先週に引き続き、札幌のパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)のバーンスタインのコンサートを聴きに行きました。

 

(参考)2018.7.15 J.アクセルロッド/R.シャハム/PMFオーケストラのバーンスタイン@札幌

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12391062763.html

 

 

あれ!?あなた!16日に東京に帰ってきたのでは?そして、北海道にぜひまた来てみたい、とか、すぐには行かなさそうなこと、言ってたのでは?

 

いや〜、その通りなんですが(笑)。この日のPMFのプログラムを見てしまったら、2週連続で札幌に行くことに、何の躊躇い(ためらい)もありませんでした。2往復も飛行機代使って、この人本当にアホですね?(笑)しかし、お馬鹿と言われようが、私のバーンスタイン愛は揺るぎないのです。

 

 

 

まず11時からはレニーの生誕100年記念イベントがありました。

 

 

レナード・バーンスタイン生誕100年記念イベント

録音とエピソードでたどるバーンスタインの生涯

(札幌コンサートホールKitara小ホール)

 

田中泰(企画・進行)

中川晶子(進行)

 

バーンスタインの作品や指揮の録音をヤマハのHiFiフラッグシップスピーカー「NS-5000」にて鑑賞

 

曲目

バーンスタイン/

交響曲第1番「エレミア」

バレエ音楽「ファンシー・フリー」から「ビッグ・スタッフ」

交響曲第2番「不安の時代」

「キャンディード」序曲

「ウエストサイド・ストーリー」から「トゥナイト」

 

ベートーベン/「エグモント」序曲

 

バーンスタイン/

「ウエストサイド・ストーリー」の「シンフォニック・ダンス」から「マンボ」

交響曲第3番「カディッシュ」

ミサ

政治的序曲「スラヴァ!」

 

シューマン/交響曲第2番ハ長調から第4楽章

ベートーベン/交響曲第7番イ長調から第2楽章

 

 

このイベントは田中泰さんと中川晶子さんの進行で、レニーの生涯を辿りながら、レニーの曲や指揮を、ヤマハの最高級スピーカーで聴くものです。

 

どの演奏にも魅了されましたが、ファンシー・フリーではレニーがピアノを弾いて自ら歌います!ピアノはスウィングして雰囲気ありまくりのさすがのピアノ!歌もややダミ声(笑)でいい感じ。ヤマハのスピーカーは150万円もするそうですが、ほとんど生演奏を聴いているかのような素晴らしいクオリティです。

 

観客からのメッセージの紹介もありました。レニーのブラームス4番が一味違って魅了されたこと、高校生の時にショスタコーヴィチ5番をテレビで見てファンになりPMFも応援していること、1990年のPMFのシューマン2番のコンサートのチケットを今でも大切にお守りにしていることなど、とても素敵なメッセージが寄せられていました。私が2週連続で札幌に駆け付けたこともぜひ加えていただければ!

 

そのシューマン4番はニューヨーク・フィルとの演奏ですがやはり感動的。そして、ラストは何と、最後の録音となったボストン交響楽団とのベートーベン7番第2楽章!これは泣きました…。会場からもすすり泣きが。レニーの生涯を辿りながら、レニーへの想いを共有できる、素晴らしい企画でした!

 

 

 

続いて14時からは、本日のメインイベント、PMFオーケストラによるコンサートです。先週のコンサートでは、バーンスタインはエレミアだけでしたが、今日はオール・バーンスタイン・プロです!

 

しかも、あのタングルウッドの奇跡、五嶋みどりさんによるセレナード!!PMF、何て粋な企画なんでしょう!!

 

 

PMFオーケストラ演奏会プログラムB

(札幌コンサートホールKitara)

 

指揮:エドウィン・アウトウォーター

ヴァイオリン:五嶋みどり

ピアノ:アンドリュー・タイソン

 

バーンスタイン/バレエ音楽「ファンシー・フリー」

バーンスタイン/セレナード(プラトンの『饗宴』による)

バーンスタイン/交響曲第2番「不安の時代」

 

 

1曲目はファンシー・フリー。ジャズのリズムを活かした非常に親しみやすい作品です。冒頭からオケがノリノリのジャズのリズム、特に雰囲気抜群のピアノが素晴らしい。金管が難しいパッセージを見事にこなします。

 

途中でコープランドっぽい晴れやかな響きが差し込むのも楽しい。そんな感じで最後までジャズっぽい音楽を楽しめましたが、やはりバレエで観たい曲と思いました。

 

 

2曲目はセレナード。五嶋みどりさんのヴァイオリンが圧巻!全身全霊で弾くヴァイオリンに一音一音引き込まれます。五嶋みどりさんにしか見えない世界がある印象。ほとんど魂をすり減らして弾いているかのよう。素晴らしいセレナードでした!

