2月28日、3月5日と楽しんできたクリスチャン・ツィメルマンさんのピアノ・リサイタル、3回目を聴きに行きました。

 

 

日本・ポーランド国交樹立100周年記念事業

ポーランド芸術祭 2019 in Japan 参加公演

 

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル

(横浜みなとみらいホール)

 

ショパン/4つのマズルカOp.24

ブラームス/ピアノ・ソナタ第2番嬰ヘ短調Op.2

 

ショパン/スケルツォ第1番ロ短調Op.20

ショパン/スケルツォ第2番変ロ短調Op.31

ショパン/スケルツォ第3番嬰ハ短調Op.39

ショパン/スケルツォ第4番ホ長調Op.54

 

 

(参考)2019.2.28 クリスチャン・ツィメルマンさんのピアノ・リサイタル(1回目)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12443512178.html

 

(参考)2019.3.5 クリスチャン・ツィメルマンさんのピアノ・リサイタル(2回目)

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12444693044.html

 

 

 

今日は3回目、ということで、詳しい感想を書くことを意識せずに、思う存分にツィメルマンさんのピアノを楽しみました。

 

 

ショパン/マズルカOp.24。もうただただ粋なマルズカ!テンポの揺らし方、強弱の付け方、ハッとさせる溜め、全くもって自由自在そして自然。4曲目は40代の男性が人生について振り返り、思いをトツトツと綴るような音楽と演奏に感じました。

 

ブラームス/ピアノ・ソナタ2番。激情のブラームス。そして何というニュアンスに溢れたピアノ!この曲はクララ・シューマンに献呈された曲ですが、実は今年はクララ・シューマンの生誕200周年。まるでツィメルマンさんがブラームスになり替わり、クララに想いをぶつけるようなピアノ!

 

 

ショパン/スケルツォ全曲。激情と平穏のコントラストの差が大きくも格調高く、ニュアンスに溢れ、いろいろな感情を呼び起こしてもらえるピアノ。今日も堪能するだけ堪能し尽くしました!

 

改めて思ったのは、ツィメルマンさんは日によって表情付けが違うこと。1番の左手の楔の位置、2番の長調の主題の歌い方(今日はピアニッシモで高まる瞬間を作っていた)、3番のラストの弾け(はじけ)方、4番の黒鍵のトリルの強調など、1・2回目と異なりました。ツィメルマンさんは完璧主義者で表現をカッチリ固めていると思っている方もいるようですが、私はそうは思いません。

 

そして、今日で3回目ですが、聴けば聴くほど味が出てくるのが4番。何なんでしょうね、この軽快さと深さの同居。マズルカOp.24-4が40代の男性だったら、スケルツォ4番は70代の男性が達観の境地で人生を振り返るかのよう。

 

特に舟歌を思わせる中間部は味わい深い。ラストはピアノ・ソナタ3番第1楽章のように壮麗に終わると思わせて、コミカルに逃げ切って終わる何とも言えない味わい!(笑) 奥深い曲の真価を教えてくれたツィメルマンさん、圧巻のピアノでした!

 

 

クリスチャン・ツィメルマンさんのピアノ・リサイタル、3回目も圧倒的に素晴らしかったです!友人に何で同じピアニストで同じような曲目のリサイタルなのに3回も聴きに行くの?と聞かれましたが、「それはクリスチャン・ツィメルマンさんだから」としか言いようがありません(笑)。生ける伝説を目撃する特別な時間。次回のリサイタルも楽しみにしています!

 

 

 

 

(写真)愛聴盤のクリスチャン・ツィメルマンさんのショパン/バラード全曲のCD。もはや人類の至宝とも思えそうなツィメルマンさんのバラードですが、2010年のショパン・イヤーのピアノ・ソナタ2番&3番(どちらも素晴らしかった!)のツアーの中で、横浜みなとみらいホールだけ、メインにバラード4番を弾いてくれたんです!

 

今日、同じ横浜みなとみらいホールでツィメルマンさんを聴いて、懐かしく思い出しました。私の聴いたピアノ・リサイタルでも至高の体験。今回の3つのリサイタルもそれに連なるものとなるでしょう。