オラリー・エルツさんが読響定期演奏会に客演するコンサートを聴きに行きました。ヴィルデ・フラングさんのヴァイオリンも楽しみです!

 

 

読売日本交響楽団第587回定期演奏会

(サントリーホール)

 

指揮:オラリー・エルツ

ヴァイオリン:ヴィルデ・フラング

 

トゥール/幻影(共同委嘱作品/日本初演)

ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調

武満徹/星・島(スター・アイル)

シベリウス/交響曲第5番変ホ長調

 

 

 

まずはオラリー・エルツさんと同郷のエストニアの作曲家エリッキ=スヴェン・トゥール(1959-)の幻影。ベートーベンへのオマージュの音楽で、コリオラン序曲がモチーフになっている曲です。この4月3日にフィンランドのコトカで世界初演がなされた曲で、今日はその後すぐ、日本初演がなされる形となります。

 

不思議な響き、独特のリズムのとても幻想的な曲。2018年に作曲されたばかりの現代曲を体感できた、とても貴重な機会でした!演奏が終わると、何と!トゥールさんご本人が登場!会場からの大きな拍手に包まれましたが、こういうシーンに立ち会うのは本当に良いものですね。

 

 

続いてストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲。ヴィルデ・フラングさんの弾(はじ)けるようなヴァイオリンがとても印象的で、心地良い時間でした。しかし、この時期のストラヴィンスキーは最も苦手な音楽(笑)。仕事でめっちゃ疲れていたこともあり、心地良い音が耳から耳へツーッと通り過ぎて、何がどうした、という感想までは残念ながら持てず…。

 

 

後半は武満徹。武満さんの音楽はどの曲を聴いてもモヤーンとした不思議な響きの音楽で、私には全く見分けが付きません(笑)。しかし、早稲田大学の創立100周年を記念して作曲された曲で、早稲田(Waseda)から引き出されたAs―E―D―A(ラ♭・ミ・レ・ラ)がモチーフとして使われていることだけは聴いててよく分りました。ワサオケが初演している、というのもいいですね。

 

 

ラストは今日のお目当てのシベリウス5番。やや恰幅の良い充実の響き、第3楽章終盤は壮大に鳴らして、とても聴き応えのある5番でした!オラリー・エルツさんの指揮はオズモ・ヴァンスカさんのようにキレキレというよりは、レイフ・セゲルスタムさんやオッコ・カムさんに似てややふくよかなシベリウス。基本的には自然体の指揮、という印象です。

 

もちろんパーヴォ・ヤルヴィさんのシベリウスのようにドキドキハラハラする演奏もいいですが、この曲の場合は、曲自体が素晴らし過ぎる(個人的に4番・7番とともにシベリウスの最高傑作だと思っています)ので、曲の魅力を存分に堪能できる素敵な演奏でした。特に金管の鳴りっぷりが見事。読響、引き続きいいですね!

 

 

このところ仕事が忙しくて…、水曜日だと疲れが相当たまりますが、素敵なシベリウスを聴いて、いい感じでほっと一息つけました。あと2日頑張ったら、楽しみな週末がやってまいります。みなさま、お互いに頑張りましょう!

 

 

 

 

(写真)読響の定期会員になったのでプレゼントでいただいたCD。5月の読響は新しい常任指揮者、セバスティアン・ヴァイグレさんを迎えます。ブルックナー9番、ブラームス4番、ベートーベン3番のド直球の3プログラム。5月のヴァイグレ祭、今からめっちゃ楽しみです!