素晴らしかったミュージカル／DEAR EVAN HANSEN！と、浸っている暇もなく、次の夜の予定へと進みます。New York String Orchestraのコンサート、ホールはカーネギー・ホールです！
New York String Orchestra
（Carnegie Hall）
Jaime Laredo, Conductor
Joshua Bell, Violin
with Karina Canellakis, Guest Conductor
GEORGE WALKER: Lyric for Strings
BRAHMS: Violin Concerto in D Major
TCHAIKOVSKY: Symphony No. 6 in B Minor, "Pathétique"
（写真）カーネギー・ホール
カーネギー・ホール！訪れるだけで、気持ちが高ぶります。何しろ、ドヴォルザーク／交響曲第９番「新世界より」、Ｒ．シュトラウス／家庭交響曲、ガーシュウィン／パリのアメリカ人をはじめ、沢山の名曲が世界初演された、アメリカのクラシック音楽の殿堂です。
１０年ぶりに来たカーネギー・ホール。前回は１階席でしたが、今回は全体を見たくて上の方の席にしました。すると、前回の印象では、紀尾井ホールを少し大きくして円形にしたくらいのイメージを持っていましたが、思ったよりも広くて、形と広さはウィーン国立歌劇場に、内装はウィーンのコンツェルト・ハウスに似ていると思いました。（ただし、帰国後に確認したら、客席数はもっと多いようです。）
まず、New York String Orchestra（1969-）の創設５０周年を祝って、何と、アイザック・スターンの息子さんからスピーチがありました。５０周年に貢献した人の名前を挙げていきますが、それに惜しみない拍手で讃える聴衆。アメリカのこういうところは本当に好き、自分たちが盛り上げて社会を良くしていくんだ、というポジティヴさや気概を大いに感じます。
１曲目はアメリカの作曲家George Walker（1922-2018）の曲。１０分に満たない短い曲でしたが、どこか懐かしい、温かい響きの曲でした。この曲のみ女性のゲスト・コンダクターKarina Canellakisさんが振りました。このシステムいいですね。
２曲目はブラームス。ジョシュア・ベルさんによるタップリ抑揚の付けられた見事な演奏でした！第１楽章最後の切なさが喜びに変わるような場面もタップリで大いに魅了され、第３楽章は賑やかでノリノリの演奏。
ジョシュア・ベルさん、久しぶりに聴きますが、相変わらず素晴らしいですね。そしてイケ面っぷりも相変わらず（笑）。それにしても、１階席１列目のおじさんが演奏が終わったら何の遠慮もなくサッと立ってジョシュア・ベルさんを讃えるところはさすがアメリカ！もう速いの何の！（笑）
後半はチャイコフスキー。全般的に速めのテンポでオーソドックスな演奏でした。残響がそこまではないものの舞台と客席が近く、オケの楽器の音を直接堪能できた演奏でした。そうすると、第１楽章、第３楽章の迫力たるや、凄いものがありますね。チャイコフスキーはカーネギー・ホールのこけら落としで指揮をしています。歴史を感じて、何だかドキドキしました。
面白いのは楽章ごとに拍手が入ること。悲愴の場合、第３楽章が引っ掛け問題で、日本でもたまに釣られて拍手が出ることがありますが、今日のカーネギー・ホールでは全楽章で拍手が入ります（笑）。
日本やヨーロッパでは考えられませんが、アメリカのお客さんはとにかくアーティストを讃えたいという気持ちでいっぱいなんですよね。その国やまちならではの、いろいろな楽しみ方があって、これはこれでとてもいいと思います。
久しぶりのカーネギー・ホールでのコンサート、たっぷり堪能しました！さて、どうしてこんなにカーネギー・ホールに感慨を持つのかと言うと、それはカーネギー・ホールが、かつてニューヨーク・フィルの本拠地だったからです。
ニューヨーク・フィルの本拠地が、リンカーン・センターのフィルハーモニー・ホール（現在のディヴィット・ゲフィン・ホール）に移ったのは1961年。つまり、レニーがニューヨーク・フィルの音楽監督になった1958年の時点では、まだニューヨーク・フィルの本拠地だったのです！
ここでレニーとニューヨーク・フィルの熱い演奏が繰り広げられていたことを想うと、胸が熱くなります！レナード・バーンスタイン生誕100周年に、そのカーネギー・ホールを訪れることができ、感無量でした！
（写真）カーネギー・ホール最寄りの地下鉄57 St-7 Av駅にあるモニュメント。レニーのシルエット、いい感じですね。カッコイイ！