昨日は山代温泉や山代大田楽、周辺の観光地を大いに楽しむことができました。

 

明けて29日(日)。この日は当初は台風が一番石川県に接近する見込みだったので、午前中は温泉でゆっくりするつもりでした。しかし台風が予想より南のコースを取ったので、石川県は影響なし。そこで、Bプランとして用意していた山中温泉に行きました。

 

 

 

山中温泉では鶴仙渓という大聖寺川の渓谷沿いの遊歩道の散策を楽しめました。渓谷の川の音や森林の鳥の声を聞きながらの散策は非常に心地よい。こおろぎ橋、あやとりはし、黒谷橋の3橋、松尾芭蕉ゆかりの桜公園、川そばで冷製抹茶おしるこが楽しめる川床など、見どころも次々出てきて飽きません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真)鶴仙渓の風景。歩いた順番に、上から、こおろぎ橋、道中の風景、川床、冷製抹茶おしるこ、道明地蔵(左)と慈母観音、あやとりはし、桜公園と芭蕉の句碑、芭蕉堂、黒谷橋。

 

 

 

山中温泉では、このほかまち歩きを少々。山中座や芭蕉の館などがありました。九谷焼のショップでは、いい感じの九谷焼のお箸おきを見つけたので、旅の記念に購入。名物の娘娘(にゃあにゃあ)饅頭と、温泉たまごソフトクリーム(笑)も楽しめました。

 

 

 

 

(写真)山中温泉のまちなみと名物。上から、山中座、芭蕉の館、娘娘饅頭、温泉たまごソフトクリーム。昨日、温泉たまごが分離していたものは混ぜるのを躊躇しましたが、この日は既に温泉たまごが混ざっています。恐る恐る食べたら美味しい!なんだ、昨日も混ぜれば良かった(笑)。

 

 

 

そして、台風の心配も全くなくなったので、午後は金沢に移動しました。

 

 

 

 

(写真)金沢駅。時刻を表示するミニ噴水が、文字も表示する優れもの。上から、時刻、「いいね金沢」、「KANAZAWA」。

 

 

 

お昼はいい感じのラーメンのお店に。この暑さの中、なぜにラーメン?ですが、先日の札幌観光で札幌ラーメンに魅了され、ラーメン好きのDNAが覚醒(笑)。

 

(写真)チャーシューメン。札幌ラーメンの味噌味も美味しいですが、醤油味も美味しい!

 

旨味とあっさりのバランスが良い醤油味のスープ、よくなじむ細麺、トロトロのチャーシューと素晴らしいラーメンでした。

 

 

 

(写真)石川県立伝統産業工芸館

 

続いて、石川県立伝統産業工芸館に。ここは石川県の36の伝統工芸品全てを見ることができます。ここでもやはり魅了されたのは九谷焼。古九谷、吉田屋、飯田屋など6つの色遣いの分かりやすい解説がありました。そして、午前中に行った山中温泉の名産の山中漆器もあり、繊細な漆器の数々、素晴らしかったです!

 

その他、輪島塗り、金沢箔、加賀繍、加賀毛針などの名品がずらっと並んでいて壮観でした!金沢箔では、宝船が描かれたいい感じの大きな金のひょうたんが素晴らしかったです。加賀毛針では「大切に使えば100尾以上の鮎があがる」とありましたが、こちらでは鮎を友釣りでなく毛針で釣るんですね?

 

 

 

(写真)石川県立美術館

 

続いて、石川県立美術館に。まず国宝のペアの雉の香炉が第1展示室に大きく展示されていました。次の第2展示室では入って右側に古九谷の大ぶりのお皿が12枚展示されていてもう圧巻でした!ほとんどこれだけ観るために入場料払ってもいいレベル。

 

 

 

 

(写真)素晴らしい古九谷のお皿の数々

※購入した絵葉書より。図録も購入したので、ゆっくり読んで九谷焼を勉強するのが非常に楽しみです!。

 

 

その他、日本の画家の金をふんだんに使った絵、レダと白鳥を下敷きにした絵、去りゆく夏のブロンズの彫刻など、雰囲気のある作品を大いに楽しめました!

