いやいや、台風が来てしまって本当に参りましたが…、今週末は石川県は山代温泉にやって参りました。

 

あれ!?あなたは先週末と先々週末も札幌に行っていたのでは?また出かけたんですか?

 

はい。できれば今週の土日は家でゆっくりして、ピアノをたっぷり弾きたかったのですが、深~い訳があって、生まれて初めて石川県に来たのです。せっかく来ることができたので、台風には注意しつつ、観光と参りましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真)那谷寺。上から、山門、金堂華王殿、奇岩遊仙境、本殿、三重塔、展望台からの奇岩遊仙境の眺め(絶景!)、松尾芭蕉の句碑、琉美園の三尊石

 

 

(写真)いた!その1&その2

 

 

まず粟津からタクシーで10分の那谷寺に行きました。ここは真言宗別格本山の由緒あるお寺です。

 

十一面千手観音菩薩が素晴らしい金堂華王殿、松尾芭蕉が「石山の石より白し秋の風」と詠んだ素晴らしい景観の奇岩遊仙境、再生を意味する「いわや胎内くぐり」ができる本殿、国の名勝に指定されている三尊石が見事な庭園の琉美園など、非常に雰囲気のある真言宗の名寺に魅了されました!

 

 

(写真)那谷寺前の茶屋にて。胡麻豆腐、御利益があるそうです。冷やしあめ(右)と共に。

 

 

 

 

(写真)移動途中の加賀温泉駅の風景。大きな観音様の像。下は何と、レディーカガ!(笑) モーニング娘の加賀楓さんがイメージキャラクター。こういう楽しいセンスは大好きです!

 

 

 

 

 

 

(写真)石川県立九谷焼美術館のエントランスと日台の交流のイラスト展、図録。一番下の写真は大聖寺駅前の古九谷発祥の地の碑。

 

 

続いて、石川県と言えば、私は真っ先に前田利家公と九谷焼を連想します。ということで、九谷焼発祥の地とされている大聖寺にある石川県九谷焼美術館に行きました。

 

九谷焼の展示は「青手」「色絵・五彩」「赤絵・金襴」の3つのコーナーがあり、分かりやすく展示されていました。中でも、私は「青手」のコーナーの素晴らしい構図や青・緑・黄色の色遣いの見事な古九谷に大いに惹かれました!あの「いい仕事していますねえ!」の中島誠之助さんが「見事な古九谷です!」と決め台詞を発する、あの古九谷です。図録を買ってきたので、ゆっくり読むのが楽しみです!

 

そして、加賀市と台湾の台南市が姉妹都市ということで、お互いの小学生たちがカラフルな花の絵を書いて、優秀な作品はその絵を九谷焼のお皿にする企画の作品展もやっていました。これが バラエティに富んで、非常に見応えのある内容!こういう取り組みにより日本と台湾の交流がますます進むのは本当にいいことだと思いました。

 

 

 

続いて山代温泉に移動しました。

 

 

(写真)お蕎麦

 

まずは山代温泉で人気のお蕎麦屋さんで、美味しいお蕎麦をいただきました。ざるそばととろろそば、天ぷらが楽しめる、ふたみ蕎麦に舌つづみ。

 

 

 

(写真)九谷焼窯跡展示館。2枚目はスタンプラリーでいただいた窯の写真。手前が錦窯、奥が登り窯。

 

 

次に九谷焼窯跡展示館。ここは古九谷が途絶えてしまった後、1826年に豊田(吉田屋)伝右衛門が九谷焼を再興した登り窯跡の遺跡です。登り窯や遺跡、工房や展示を楽しむことができました。

 

九谷焼は完成までに何回も焼き、その度に目的と温度が違うこと。専用の構造を持つ窯を使い分けていたこと(色付けをして焼く窯は錦窯と言う)。素焼窯(800~900℃)→下絵付け・釉掛け→本焼窯(1300℃位)→上絵付け→錦窯(700~800℃)。色絵では3回、金彩では4回も焼き上げて完成させること、など、興味深く拝見しました。

