いやはや、昨日(11月11日)のクリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルのブルックナー8番はもの凄いことになりました!一晩経っても未だに興奮冷めやらぬ中ですが、次の記事へとまいりましょう。少し空きましたが、夏の旅行記の続き、奇しくもウィーン・フィルの記事です!

 

 

 

(夏の旅行記の続き) 旅行9日目。今回の旅もいよいよクライマックスを迎えます。この日は朝一番でウィーンからザルツブルクに移動しました。今年のザルツブルク音楽祭でも特に楽しみにしていた公演、リッカルド・ムーティ/ウィーン・フィルのヴェルディ/レクイエムです!

 

 

Salzburger Festspiele 2019

Wiener Philharmoniker

Grosses Festspielhaus

 

Giuseppe Verdi

Messa da Requiem für vier Solostimmen, Chor und Orchester

 

Dirigent: Riccardo Muti

 

Sopran: Krassimira Stoyanova

Mezzosopran: Anita Rachvelishvili

Tenor: Francesco Meli

Bass: Ildar Abdrazakov

 

Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor

Choreinstudierung: Ernst Raffelsberger

Wiener Philharmoniker

 

 

 

(写真)開演前のザルツブルク祝祭大劇場

 

 

 

今年1月にムーティさんはシカゴ交響楽団と来日されて、ヴェルディ/レクイエムを指揮されました。とても素晴らしい演奏だったようですが、私が聴きに行かなかったのは、夏にザルツブルクでウィーン・フィルとのヴェルレクを聴く予定だったからです。実は前回ヴェルレクを聴いたのも、2013年のザルツブルク音楽祭でのムーティ/ウィーン・フィルでした。

 

(参考)2013.8.15 ムーティ/ウィーン・フィルのヴェルディ/レクイエム(ザルツブルク音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-11609140997.html

 

 

 

開演前、事務局の方が出てきて、ムーティさんがテクニカル・イシューで開演時間が遅れます、とアナウンスがありました。むむっ!?テクニカル・イシューって、一体なに?愛用の指揮棒にトラブル?背中の筋肉などお体のトラブルでしょうか?

 

結局5分遅れで普通に始まりました。私の推察では、歌手の方に何か事情があって準備が間に合わなかったので、ご自身を理由にして時間を稼いだのではないか?です。

 

 

冒頭のウィーン・フィルの繊細な弦!そして、立ち昇って、フッと弱める場面で早くも涙…。ムーティさんとウィーン・フィルの美しい演奏に、始まりから大いに魅了されます。

 

キリエは4人の強力な歌手による力強い歌。ウィーン国立歌劇場合唱団による合唱もさすがです。そして怒りの日のド迫力!トランペットが客席の両脇からこだまして大変スペクタクルな響きです。サルバ・メの切々と歌われる歌に感動!再度の怒りの日にも大いに魅了されました。

 

ラクリモーザはその深々とした前奏からグッときました。サンクトゥスはテノールのソロが素晴らしい!フランチェスコ・メッリさんは、一昨年このホールで聴いたヴェルディ/アイーダのラダメスも最高でしたが、今日のレクイエムでも、ミ~レドレ~ミ~の旋律をタップリ歌って抜群でした!後奏の繊細で温かいウィーン・フィルの弦も素晴らしい。

 

(参考)2017.8.19 ヴェルディ/アイーダ(ザルツブルク音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12323104468.html

 

サンクトゥスは活き活きとしたフーガに心踊ります。ラストで厳しい音楽から一転して優しい音楽に切り替わるウィーン・フィルが本当に見事。まるで一つの生き物のようです。バスのイルダール・アブドラザコフさんによる”Requiem aeternam”は威厳があって素晴らしい!昨年、ロッシーニ/アルジェのイタリア人のコミカルなムスタファ(笑)と同一人物とはとても思えない立派さでした。

 

(参考)2018.8.19 ロッシーニ/アルジェのイタリア女(ザルツブルク音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12426795154.html

 

アニュス・デイ、私がこのヴェルレクで一番好きな音楽です。クラッシミラ・ストロヤノヴァさんとアニタ・ラチヴェリシュヴィリさん(昨年の大晦日のMETの公演、チレア/アドリアーナ・ルクヴルールのブイヨン公爵夫人!)しっとり繊細に歌われて心に沁みる音楽、もう涙涙…。フランツ、2019年8月17日、ムーティ/ウィーン・フィルのヴェルレクに昇天。

 

最後の方はクラッシミラ・ストロヤノヴァさんの情感溢れるソプラノが素晴らしい!まるでオペラのエンディングのよう。低音の声色はマリア・カラスを思わせました。最後にムーティさん、大きく溜めて走って大きく抑揚を付けた大団円の指揮!それを最高の音楽で伝えるウィーン・フィル!痺れました!

 

 

また凄いものを聴いた!観客は終演後、即座に総立ちになりました!ムーティさん、歌手のみなさん、合唱、ウィーン・フィル、みんな素晴らしい!2013年に続いて、最高のヴェルレクを聴くことができました!

 

 

 

 

(写真)ザルツブルクにあるヘルベルト・フォン・カラヤンの像。どうしてこの写真を掲載したのか?理由は伏せますが、ピンと来る方もいらっしゃるかも知れません。

 

 

 

(写真)この日も忙しい観劇スケジュールなので、ランチを楽しんでいる時間はありません。ホテルに帰って、軽くサンドイッチを食べて休憩。とにかく集中力を持って観劇するためには、しっかりとした準備が必要。ザルツブルク音楽祭の観劇は体力勝負です。