マティアス・バーメルトさんと札響の東京公演を聴きに行きました。岡田奏さんのピアノも楽しみです!

 

 

札幌交響楽団東京公演2019

(サントリーホール)

 

指揮:マティアス・バーメルト

ピアノ:岡田奏

 

モーツァルト/セレナード第6番ニ長調「セレナータ・ノットゥルナ」

ベートーベン/ピアノ協奏曲第4番ト長調

ブラームス/交響曲第2番ニ長調

 

 

この日は東京文化会館で、リッカルド・ムーティ指揮/シカゴ交響楽団の来日公演、ブラームスの交響曲1番&2番のコンサートもありました。大好きなムーティさん、世界的なスーパーオケのシカゴ交響楽団ということで、とても興味を持ったコンサートでしたが、私は条件反射で札響の東京公演のチケットを取りました。

 

理由は昨年9月に北海道で大地震があって、札幌や北海道の方々が被災されたから。北海道に住んでいらっしゃる方々や北海道出身の方々ともここアメブロで交流があるので、札響のコンサートを聴きに行くことで、少しでも元気付けたり、励みになればいいな、という想いです。札幌は昨年、レナード・バーンスタイン生誕100周年に2週連続でPMFのコンサートを聴きに行った、レニーも愛した思い出の地でもあります。

 

 

1曲目はモーツァルト。思わせぶりにゆっくり目で入った第1楽章から、明るくリズミカルな第3楽章まで、素敵なモーツァルトを堪能しました。

 

2曲目はベートーベン。ピアノ独奏の岡田奏さんは北海道のご出身というのもいい!ゆっくりじっくり噛みしめるように慎重に進んだ第1楽章、デモーニッシュなピアノとオケで深淵を魅せた第2楽書、澄み切ったきらびやかさが心地良い第3楽章。3つの楽章の描き分けが見事、素敵なベートーベンでした!

 

岡田奏さん、アンコールのラヴェルも綺麗なタッチ、弱音やゆっくり歌うところ、得も言えぬニュアンスに満ち溢れたピアノ、とても魅了されました。また一人、才能に恵まれた若手のピアニストが現れました!要注目です。

 

 

後半はブラームス。第1楽章。冒頭の立ち昇るフルートの軽やかな音色が素晴らしい!展開部に入る前のヴァイオリンのずり上げの懐かしい音色にも魅了されます。金管の咆哮する不協和音の場面は迫力の響き。最後のノスタルジックで美しい夕焼けを思わせる場面もたっぷりで感動的!素晴らしい第1楽章!

 

第2楽章はチェロが輪を描いて下降していく旋律の場面で、木管を短く切って演奏していたのが印象的。寂しさや諦め、徒労感を感じました。ブラームスが力なく、とぼとぼと湖のほとりを歩いているような印象。そして、後半のめくるめく充実の響きには、ずっと魅了されっぱなしでした。何という素晴らしい演奏!そして美しい曲!

 

のどかさやつましさに溢れた第3楽章の後、第4楽章は明るい音楽。明るいだけでなく、札響で聴くと明るさの中に差し込む素朴な響きがまたいい!最後はアッチェレランドをかけて、オケをしっかりと鳴らして終わらせていました。曲の魅力がぐいぐい伝わってくる秀演!バーメルトさんの至芸、そして札響の見事な演奏!アンコールのモーツァルトも魅惑の音色、チャーミングな演奏!

 

 

 

この素晴らしいブラームス2番を聴きながら、私は昨年訪れた札響の本拠地、札幌コンサートホールKitaraが立地する中島公園のことを思い浮かべていました。言うまでもなく、ブラームス2番はオーストリア南部のヴェルター湖畔ペルチャッハの自然の魅力がぎっしりつまった曲。

 

広々としていて美しい自然に溢れた中島公園を日常的に体感されている札響の演奏者の方々の自然への感性が、この魅力的な演奏に投影されているのではないか?と思ったしだいです。そう言えば、2015年に尾高忠明/札響の東京公演で聴いたシベリウス5番・6番・7番も素晴らしかったですね。

 

 

 

 

 

(写真)美しい札幌の中島公園。札響の本拠地Kitaraは素晴らしい自然の中にあります。

 

 

 

マティアス・バーメルトさんと岡田奏さんと札響のコンサート、非常に素晴らしく、かつ感慨深いコンサートでした!終演後の聴衆の反応も良かったですね。心が温かくなる素敵なコンサートでした!

 

(なお、帰りにお土産で北海道産馬鈴しょでん粉100%の片栗粉「とろりんぱっ」をいただき、さらに心がホクホクになった件!笑)