンサート、今日も色彩感に溢れ、聴き応え十分の素敵なコンサートでした!ソヒエフさんは、例えば私の大好きなクリスティアン・ティーレマンさんのように、そこまで大胆な解釈を仕掛けてくるタイプの指揮ではないと思いますが、とにかく充実の響き。オケがよく鳴って、毎回とても満足度が高いです。

 

今年は1月に2回、10月2回、計4回聴くことができました。またのお越しを、心よりお待ちしております!

 

 

 

(追伸)コンサートに全く関係ないですが(笑)、帰り道にコンビニで買い物をした時に、レジで黒人の女性の方がお店の方とカイロの購入についてやりとりしていました。お店の方が貼るタイプと貼らないタイプがあることを伝えようとしていましたが、どうやら十分に理解できないようです。

 

ここは出番かな?ということで、2つのタイプがあることを説明して、女性の方も希望のカイロを無事購入。素敵な笑顔で大いに感謝されるとともに、お店の方からも感謝されました。そして、私も嬉しい気持ちに。

 

現在ラグビーのワールドカップで、日本各地でのおもてなしがかなり好意的に報道されていて、本当にいいなと思いますが、こういう小さなことの積み重ねで日本や日本人に好感を持ってくれる人やファンが増えれば本当に嬉しい。だんだんと風が冷たくなってきた中、素晴らしいコンサートを聴いてホクホクの心が、さらに温かくなった出来事でした。