夏の旅行記なのに、結局クリスマス前までかかりましたが(笑)、昨日のロッシーニ/アルジェのイタリア女の記事をもって、夏の旅行記は終了しました。
今回は、旅のまとめと振り返り、今後に向けてについて、個人的な備忘録として書きます。
(1)旅のまとめ
今回の旅程をまとめると以下の通りです。
2018年
8月10日(金)
(フライト)
◯ヴェローナ観光(サン・ゼーノ・マッジョーレ教会&モーツァルトのオルガン)
◯ヴェルディ/ナブッコ(アレーナ・ディ・ヴェローナ音楽祭)
11日(土)
(ヴェローナ→ペーザロ)
◯ペーザロ観光(ロッシーニの生家&ポポロ広場&市立美術館のロッシーニ展)
◯ロッシーニ/リッチャルドとゾライデ(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)
12日(日)
◯アンコーナ観光(サン・チリアコ聖堂&国立マルケ博物館&ピッツェコール通り)
◯ロッシーニ/アディーナ(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)
13日(月)
◯ウルビーノ観光(サン・ジョヴァンニ祈祷堂&国立マルケ美術館)
◯ロッシーニ/セビリアの理髪師(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)
14日(火)
◯リミニ観光(モザイク&カラフルなまち&フェデリコ・フェリーニ&ジェラート)
◯リセッテ・オロペサさんのソプラノ・リサイタル(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)
◯ロッシーニ/リッチャルドとゾライデ(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)(2回目)
15日(水)
◯ロッシーニ/ランスへの旅(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)
◯ペーザロ観光その2(サンタ・マリア・アッスンタ聖堂&アドリア海)
◯ロッシーニ/アディーナ(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)(2回目)
16日(木)
◯ファーノ観光(アウグストゥスの凱旋門&ロッシーニ展)
◯ニコラ・アライモさんのバリトン・リサイタル(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)
(ペーザロ→フィレンツェ)
17日(金)
◯フィレンツェ観光(フレンツェの朝の散歩/ドゥオーモ&ポンテ・ヴェッキオ)
(フィレンツェ→バート・イシュル)
◯パウル・アブラハム/ハワイの花(バート・イシュル・レハール音楽祭)
18日(土)
(バート・イシュル→ザルツブルク)
◯ザルツブルク観光(ザルツブルクの朝の散歩&フュルストでの朝食)
◯ヘルベルト・ブロムシュテット/ウィーン・フィルのシベリウス&ブルックナー(ザルツブルク音楽祭)
(ザルツブルク→バート・イシュル)
◯バート・イシュル観光(レハールヴィラ)
◯レハール/微笑みの国(バート・イシュル・レハール音楽祭)
19日(日)
(バート・イシュル→ザルツブルク)
◯ザルツブルク観光その2(モーツァルトの住居)
◯ボルトン/ピエモンテージ/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団のモーツァルト・マチネ(ザルツブルク音楽祭)
◯ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ/バッカスの巫女(ザルツブルク音楽祭)
◯ロッシーニ/アルジェのイタリア女(ザルツブルク音楽祭)
(フライト)
音楽は、オペラ・オペレッタ11回、コンサート・リサイタル4回と、どれも本当に素晴らしい公演でした!何と言ってもロッシーニのオペラを、珍しいリッチャルドとゾライデ、アディーナを含め5作品7回観ることができたのは、ロッシーニ没後150周年の大いなる喜びでした。
(写真)今回の旅では写真を1,000枚以上撮りましたが、代表させるとすればこの1枚。ロッシーニの生誕地ペーザロのテアトロ・ロッシーニに掲げられていたロッシーニ音楽祭のポスターです。
そして、珠玉のオペレッタのパウル・アブラハム/ハワイの花、そしてレハール/微笑みの国!オペレッタ好きとしてあり得ないくらいに幸せな時間でした。コンサートではやはりヘルベルト・ブロムシュテットさんとウィーン・フィルのシベリウス&ブルックナーは格別でした。
初めて訪れたまちは、ヴェローナ・ペーザロ・アンコーナ・ウルビーノ・リミニ・ファーノの6つ。特にアドリア海側のまちをいろいろ周れたのは、貴重な機会でした。白ワインのヴェルディッキオ、ジェラートも沢山楽しめました。