 

 

 

(写真)魯山人寓居跡 いろは草庵

 

 

続いて魯山人寓居跡 いろは草庵。ここは温泉旅館「吉野屋」主人の吉野治郎が当時まだ無名だった北大路魯山人の実力を認めて、自分の別荘を仕事場兼住居として、タダで提供した場所です。魯山人はここで温泉旅館の看板を作る仕事をしながら、夜は温泉旅館の旦那衆と芸術談義や美食に明け暮れたそうです。

 

そして魯山人は九谷焼窯元の初代須田青華と出逢い、陶芸の手ほどきを受けます。魯山人と言えば、美食に加えて食器にこだわった人で、あの「美味しんぼ」の海原雄山のモデルとも言われていますが、その原点がこの場所なんです!

 

魯山人が旦那衆と飲み明かした囲炉裏端や「吉野家」の看板、白地に青で文様を描く焼き物「染付」の魯山人の作品が展示されていて、感慨深かったです。

 

(写真)北大路魯山人が陶芸を習った久谷焼窯元須田青華。看板は魯山人作。

 

 

 

 

 

 

(写真)薬王院温泉寺。上から入り口の門、僧の像、本堂、明覚上人五輪塔

 

 

続いて、薬王院温泉寺。725年に僧行基が白山登拝の道すがら、この地で一羽の鳥の湯あみを見て温泉の涌出を発見して、この温泉寺ができたそうです。その鳥GJ!

 

 

 

 

 

(写真)総湯。上から総湯、山代温泉のゆるキャラ「すぱクロ」。温泉を見つけたのはカラスでした。3枚目は、後述のお寿司の後に食べた、総湯の建物で売っている、温泉たまご付きソフトクリーム(笑)。よくかき混ぜて、とありましたが、なかなか勇気が出ませんでした…。

 

 

続いて、総湯。一般客も入れる温泉です。久しぶりの温泉はとても心地よい。中は開放的で明るい空間、九谷焼きのタイルが綺麗。ここは前は吉野屋、あの北大路魯山人を支援した吉野屋の湯だったところです。密かなる感動!

 

 

 

そして夕ご飯は山代温泉で評判のお寿司屋さんに行きました。石川県ならではの珍しい魚のお寿司を中心にお任せで。

 

どれもみな美味しかったですが、まはた、かわはぎの肝のせ、しんこ、白えび、万寿貝、きすなどが特に味わい深かったです。お酒はエビスビールから入って純米酒やましろ。お寿司と日本酒の組み合わせは、素晴らし過ぎて本当に危険です(笑)。

 

 

 

 

(写真)美味しかったお寿司たち。上からお通しのもずくとエビスビール、きす、かわはぎの肝のせ、白えび(右)とばい貝と純米酒やましろ。

 

 

 

(写真)山代大田楽のポスター

 

 

さて、この日に私が山代温泉に来た大きな理由は、今日と明日の年に2回だけ公演のある、山代大田楽を観るためです。平安時代や鎌倉時代の民俗芸能「田楽」を狂言師の野村万之丞さんが現代風にアレンジした楽劇です。

 

場所は服部神社前の屋外の特設会場。台風も心配されましたが、無事に開催されました。カラフルな衣装、笛や太鼓などの賑やかな音楽、100人以上の参加者が踊ったり、音楽を奏でたり、芸を披露したり、非常に楽しい舞台でした!

 

特に地元のお子さんが多数参加して、みな活き活きと踊ったり、お土産を観客席に投げ入れたりして、微笑ましかったです。最後は乱舞になって、観客も加わってみんなで踊ります。めっちゃ楽しい!

 

 

 

楽しい山代大田楽が終わり、後はひたすら宿で温泉を楽しみました。私は忙しい旅ばかりしていますが、たまには温泉でほっこりもいいですね。