今年2019年のN響の聴き始めとなる、ステファヌ・ドゥネーヴさんとN響のコンサートを聴きに行きました。ゴーティエ・カプソンさんのチェロも楽しみです!

 

 

NHK交響楽団第1903回定期演奏会Cpro.

(NHKホール)

 

指揮:ステファヌ・ドゥネーヴ

チェロ:ゴーティエ・カプソン

 

ルーセル/バレエ組曲 「バッカスとアリアーヌ」 第2番

サン・サーンス/チェロ協奏曲第1番イ短調

ベルリオーズ/序曲 「ローマの謝肉祭」

レスピーギ/交響詩 「ローマの松」

 

 

ステファヌ・ドゥネーヴさんは一昨年にブリュッセル・フィルとの来日公演で、コネソンとベートーベンを聴き、引き締まった英雄交響曲に魅了されました。今日はどうでしょうか?

 

 

1曲目はルーセル。アリアーヌ(アリアドネ)の眠りからバッカスとの出逢い、2人が恋に落ち、最後は狂宴を迎える音楽です。悲しみの音楽、官能的な音楽、ラストのバッカナール。調性も複雑で、独特の雰囲気を持ち、非常に聴き応えのある音楽を、ドゥネーヴさんとN響が見事にクリアに描いていました!この曲はバレエで観たら非常に盛り上がりそうですね。

 

2曲目はサン・サーンス。単一楽章の音楽ですが、第2主題が印象的な第1部、チャーミングな第2部、叙情的なチェロに惹き込まれる第3部。ゆっくり歌う場面では大きく抑揚を付けるゴーティエ・カプソンさんのチェロに大いに魅了されました!

 

そしてアンコールは同じくサン・サーンス/白鳥。何と、指揮のドゥネーヴさんがピアノの伴奏!これが弱音をベースとして非常に雰囲気のある白鳥。途中でスッとピアニッシモに落とす瞬間!めっちゃ感動的なアンコールでした!

 

素晴らしいチェロだったゴーティエ・カプソンさん。実は奇遇にも1週間前にもニューヨークで聴いたんです(笑)。1月4日(金)、ニューヨーク・フィルの定期演奏会、指揮はパーヴォ・ヤルヴィさんでドヴォルザーク/チェロ協奏曲を聴きました。非常に感動的な演奏でしたが、1週間前はNY、今日は東京で聴いて、とても親近感を持ちました。もはやおっかけのよう?(笑)

 

 

後半1曲目はベルリオーズ。この「ローマの謝肉祭」のイングリッシュ・ホルンの独奏は本当にいいですね。ベルリオーズは「メランコリックな、夢見るような声であり、常に気高く、過去の感情やイメージを思い起こさせるような“遠い”響きにふさわしい」と表現しているそうです。後半は「イタリアのハロルド」「ファウストの劫罰」がこだまして、正しくベルリオーズの音楽、堪能しました!

 

最後はレスピーギ。第1曲「ボルゲーゼ荘の松」。何と言う瑞々しい演奏!ドゥネーヴさん、途中でススッと走って意欲的な指揮に痺れます。各楽器が良く聴こえて、かつ、全体で迫ってくる、素晴らしいオケの響きです。第2曲「カタコンブ付近の松」は低弦の響きが印象的。

 

第3曲「ジャニコロの松」は冒頭の魅惑のピアノに続いて、弦の繊細なニュアンスに魅了されます。ナイチンゲールは蓄音器のノイズが何とも言えないノスタルジックな味わい。第4曲はいよいよ「アッピア街道の松」。ここもオケがよく鳴って、バンダも盛り上げて、非常にスペクタクルな演奏!最後は熱狂というよりは、壮麗という印象の華々しいラスト!素晴らしいローマの松でした!

 

明日にも2日目のコンサートがありますが、この「ローマの松」だけでも聴きに行く価値大だと思います!