 

 

 

(写真)金沢21世紀美術館

 

続いて、噂の金沢21世紀美術館に。さすが人気の美術館、外国人の方が多数並んでいて、チケット買うまで20分待ちでした。2つの企画展も周囲の現代美術もそれなりに楽しめましたが、ここの美術館の一番の売りは、建物のコンセプトや周りの現代美術の配置なのかな?と思いました。

 

 

 

(写真)屋外の現代美術。頻繁に人が寄っていました。

 

 

 

金沢21世紀美術館の鑑賞が意外に早く終わったので、どうしようか?と思案しましたが、それでは!ということで、明日に行く予定だったところに行くことに決定。

 

 

(写真)ひがし茶屋街・志摩

 

ということで、かつての茶屋街の伝統を守る、金沢三茶屋街の内、ひがし茶屋街の志摩に行きました。志摩は国指定重要文化財で遊芸空間のお茶屋の魅力を丸々残しているところです。

 

これが本当に素晴らしい内容!伝統的な造りの木と畳の空間。座敷、ひかえの間、はなれなどの配置。赤い敷物の上に太鼓や琴などが置かれていて、今にも芸妓さんが出てきそうな雰囲気で非常に魅了されました!

 

そして、私がさらに唸ったのは、茶屋遊びについての詳しい解説でした。

 

すなわち、茶屋遊びは、限られた空間と時間の中で繰り広げられる非日常の世界である。もてなす側ともてなされる側がともに芸に興じてこそ、茶屋遊びの「粋」は成り立つ。客の側にも芸を解する力量が問われ、旦那衆は茶屋通いのために自ら稽古事をする。芸をたしなみ、洒脱な心がなければ、芸妓が捧げる優雅で粋な場面を楽しめるはずもなく、「野暮」とされる。最上の客とされるのは芸妓を楽しませるほどの懐の広さを持った者である。

 

これ、茶屋遊びだけでなく、現代のクラシックのコンサートやオペラの公演にも言えるのではないでしょうか?アーティストに敬意を表しつつ、良き観客として自らも精進する。コンサートやオペラを軽々しくけなすようなブログやツイッターが散見され、本当に辟易して、それこそ「野暮」そのものに思いますが(そんなに言うなら、自分で弾いてみろ、吹いてみろ、と心底思います。あるいは、もし今一つに感じたのなら、そもそも書かなければいいのにとも。もっと言うと、相性の悪いオケや演出家だったら、始めから行かなければいいのに、とも思います。)、私は引き続きアーティストに寄り添う観客、自らも楽器に携わる努力をしつつ、理解に努める観客を目指していきたいと思います。

 

 

(写真)志摩ではお抹茶もいただきました。庭を見ながらの豊かなひととき。

 

 

 

 

 

 

 

(写真)雰囲気があり過ぎる、ひがし茶屋街。金沢、なんと素晴らしいところなんでしょう!

 

 

 

そして夕食時になりました。この日の夕食に何を食べに行こうか思案しましたが、金沢や能登の食材を使ったフランス料理のレストランがあるそうなので、そこに行きました。

 

 

 

 

(写真)素晴らしかった料理とワイン(コースの一部より)

 

料理もワインもお任せにしましたが、能登ならではの魚介類を活かした素晴らしい料理、それを引き立てる創意工夫のなされた絶妙なワインの選択、九谷焼も含めた魅力的な食器と、最初から最後まで極上の時間でした!ワインへの愛情が溢れ出て、真摯で勉強熱心なソムリエールさんに大いに感動!

 

 

伝統と革新。金沢は本当に素晴らしいまちだと思い知った極上の一日でした。