ウィーンでフンダートヴァッサーの建築や絵画を楽しんだ後、バスでウィーンの南東60kmのメルビッシュに移動して、オペレッタを観に行きました。メルビッシュ湖上音楽祭の公演、大好きなレハール/微笑みの国です!

 

 

Seefestspiele Mörbisch

Franz Lehár

Land des Lächelns

 

Musikalische Leitung: Thomas Rösner

Regie, Choreografie: Leonard C. Prinsloo

Bühnenbild: Walter Vogelweider

Kostümbild: Christof Cremer

Lichtdesign: Jürgen Erntl

Studienleitung & Dirigat: Günter Fruhmann

Akustik: Prof. Ing. Wolfgang Fritz

 

Lisa: Elissa Huber/Sophia Brommer

Prinz Sou Chong: Robin Yujoong KIM/Won Whi Choi

Mi: Da-yung Cho/Katerina von Bennigsen

Graf Gustav von Pottenstein: Martin F. Lechleitner/Maximilian Mayer

Graf Ferdinand Lichtenfels: Benno Schollum

Obereunuch: Harald Serafin

Fu Li, Sekretär: Gernot Kranner

Onkel Tschang: Koichi Okugawa

 

 

 

私はメルビッシュ湖上音楽祭に来るのは、2008年のベナツキー/白馬亭にて、2013年のミレッカー/乞食学生に続き3回目になります。今回は大好きなレハール/微笑みの国、とても楽しみです。

 

(参考)2013.8.17 ミレッカー/乞食学生(メルビッシュ湖上音楽祭)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-11613486113.html

 

 

 

(写真)メルビッシュ湖上音楽祭の入口。この光景を見ると心躍ります。”Herzlich Willkommen !”が嬉しい。

 

(写真)観劇前の腹ごしらえは2013年にオーストリア人のカップルが美味しそうに食べていて覚えたフレッケルン。これは病みつきになりそうなくらいの美味さですね。オーストリアのビール、ヴァイセブルガーとともに。

 

 

(写真)中の飲食コーナーではブッダのモニュメントがありました。微笑みの国ならではの光景。

 

 

(写真)開演前の舞台。湖上音楽祭なので、広い舞台でスペクタクルな演出でオペレッタを観ることができます。舞台の後背には世界遺産の湖、ノイジートラー湖が見えます。

 

※なお、私はオペラハウスやコンサートホールでは禁止されていたり、マナー違反だったりするので一切写真を撮りませんが、この音楽祭はその点全くオープンなので写真OK(ただし公演中以外)としています。

 

 

 

第1幕。序曲では、ミの中国4千年の歌の旋律の場面で、女性のダンサーたちによる乗馬と馬の踊りが付きました。こういうのは理屈なしで楽しい!

 

リーザの登場の前には、リーザが馬術大会で優勝した、馬の走る音が大音響で聴こえました。音楽祭の大きな客席を取り巻くスピーカーを上手く使って、馬が走り去っていくのを体感できるサウンド効果が素晴らしい!

 

リーザの出だしのアリアは勢いがあって本当に好き。後で異国の中国に嫁ぐ決断をするまでの冒険心を持つリーザの姿勢がよく現れている音楽です。スーから金色のブッダの置物のプレゼントが届き喜ぶリーザ。

 

リーザとスーのほのぼのとしたお茶の歌の掛け合いがとてもいい感じ。この辺りはメルビッシュ湖上音楽祭の広い舞台を使って、左右のスペースで民族衣装の踊りも魅せました。

 

スーとリーザの最後の二重唱は、レハールが難しい調性を使った素晴らしい音楽!リーザの葛藤から最後高らかに愛を歌い上げる場面には痺れました!素晴らしい第1幕!

 

 

 

(写真)休憩中にいただいたノイジートラー湖のフィッシュ&チップスとブルゲンランドのSeeblume 2018。ワイングラスには微笑みの国のシルエット(リーザ)が描かれています。売店のオーストリア人の女性の売り子さんが日本語を勉強されている方で、日本語で話しかけられました!こういうのは本当に嬉しい。

 

 

(写真)第2幕の開演前。大分、日が暮れてきました。この日は気温は低くはないもののやや風があって、寒そうにしている観客があちこちで見られましたが、私は防寒対策をしてきたので大丈夫でした。

 

私は旅行中、スマホをWi-Fiからインターネットにつなぐことはほとんどしませんが、唯一するのは翌日の天気(天気・気温・風)のチェックです。

 

 

 

第2幕は巨大な龍が炎を吐きながら舞台に登場します。メルビッシュ湖上音楽祭ならではの豪快な演出で、土俗的な雰囲気の音楽によく合っていました。スーの首相就任の場面は広い舞台が効果的。

 

ミがテニスルックで登場。ミは小悪魔的な雰囲気で可愛い!中国四千年の歌もコミカルに魅せました。

 

メルビッシュ湖上音楽祭のレジェンド、ハラルド・セラフィンさんが宦官長で登場!可笑しみのある歌、グステルとのやりとりも可笑しく、会場から大きな拍手をもらっていました。

 

グステルから最後に「どこに行くの?」と問われて、ハラルド・セラフィンさん、「マキシムに行く!」とレハール/メリー・ウィドウの決めのセリフが出てきて、観客大受け(笑)。なお、オーストリアではハラルド・セラフィンさんが舞台に帰ってきた!と相当に盛り上がったようです。

 

スーとリーザの二重唱「誰が愛を吹き込んだのか」は本当に好き。そしてこのオペレッタで最も有名なアリア「君こそわが心の全て」も聴かせました。しかし、スーは掟に従って4人の女性と結婚せざるを得ず、リーザはこのことに憤慨して国に帰る決心をします。遂にはリーザに送った大切な金色のブッダを破壊するスー

 

(参考)レハール/微笑みの国より、スーとリーザの2重唱「誰が愛を吹き込んだのか」

https://www.youtube.com/watch?v=ICJ0EKQzfUk (5分)

※LOFTmusicの公式動画より。トロ甘の素晴らしい旋律!レハール、天才としか言いようがありません!

 

ここでリーザの聴いたことのない歌が入りました。カットをしない原曲による公演のようです。リーザが国に帰るということで、グステルも国に帰ることになりますが、ミとグステルの別れも切ない。スーは逃亡を図る2人を捕まえますが、すぐに自由にします。

 

スーの決心を表わす「誰が愛を吹き込んだのか」の旋律をオケが劇的に演奏する音楽が素晴らしい!最後の別れはスーとリーザはしっかりと挨拶して別れ、ミとグステルは何もなく別れてしまい、却って切なさがよぎります。ラストのスーの慰め歌に、ミは共感せずに終わりました。このパターンも初めて観ました。より自由を希求するミ、という演出なんですね。

 

 

 

メルビッシュ湖上音楽祭のレハール/微笑みの国、大いに楽しみました!ここは舞台が広くて、スペクタクルな演出が入るので、本当に見応えがありますね。これで微笑みの国は、ウィーン・フォルクスオーパー、バート・イシュル・レハール音楽祭、メルビッシュ湖上音楽祭と、オーストリアのオペレッタの柱となる3つの舞台を観ることができました!東京でもいつか観れることを期待しています!

 

 

 

 

 

 

(写真)終演後はメルビッシュ湖上音楽祭名物の花火。目の前で打ち上げるのが見えるので、ド迫力です!舞台上の大きな龍の目の色も変わったり、工夫を凝らした演出も楽しい!