(2)旅の振り返り
(良かった点)
①旅程のアレンジその1(災い転じて福となす)
実は今回の旅程の後半は、最初から上記の形ではありませんでした。当初の16~19日の旅程は以下の通りです。
16日(木)
◯ニコラ・アライモさんのバリトン・リサイタル(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)
◯ロッシーニ/セビリアの理髪師(ペーザロ・ロッシーニ音楽祭)(2回目)
17日(金)
(ペーザロ→ザルツブルク)
◯R.シュトラウス/サロメ(ザルツブルク音楽祭)
18日(土)
◯ヘルベルト・ブロムシュテット/ウィーン・フィルのシベリウス&ブルックナー(ザルツブルク音楽祭)
◯モンテヴェルディ/ポッペアの戴冠(ザルツブルク音楽祭)
19日(日)
◯ボルトン/ピエモンテージ/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団のモーツァルト・マチネ(ザルツブルク音楽祭)
◯ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ/バッカスの巫女(ザルツブルク音楽祭)
◯ロッシーニ/アルジェのイタリア女(ザルツブルク音楽祭)
つまりペーザロからザルツブルクに移動して、ずっとザルツブルク音楽祭を楽しむつもりでした。
しかしザルツブルク音楽祭事務局からの返事で、何と、リクエストしていたサロメの公演のチケットが取れなかったんです!昨年、大争奪戦となったムーティ&ネトレプコのアイーダでさえ一発で取れたので、これはかなり意外な展開でした。やはりザルツブルク音楽祭でのR.シュトラウスは特別なんですね。
さて困った。サロメのチケットをどうやって確保しようか?いろいろ方策を考えている途中、待てよ?ザルツブルク以外の音楽祭も調べてみよう、と思い立って調べてみたら、バート・イシュルでパウル・アブラハム/ハワイの花の公演を見つけました!さらに翌日には大好きなレハール/微笑みの国まで!
これも何かの巡り合わせ。今年はザルツブルクに集中しないで、バート・イシュルも楽しもうか?気持ちは固まりました。そして、上に書いた旅程となったのです。
ちなみに、結果的に私が観なかったサロメもポッペアの戴冠も、かなり斬新な演出で賛否両論だったそうです。私は斬新な演出は望むところですが、今回はかなり珍しいパウル・アブラハム/ハワイの花という珠玉のオペレッタを観ることができたので、サロメが外れて結果オーライ。本当に何が幸いするか分りません。
②旅程のアレンジその2(イタリアの列車への対応)
①の通り、ザルツブルクでなく、今回はバート・イシュルに比重を置いて楽しむことに決めましたが、ここで1つ難題が発生。当初は16日の夜にペーザロでセビリアの理髪師の2回目を観て、17日に朝からザルツブルク移動するところ、さらにバート・イシュルまで移動しなければならなくなったのです。
ペーザロからバート・イシュルまで、列車×2→フライト→列車×3の移動を1日で行って、20:00のハワイの花の開演時間までに辿り着くのは無理です。そこで、最初の列車×2を16日にして、その日はフィレンツェに泊まることにしました。
ところが、16日にセビリアの理髪師を観た後に、フィレンツェに移動する列車を調べたら、時間的にワンチャンスなのです。(その列車を逃したり、なくなったらアウト)
う~ん、困った困った。
日本だったら、ワンチャンスでもトライするところです。現に9月23日(日)に錦糸町でエストニア国立男性合唱団のトルミス→(新幹線で高崎へ移動)→群馬交響楽団のエルガー/神の国のダブルヘッダーは、ほぼほぼワンチャンスでしたが、新幹線もキッチリ時間通りに来て、十分間に合いました。しかし、イタリアの列車が果たして時間通りに動いてくれるものなのか?そんなに期待できないと思われます。
かなり悩みましたが、最終的には16日の2回目のセビリアの理髪師の観劇を諦めて、早めにフィレンツェに移動する決断をしました。既にチケットを確保してあるロッシーニの観劇を諦める、ということで、これはもう本当に断腸の思いです…。
ただし、実際に現地に行ってみると、イタリアの列車の運行は毎日のように遅れまくっていました(笑)。特に11日のペーザロ入りの列車はかなり遅れて、旅程がぐちゃぐちゃになったり…(泣)。16日に観劇を1つ諦めて、その日の内に確実にフィレンツェに辿り着く判断は全く正しかったことが分りました。
こうして、厳しい選択を強いられながらも、17日は無事に長駆バート・イシュルに辿り着いて、今回を逃したら、2度と観ることができない可能性が高い、珠玉のパウル・アブラハム/ハワイの花を観ることができました!
