フランスはブルゴーニュの素晴らしい白ワイン、シャブリの試飲会に参加しました。

 

 

シャブリ・スペシャルテイスティングイベント

シャブリの名門ドメーヌ 夢の饗宴

(エノテカ広尾店)

 

(ドメーヌ・ジャン・クロード・コルトー)

①シャブリ・プルミエ・クリュ・ボーロワ2016

②シャブリ・グラン・クリュ・ブランショ2015

 

(ドメーヌ・ルイ・ミシェル)
③シャブリ・プルミエ・クリュ・モンテ・ド・トネル2016

④シャブリ・グラン・クリュ・グルヌイユ2006[1500ml]

 

(ドメーヌ・ダニエル・ダンプ)

⑤シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴァイヨン2017

⑥シャブリ・プルミエ・クリュ・コート・ド・ルシェ1986[1500ml]

 

 

 

シャブリは大好きな銘柄。特にシャブリの代名詞である、硬質なミネラルの香りが好きです。今日はシャブリの秀逸な3つのドメーヌを味わえる非常に貴重な機会。(1)シャブリの造り手の違いを体感する、(2)シャブリのグラン・クリュとプルミエ・クリュの違いを体感する、(3)シャブリのヴィンテージの違いを体感する、の3つテーマを持って参加しました。

 

 

まずはプルミエ・クリュから試飲、ということで、⑤→③→①の順番で。

 

⑤シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴァイヨン2017(ダニエル・ダンプ)

色:黄色に銀のニュアンス。

香:ミネラルの心地よさ、青リンゴ、後半にほんのり甘さ。

味:爽やかでまだ酸味が支配的、シャープな印象。食中酒として、魚介類にとても合いそう。

 

ヴァイヨンはシャブリの中でもよく出逢う畑ですが、このダニエル・ダンプの2017年は、まだできたてほやほやのシャブリ、という感じでした。来日されたダニエル・ダンプさんの息子のヴァンサン・ダンプさんによると、十分に長期熟成が可能なワイン、とのことでした。最低15年は待った方が良さそう。

 

 

③シャブリ・プルミエ・クリュ・モンテ・ド・トネル2016(ルイ・ミシェル)

色:⑤と同じですが少し濃い印象。

香:⑤に似ていますが、よりふくよか。

味:⑤より酸味がまろやかで、甘味すら感じます。旨味が十分感じられ、奥深い味、いま飲んでも美味しいワイン。

 

来日されたルイ・ミシェルのお孫さんのギョーム・ミシェルさんのお話では、このモンテ・ド・トネルの畑はグラン・クリュに近く、リッチでパワフルなワインになる、とのことでした。確かに⑤③①の中では凝縮感を最も感じ、いま飲めるワインだと思います。ただ、10年くらい熟成させるともっと良くなるので、待ちたいところです。

 

 

①シャブリ・プルミエ・クリュ・ボーロワ2016(ジャン・クロード・コルトー)

色:③に同じ。

香:⑤③よりチャーミングで蜂蜜の香り、しかし基調はミネラル。

味:③よりは酸味が利いていますが、⑤ほどではありません。③との味の違いが面白い。

 

ジャン・クロード・コルトーからは娘さんのステファニー・コルトーさんが来日されました。2016年は夏が暑かったので、パワフルなワインとなった。③と比べると塩味を感じるしょっぱいミネラルが感じられる、というお話でした。これもあと10年は置いてから飲みたいワインです。

 

 

 

続いて、②→④→⑥と試飲。グラン・クリュや熟成したシャブリは、前半のシャブリと印象がかなり異なりました。

 

②シャブリ・グラン・クリュ・ブランショ2015(ジャン・クロード・コルトー)

色:⑤③①よりも濃い印象。

香:甘くて丸い、バランスがとても良い。

味:酸味と旨味の見事なバランス。プルミエ・クリュよりもスケールが大きい。構築感や濃さを感じます。

 

グラン・クリュの畑ブランショは岩石や石灰質で真っ白な土壌、正に”blanche”(白い)畑だそうです。南東向きで、午前中の日照量が多く、ぶどうが完熟するのでリッチな味わいとなりますが、フレッシュさも保つようにしている、とのお話でした。あと15年は十分に持ちそうな雰囲気、さすがはグラン・クリュ!という印象です。

 

 

④シャブリ・グラン・クリュ・グルヌイユ2006(ルイ・ミシェル)[1500ml]

色:①よりも黄色の色合いが濃い。

香:酸の雰囲気をもはや感じない。甘味、蜂蜜の香り。

味:ぐっと旨味と甘味が襲ってくる、素晴らしい味わい!円やかである一方、フィネスも感じます。

 

グラン・クリュのグルヌイユは川沿いの畑で、「グルヌイユ」(蛙)の名の通り、昔は蛙の鳴き声が聞こえたそうですが、フランス人は蛙を食べるのが好きなので、今はいなくなってしまったそうです(笑)。どうして蛙の名前なんだろう?と昔から不思議に思っていましたが、謎が解けました。9haしかなく貴重なグラン・クリュということでした。あと10年は十分楽しめそうなワインです。

 

 

⑥シャブリ・プルミエ・クリュ・コート・ド・ルシェ1986(ダニエル・ダンプ)[1500ml]

色:見事な黄金色!30年以上寝かされた年月を感じます

香:ケーキのような、リキュールのような魅惑的な香り。人工的には決して造り得ない、異次元の香り!

味:何か全く違う飲み物のよう!円やか、非常にバランスや良い。いろいろな成分が混然一体と合わさっている。まだ背後にうっすら酸も感じるので、もう少し熟成可能と思われる凄いワイン!
 

若い内は柑橘系の印象でしたが、年を経て森の中を歩いているような気分になるワイン、とヴァンサン・ダンプさんがおっしゃっていました。100%ステンレスタンクで造っていますが、熟成させると木樽で造ったニュアンスが入るのがとても不思議なんだそうです。今まさに飲み頃の頂点にある絶品のシャブリ!あと5~10年で飲み切るべきワインだと思いました。

 

 

 

いや~、シャブリの試飲会には初めて参加しましたが、一言にシャブリと言っても、これだけの多様性があることに本当に驚きました!そして、④と⑥を体感して、ワインはしっかり熟成させると素晴らしい飲み物になることを、改めて実感しました。シャブリはキリッとした酸があるので、長期熟成に向きますね。

 

今回のおもてなし攻撃(試飲会のドメーヌのワインを購入すること)は、3つのドメーヌから公平に1本ずつにしました。いずれも長期熟成が可能なワイン。それぞれ、最低15年は寝かせてから楽しもうと思います。

 

 

 

(写真)左から、シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴァイヨン2017(ダニエル・ダンプ)、シャブリ・プルミエ・クリュ・モンテ・ド・トネル2016(ルイ・ミシェル)、シャブリ・プルミエ・クリュ・ボーロワ2016(ジャン・クロード・コルトー)。

 

 

 

(追伸)この土曜日は、この後に夜にピエタリ・インキネン/日フィルのオール・シベリウス・プロ、翌日の日曜日はユベール・スダーン/東響のマンフレッド・プロを聴きに行きました。どちらも最高のコンサート!次回とその次の回の記事でアップします。

 

先週木曜からの読響→N響→日フィル→東響の流れは抜群でした!おかげでピアノの練習がかなり捗った効果も。みなさま、都内の素晴らしいオケのコンサートを聴きに行って、幸せになりましょう!