 

アンコールのバッハの無伴奏がまた凄い!今際の際に、最後の力を振り絞って家族や友人に感謝を伝えるような、そんな尋常でない演奏!非常に魅了されました!

 

 

後半は不安の時代。アンドリュー・タイソンさんは冒頭からニュアンスに溢れるピアノ。オケも神妙な音楽を丁寧に紡いで行きます。

 

ヴォツェックに似た不協和音の上昇。ジャズの狂乱。などなど印象的な音楽が続いた後、感動的なトランペットの誘い(いざない)のソロ!最後の晴れやかな祈りの音楽は、あたかも熱演のPMFの若いアーティストたちの明るい未来を示しているような、そんな思いを持って聴いた、感動の演奏でした!満席の客席も大いに湧いていましたね。

 

 

 

さらに、18時から、PMFアメリカ・メンバーによる吹奏楽セミナーがありました。先週のオーボエとホルンのマスタークラスも非常に良かったですが、今回は中高生の吹奏楽です。

 

 

PMFアメリカ・メンバーによる吹奏楽セミナー

(札幌コンサートホールKitara)

 

PMFアメリカ・メンバー

 マーク J. イノウエ(トランペット/サンフランシスコ交響楽団)

 デンソン・ポール・ポラード(トロンボーン/メトロポリタン歌劇場管弦楽団)

 デイヴィッド・ハーバート(ティンパニ/シカゴ交響楽団)

    ウィリアム・カバレロ(ホルン/ピッツバーグ交響楽団)

 

ガーシュウィン:「ポーギーとベス」より抜粋

札幌市立伏見中学校吹奏楽部

指揮:中島史紀

 

サン=サーンス:歌劇『サムソンとデリラ』から「バッカナール」

北星学園女子中学高等学校吹奏楽部

指揮:内山保志

 

 

私は普段、吹奏楽を聴く機会はほとんどありません。アメブロで交流させていただいている中では、チャーリーさんが吹奏楽を好まれていて、ご自身も演奏されていたと思いました。吹奏楽、なかなか聴く機会がないので、むしろ楽しみです。

 

 

前半は中学生がポーギーとベスの演奏。これが素晴らしい!特にクラリネットとトランペットが見事。そしてアメリカのオケの先生たちがアドバイス。クラリネットにはソロはもっと自由に吹いていい。楽団全体には、強いところはもっと強く、弱いところはもっと弱く。アクセントが大事、という内容でした。

 

そして最後に再び通したら、さらに素晴らしい演奏!クラリネットはアドバイスをしっかり自分のものにして、さらに見事な演奏!先生たちも生徒たちの間に加わって演奏して、こういうのは思い出と自信になるので、本当にいいですね。

 

 

後半は女子中高生がサムソンとデリラの演奏。これも素晴らしい!特にオーボエと木琴が見事。アメリカのオケの先生たちからは、自分のパートで大事なところとそうでないところを、強く吹く弱く吹くのメリハリを。他のパートの音をよく聴くこと。物語をよく知って、それを感じて演奏を、とアドバイス。

 

生徒さんたちから質問タイム。トロンボーンとホルンの生徒さんは高音の綺麗な出し方、トランペットの生徒さんは細かい旋律の吹き方を質問し、先生たちは練習方法も含め的確に答えます。最後、先生たちも加わっての演奏はアドバイス通りメリハリの付いた、一段上の演奏になっていました!

 

 

中高生による吹奏楽、そしてプロのトップアーティストによる指導、めっちゃ楽しめました!この中高生たちのキラキラとした、情熱に溢れる生きた演奏は本当に素晴らしい。大いにインスパイアされたので、私もピアノの練習、ドビュッシーをますます頑張りたいと思いました。

 

 

 

ということで、2週連続となったPMFでのバーンスタイン体験は、バーンスタイン生誕100周年の最高の思い出となりました!

 

確かにお財布的には札幌往復2連発で、正直かなり痛いですが(笑、頑張って働こう…)、それだけ大いなる尊敬の念を抱き、情熱を傾けることのできる対象がある。これは本当にありがたいことです。