旅程だけでなく、人生の何事においても、物事はいつも100%成就できる訳ではなく、どうしても一部を諦めなければならない場面が多々あります。時には80点を諦めて、60点を確実に取りに行く方が、優先順位が高いことも。こうして振り返ってみても、今回の苦渋の判断は、なかなか良い選択だったと思います。
③フェデリコ・フェリーニ
今回の旅では、リミニ観光とザルツブルク音楽祭のロッシーニ/アルジェのイタリア女で、偶然フェデリコ・フェリーニに遭遇して感動しました!前者はフェリーニの生まれたまち、後者は演出で映画「甘い生活」のシーンが流されていたものです。
フェデリコ・フェリーニは20代にいろいろな作品を観ました。有名な「道」「甘い生活」のほか、「8 1/2」「サテリコン」「カビリアの夜」「アマルコルド」「寄席の脚光」「青春群像」「フェリーニのローマ」「オーケストラ・リハーサル」「ジンジャーとフレッド」「インテルビスタ」などなど。特に「アマルコルド」と「カビリアの夜」は大好きな作品です。
当時は映画が好きな友人たちも、みんなハリウッド映画ばかり観に行っていて、イタリアやフランスの懐かしい映画を観る友人はかなり限られました。しかし、少数であってもそんな存在がいてくれたのは本当に貴重でした。一人だけで観ても、感想を言い合ったりできないと、自分だけで続けるには限界がありますからね。
結果的に20代にフェリーニを沢山観たことが、こうして今回の旅行でのフェリーニとの感動の出逢いにつながりました。若い頃にそういう貴重な友人たちと出逢うことができて、私は本当に恵まれていたんだな、と改めて思ったしだいです。映画もいろいろ観なくちゃですね。
④ヴェルディッキオ&ジェラート祭
今回の旅の食事では、特に前半のペーザロの近くのまちでイタリア料理を堪能しましたが、ワインで地元のヴェルディッキオを沢山楽しめたのが、とても貴重な機会でした。日本ではガブ飲みワインのイメージのあるヴェルディッキオですが、現地でいろいろな銘柄を楽しめて、本当に素晴らしかったです!
また、暑い毎日の中、ジェラートにもどれだけお世話になったことか!(笑)水ばかり飲むとお腹がガボガボになるので、暑さをしのぐイタリアの知恵ですね。
ということで、今回の旅で楽しんだヴェルディッキオとジェラートのおさらいです。
(写真)いろいろな料理と楽しんだヴェルディッキオ
(写真)いろいろなジェラート盛り合わせ
(反省点)
①スーツケースのトラブル
今回は旅の途中でスーツケースにトラブルが発生して、少し困った事態となりました。スーツケース自体の移動は限定的だったので、何とか対処して事なきを得ましたが、ちょっとした油断でもトラブルは起こり得ることを痛感しました。繰り返さないように、メモとして、ここに残しておきます。
(3)今後に向けて
①時間管理の徹底
前回の旅の「今後に向けて」と似た内容となりますが、今回の旅でも、旅に出ている一週間というよりは、日常生活の時間の使い方をもう少し考えた方がいいことを痛感しました。
今回の旅では、そもそも、海外旅行の前に、札幌×2と金沢の国内旅行を敢行したので(笑)、海外旅行の準備がかなりアバウトになりました。それでも、旅の途中でも情報収集を精力的に行って、旅自体は存分に楽しめましたが、準備がいささか不十分だった、という反省の気持ちもあります。
改めて時間の配分を、しっかりかけるところ、力を抜くところ、メリハリを大切にしようと思いました。力を抜くところで一番余地があるのは、何よりもこのブログ。記事の内容をもっとシンプルにすることです。ちょうど年末でキリがいいので、来年からはもっとブログの内容を簡潔にして、他の事に時間をもっと割こうと思います。
一番大切なのは、何よりも実生活を充実させること。ブログはあくまでも実生活の記録、そしてプラスアルファの世界です。力の入れどころを間違えないようにしたいと思います。
以上、旅のまとめと振り返り、今後に向けてでした。これをもって、今回の旅行記を終了します。8月下旬に始まって12月中旬に終了と、4ヶ月かかって、なかなか進まず恐縮でしたが、ご覧いただいたみなさま、特に温かいコメントをいただいたみなさまには本当に感謝いたします。みなさまのご旅行や日頃のクラシック音楽の鑑賞に、少しでも参考になれば幸いです。読んでいただきまして、本当にありがとうございました!