このところはまっている、藝大フィルの定期演奏会を聴きに行きました。ベートーベン皇帝&英雄という幸せのプログラムです!

 

 

藝大フィルハーモニア管弦楽団第392回定期演奏会

(東京藝術大学奏楽堂)

 

指揮:山下一史

ピアノ:津田裕也

 

ベートーベン生誕250周年に先駆けて

ベートーベン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」

ベートーベン/交響曲第3番変ホ長調「英雄」

 

 

 

私は東京のオーケストラではN響、都響、読響、東響、日フィル、新日フィルをよく聴きに行っていますが、近年、その素晴らしさを発見してしまったのが藝大フィルです。というのも、

 

藝大フィルは非常にレベルが高い!

 

ということを知ってしまったのです。私はコンサートの情報は基本的にチラシで入手していますが(ネットみなくてもこれで十分)、藝大フィルのコンサートのチラシを見かけることがなかったので認識しておらず、さらには「藝大フィル」という名前から学生さんのオケとずっと勘違いしていました。

 

しかし、2017年から聴き始めて、「学生さんたちのオケにしてはやけに上手いな?」と思いましたが、何のことはない、藝大の卒業生の優秀な若手アーティストを中心としているプロのオーケストラでした。そりゃ上手いはずですね(笑)。

 

しかも、演奏会の場所は東京藝術大学奏楽堂。程よい広さの木の雰囲気の良い空間、とても良い音響のホールです。そして観客が藝大OBや地元上野の方と思われるオケに愛着を持っている方々や藝大の学生さんたちが多くを占めています。「ホルンが~」とか文句ばかりたれる無粋な輩はいないもよう。そもそも、藝大フィルのホルンはめったには外しません。

 

 

ということで、この日も楽しみに聴きに行きました。皇帝&英雄という変ホ長調の幸せ過ぎる曲目!プレコンサートもベートーベンで《八重奏曲》変ホ長調から抜粋。メインに合わせて、変ホ長調の曲をやってくれたのが嬉しい。素敵な演奏で気分が盛り上がります。会場はものの見事に満席となりました。

 

 

前半は皇帝。奏楽堂に鳴り響く、津田裕也さんの素晴らしいピアノ!固めの音質で、きらきら光る音色、聴きどころはたっぷり鳴らして、かなり聴き応えのある皇帝でした!ちなみに、津田裕也さんは藝大のピアノ専攻を首席で卒業なされているそうです。ちょっとした凱旋公演ですね。

 

 

後半は英雄。こちらも充実の響きでものの見事な英雄でした!山下一史さんの指揮は表現自体はオーソドックスですが、フレーズを最後までしっかり鳴らし切って、低弦をよく響かせて、聴き応え抜群。オーケストラも本当に上手い!まるで一つの生き物のように動くのは、きっと同じ学び舎で育った連帯感もあるのでしょう。満席の会場から温かくかつ大きな拍手!こういうのは本当にいいもんだ。

 

英雄は3月にユベール・スダーン/オーケストラ・アンサンブル金沢、5月にセバスティアン・ヴァイグレ/読響と聴いて、どちらの演奏も素晴らしく、大いに魅了されましたが、今日の英雄も本当に良かった!つくづく名曲だと思います。

 

 

演奏は一期一会。それぞれの演奏にそれぞれの良さがある。クラシック音楽を聴く喜びと幸せを感じます。英雄は次は11月のヘルベルト・ブロムシュテット/N響で聴く予定。今からとても楽しみです!