 

ところで、年末年始にNY旅行に行きましたが、メトロポリタン美術館で、Giovanni Paolo PaniniのModern Romeという絵を観ました。これがトレビの泉などローマの名所についての絵が沢山描かれている見事な絵で、松の絵もありました。もう一枚、Ancient Romeというタイトルの絵もあり、こちらはコロッセオやパンテオン、フォロ・ロマーノなどの古代ローマの遺構の絵が中心。

 

これらの絵を観て、レスピーギの「ローマの松」や「ローマの泉」を聴きたい!と気分が盛り上がっていたので、今日は非常にタイムリーな選曲でした!

 

 

 

(参考)Giovanni Paolo Panini/Modern Rome

※ウィキペディアより

 

 

ステファヌ・ドゥネーヴさんとゴーティエ・カプソンさんとN響による素晴らしいコンサート、大いに堪能しました!9日(水)10日(木)11日(金)、新年のコンサート3連発はみな素晴らしい。2019年、非常に幸先の良いスタートです。

 

 

 

ところで。昨日、N響の2019/2020シーズンのラインナップが発表となりました。これが極めて魅力的な内容!もうめちゃめちゃ凄いの一言です!N響が決めに来た印象。基本、全部聴きに行きますが、特に楽しみなプログラムを以下に書きます。

 

これらのコンサートが、自由席であれば何と映画や美術展よりも安い1,500円(A・Cプロ)で聴ける素晴らしさ!普段クラシックを聴く機会のない方々、興味あってもどうしよう?と思っている方々、ぜひN響のコンサートに足を運ばれてみてください!素晴らしい音楽・演奏を聴いて、幸せな気持ちになりましょう!

 

 

2019年

 

◯9月Bプロ(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ)

シベリウス/交響曲第6番&第7番!!!

⇒これ、私がパーヴォさんに振っていただけないかと、以前にお願いした曲です。願い叶って感無量!しかも6番とのセット!光速で2日間とも聴きに行くこと決定!(笑)

 

(参考)私がパーヴォさんのシベリウス7番を希望した記事

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12247082514.html

 

◯11月Aプロ(指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット)

レーガー/ピアノ協奏曲

⇒大好きなピアノ協奏曲の大曲きた~!1992年にゲアハルト・オピッツさんのピアノ、ホルスト・シュタイン/N響で聴いたことがありますが、ピーター・ゼルキンさんのピアノによるロマンティックなピアノ協奏曲、指揮はブロムシュテットさん、非常に楽しみです!

 

◯12月Aプロ(指揮:鈴木優人)

メシアン、ブロッホ、コレッリ、メンデルゾーンのキリスト教関連プロ

⇒さすがは鈴木優人さん、バッハを入れずとも宗教ものでまとめた素敵なプログラム!

 

2020年

 

◯1月Bプロ(指揮:ファビオ・ルイージ)

R.シュトラウス/4つの最後の歌&英雄の生涯

⇒ファビオ・ルイージさんのR.シュトラウス!クリスティーネ・オポライスさんの4つの最後の歌も楽しみです。

 

◯2月Aプロ(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ)

ブルックナー/交響曲第7番

⇒パーヴォさんのブルックナー7番!シュテファン・ドールさんのホルンも楽しみです。

 

◯4月Cプロ(指揮:レナード・スラットキン)

オール・コープランド・プロ

⇒一昨年のデトロイト交響楽団とのコープランド/交響曲3番が素晴らしかったスラットキンさんによるオール・コープランド・プロ!

 

◯5月A・B・Cプロ(指揮:パーヴォ・ヤルヴィ)

⇒パーヴォさんのショスタコーヴィチ9番にR.シュトラウス/アルプス交響曲、ジャニーヌ・ヤンセンさんのブリテン/Vn協奏曲、森麻季さんのプーランク/グロリア!幸せの3プログラム!

 

◯6月A・B・Cプロ

⇒ケント・ナガノさんのマーラー/交響曲第9番(Aプロ)、鈴木雅明さんのベートーベン/荘厳ミサ曲(Bプロ)、ユッカ・ペッカ・サラステさんのシベリウス&ペッカ・クーシストさんのストラヴィンスキー/Vn協奏曲(Cプロ)!これも幸せの3プログラム!