ダブリン3日目の夜。この日はダブリン市内でコンサートを聴きに行きました。いや、観に行きました。

 

Close Encounters of the Third Kind

 

これ、何のことだか分かりますか?私も初めて見た時は、見慣れない英語にさっぱり分からず???となりました。しかし、私が見た時はTouTubeで探しているもの(下の参考記事に貼り付ける動画)がこの言葉の日本語名だったので、「英語の原題はこれなのか!」と理解するのにそう時間はかかりませんでした。

 

そうなんです。あの宇宙人との交流を描いたスティーヴン・スピルバーグ監督の名作映画「未知との遭遇」の英語の原題なんです!

 

「未知との遭遇」の音楽を作ったのはジョン・ウィリアムズ。今年3月にはグスターボ・ドゥダメル/ロサンゼルス・フィルの来日公演で、オール・ジョン・ウィリアムズ・プログラムのコンサートを聴きました。

 

(参考)2019.3.21 グスターボ・ドゥダメル/ロサンゼルス・フィルのジョン・ウィリアムズ・プロ

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12448705473.html

 

 

そこでも抜粋が演奏された「未知との遭遇」を、何と映像付きで聴くことのできるコンサート!もとい、映画をノーカットで観て、その音楽をオケが演奏してくれる気の利いたコンサートが私の滞在中にダブリンであったんです!めっちゃ楽しみです!

 

 

RTÉ National Symphony Orchestra

Close Encounters of The Third Kind in Concert

National Concert Hall

 

 

 

(写真)コンサートホールのイベント紹介誌(5・6月号)より、本コンサートを紹介する写真、「未知との遭遇」の巨大なUFOの母船。このような映像を観ながらのジョン・ウィリアムズの音楽はめちゃめちゃ感動的でした!

 

 

 

(写真)ダブリンのNational Concert Hall。昼間に散策を楽しんだセント・スティーブンス・グリーンの南側にあります。

 

 

 

ホールは紀尾井ホールを丸くした感じ、緑色にライトアップされて美しい。舞台の中央には大きなスクリーンが。ここに映画の映像が映されます。その両脇の奥に座っている人たちは、これではスクリーンが見えないのでは?と思ったら合唱のみなさまでした(笑)。

 

 

最初のオープニングは不協和音から入って合唱がシャウト!非常に印象的な入り。この辺りは、ロサンゼルス・フィルのコンサートでも大いに体感したところですが、合唱まで入るのはとても贅沢です。オケもとても上手い。

 

久しぶりに観る「未知との遭遇」の映画。もう30年ぶりくらいだと思いますが、画像を見てみると見覚えのあるシーンがちらほらありました。作りは昔の映画という感じですが、新進気鋭の意欲や工夫をそこここに感じます。

 

ラシソ↓ソ↑レの有名な音列を研究者が紹介するシーンでは、何と研究者の方がゾルターン・コダーイに言及する場面がありました!やっぱりコダーイは民族音楽の研究をした作曲家として有名なんですね。

 

UFOが道路の上を通っては消えていく大好きなシーン。バリー(子供役)の「アイスクリームだ!」が可愛い(笑)。UFOを感じ、集まった人々は笑みを浮かべて寛容の見本のような人々。この方々の人生も知ってみたくなります。

 

バリーがUFOに連れて行かれるシーンは、結末を知っていると、そこまで恐怖感はありませんが、それでもやっぱり緊張するシーン。音楽も緊迫感を大いに高めていました。

 

後半は、途中で主人公ロイが熱狂して山を創作しましたが、その印象的な山に向かうシーン。UFOの出現、そして大きなUFOの母船の出現のシーンは感動しますね!ラシソ↓ソ↑レはゆっくり音を出していた印象がありましたが、後半は結構速く繰り返していました。

 

宇宙人は3つのタイプの形状で登場。昔ながらの宇宙人がいい味出していますね。最後は何と宇宙人が笑っていた!(笑)キュート!

 

巨大な母船が去っていくラストの音楽もめっちゃ感動的!ジョン・ウィリアムズすげ~!そして エンディングのクレジットに”Music by John Williams”を見た瞬間の感動!痺れました!

 

(参考)「未知との遭遇」から抜粋。グスターボ・ドゥダメル/ロス・フィルの演奏。前半のゾクゾクする不協和音の後、3:07からの懐かしい響き、4:15からの流れるような旋律、5:15の高らかに鳴るテーマの音列、6:17からの頂点に向けて高まる音楽、6:50のクライマックス、7:40の音列の余韻。本当に名曲そして名演奏だと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=BZEkQ2lD8UQ (8分)

※グスターボ・ドゥダメルさんのYouTubeの公式動画より

 

 

 

観客がみなあっと言う間に立ってオケを讃えていたのも感動的。そして指揮者がスコアを持ち上げて讃えていたのにはさらに感動でした。

 

素晴らしい映画を、生のオケと合唱で観て聴いて特別な時間。昨年観たウエスト・サイド・ストーリーの生のオケの映画も良かったけど、物語のスケールは宇宙を描いた「未知との遭遇」の方が圧倒的に大きいので、オケで聴くと、より楽しめる印象を持ちました。

 

 

 

(写真)終演後は遅い時間だったので、パブでアイルランドビールのスミティックスを一杯だけ。素晴らしい映画と音楽を堪能した後の美味しい一杯。

 

 

ビールを飲みながら、つらつら反芻しましたが、この映画は人間と宇宙人との出逢いと触れ合いを描いた映画ですが、それ以外にも感じるところが大いにある映画です。家族の物語、母と子の愛、探究心、他者への寛容の心、違うものに対する受け入れの心などなど。

 

そして、おもちゃやガラクタに囲まれて、庭で遊んで、アメリカの古き良き生活のシーンがふんだんにありました。インターネットもスマホもSNSもない時代。家族に囲まれて幸せを感じる親や子供たち。私たちは便利さと引き換えに、何か大切なものを失っているのかも知れません。インターネットやブログは適度な距離感を持ちながら、上手く利用したいものだと改めて思いました。

 

 

 

 

(写真)ホテルへの帰り道のリフィ川の夜景。アイルランドの3日間は素晴らしい旅となりました!ダブリンは何と言うか、とても馴染むまち。また訪れる日が楽しみです。