ヒュー・ウルフさんが新日フィルに客演するコンサートを聴きに行きました。嬉しいオール・コープランド・プロです!

 

 

新日本フィルハーモニー交響楽団第600回定期演奏会

(サントリーホール)

 

指揮:ヒュー・ウルフ

クラリネット:重松希巳江

 

コープランド/市民のためのファンファーレ

コープランド/クラリネット協奏曲

コープランド/交響曲第3番

 

 

このコンサート、オール・コープランド・プロに惹かれてチケットを取りましたが、何と!奇しくも新日フィルの記念すべき第600回目の定期演奏会でした!ロビーには第1回から第100回、第200と節目のコンサートのポスター展示があり、早くも特別なコンサートに参加する高揚感を覚えます。

 

 

1曲目は市民のためのファンファーレ。12名のずらっと横に並んだ金管のみなさんが壮観。堂々たる金管の演奏に大いに魅了されました!大太鼓やティンパニはまるでファンファーレを盛り上げる空砲のよう。祝!新日フィル第600回定期演奏会!

 

2曲目はクラリネット協奏曲。スローで優しいクラリネットにうっとりする第1楽章、リズミカルなカデンツァに続いて、ジャズやサンバのリズム、不協和音の弦がキリキリする音楽の第2楽章と、クラリネットやコープランドの洒脱な音楽を楽しめました。最後、ユーモラスなグリッサンドで逃げ切るところが何とも楽しい。

 

アンコールはM.GouldのBenny's 70th Birthday。これはクラリネット協奏曲が、ジャズのベニー・グッドマンが作曲を依頼して書かれたことにちなんだ選曲ですね。これが、クラリネットとコントラバスとのコラボによる素敵なジャズ!こういうプログラムの流れを考えたアンコールは本当にいいものですね。

 

 

後半は交響曲第3番。この曲は一昨年にレナード・スラットキン/デトロイト交響楽団の素晴らしい演奏を聴きました。今日はどうでしょうか?

 

(参考)2017.7.17 レナード・スラットキン/小曽根真/デトロイト交響楽団のオール・アメリカ・プロ

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12294154729.html

 

 

第1楽章。冒頭からのアメリカの大草原を思わせる懐かしい音色の音楽!和声の妙を大いに感じます。短調に転換する場面では、ヒュー・ウルフさんがさりげなく入れるアッチェレランドがいい。その後の苦難を思わせる音楽は、R.シュトラウス/ツァラトゥストラはかく語りきの、最後の葛藤の音楽を思わせます。後半のめくるめく音楽には魅了されっぱなしでした。

 

第2楽章。金管の咆吼による素朴で明るいフレーズが素晴らしい。小刻みに旋律を刻んで展開される音楽もいい感じ。冒頭のフレーズの回帰は太鼓が入ってのスペクタクルな音楽!

 

第3音楽。ここは不協和音も入って、葛藤の音楽。どことなくショスタコーヴィチを思わせる寂しさや虚無感も感じます。その後の繰り返しのリズミカルな音楽はレニーの曲を彷彿とさせますね。

 

第4楽章。フルートに先導されて、1曲目の市民のためのファンファーレが盛大に鳴らされる場面は真に感動的!その後のひたすらポジティヴな音楽によるめくるめく展開は、聴きやすいものの構成は複雑。コープランドの筆致が冴えます。

 

ラス前のあらゆるエネルギーが各楽器に託されて集まって高まるような音楽も非常に聴き応えあり。そして鳴り物が入って、大聖堂で鐘が鳴って華々しく祝福されるようなラスト!何という感動的な音楽!ヒュー・ウルフさんは堂に入った見事な指揮ぶり。素晴らしい演奏!

 

 

ヒュー・ウルフさんと重松希巳江さんと新日フィルのコープランド・プロ、めちゃめちゃ素晴らしかったです!年末年始にニューヨークに行ってきたばかりなので、感激もひとしお。終演後は客席もかなり盛り上がっていましたね。新日フィルの記念すべき第600回の定期演奏会、大成功でした!

 

 

(追伸)今日は高校生のグループが大勢聴きに来ていたのを見かけました。こういうのは本当に嬉しい。将来のある若い方々に今日のような素晴らしい演奏を聴いて、クラシック音楽のファンになって、どんどんコンサートに足を運んでほしいと願っています。

 

私の席の近くにいた可愛らしいOLさんも、交響曲第3番の第4楽章では、演奏に引き込まれてか前のめりになって聴いて、終演後は大きな拍手。こういう姿を見るのは本当に清々しい思いがします。

 

 

 

 

(写真)今日は木曜なので、本来お酒は控えるべき日なのですが、素晴らしいコープランド、新日フィルの記念すべき定期第600回ということで、終演後はバーに直行(笑)。明日の午前中が多少グダグダになろうとも、こういうノリは大切にしたい。(東京生まれ、東京育ちの私としては、これこそが江戸っ子の粋ではないかと考えています。横ですが、祝!十三代目市川團十郎襲名!)

 

コープランド、アメリカということで迷わずバーボンを選択。いただいたのは1792リッチモンド リザーブ。ケンタッキー州がアメリカの15番目の州になったのが1792年。そのお祝いの日に振る舞われるバーボンだそうです。香りも味も非常に甘くて芳醇で美味しい!

 

新日フィルの第600回の記念の定期演奏会、大成功おめでとうございます!!!