アラン・ギルバートさんが首席客演指揮者として都響を振る、バーンスタイン生誕100周年記念のコンサートを聴きに行きました。

 

 

東京都交響楽団Cser.

(東京芸術劇場コンサートホール)

 

指揮:アラン・ギルバート

 

《バーンスタイン生誕100周年記念/ガーシュウィン生誕120周年記念》

 

ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調

バーンスタイン/「ウエスト・サイド・ストーリー」より「シンフォニック・ダンス」

ガーシュウィン/パリのアメリカ人

 

 

このコンサートはただでさえ、アラン・ギルバートさんが都響に客演するということで魅力的なコンサートですが、また曲目の組み合わせが絶妙!アメリカをテーマに、全てニューヨーク・フィルが初演した曲。そしてレニーが得意とした曲で固めたコンサート、めっちゃ楽しみです!

 

 

前半はドヴォルザーク/新世界より。第1楽章のメリハリと躍動感、第2楽章の情緒的な響き、第3楽章の弾けるようなリズム、第4楽章の真打ち感、とても聴き応えのある新世界でした。

 

ギルバートさんは基本的にはオーソドックスな流れでしたが、第3楽章でルフトパウゼを入れたり、第4楽章ではテンポを細かく揺らして工夫したり、オケをよく鳴らして、さすがの指揮でした。

 

 

後半1曲目はバーンスタイン。ギルバートさんはドヴォルザークも良かったですが、バーンスタインは完全に手の内の曲、と言った感じでテンポの揺らしや細かいニュアンスが本当に素晴らしい!

 

冒頭のプロローグでは、1拍抜いて変化を付けたり、弦の切り上がりを雰囲気たっぷりで蒸発させたりして聴かせます!金管が交互に掛け合う場面だったり、パーカッションの複雑なリズムだったり、都響が痺れるほどに上手い!

 

サムウェアはコンミズの四方恭子さんのソロに涙がすぐに溢れます…。鎮まるチェロの溜め!リズムを刻むピアノはやや速め。サムウェアはゆっくりやっても速くやってもどちらも感動的。

 

マンボは冒頭のパーカッションがガツンと強力に入り雰囲気を変えます。都響は全体で強奏しても個々の楽器がクリアに聴こえるのはさすが。チャチャに入る前の飛翔する弦、そして愛らしいチャチャも魅力的。

 

続いてクール。この曲は3月にパーヴォさんとN響でも見事な演奏を聴きましたが、都響がまためちゃくちゃ上手い!踊りが入らなくても大興奮、めくるめくレニーの音楽に圧倒されました!

 

続くフルートのソロは一音一音素晴らしくニュアンスが付いて見事。そして更にこれが来るのか!という感じで登場するアイ・ハヴ・ア・ラヴ!感動の旋律を、ギルバートさんが真摯に、そして繊細にニュアンスも付けて極めて感動的。もうこの辺り涙でぐちゃぐちゃでした…。一番最後のテレ〜をやや強調したのは、マリアの意志の強さの描写でしょうか?

 

 

やっばりニューヨーカーの振ったバーンスタインは凄すぎた!都響も異次元の素晴らしさ!最高のシンフォニック・ダンス!

 

 

最後はガーシュウィン。ギルバートさん、冒頭の旋律から、2回目は副旋律を浮き出たせたりして意欲的な指揮。ピーというよりはクラクションっぽくプーッと鳴る警笛がリアル(笑)。

 

オケが急に加速した後にストップ。ここなんか、パリを闊歩する紳士が(例えばジーン・ケリー)、風に帽子を飛ばされて急いで追いかけるも、マダムにぶつかりそうになって止まり、「おっと、失礼!」と言って詫びる、そんな楽しい光景を思い浮かべます。

 

リズミカルな序盤に一瞬、温かい雰囲気のしっとりとした音楽が差し込みます。後半のブルースのシーンを思い浮かべ、ここで早くも涙…。チェレスタ→ヴァイオリン→オーボエのリレーが雰囲気出します。ブルースの前のトロンボーンのニュアンス満点の導入!

 

有名なトランペットのブルースの旋律は最初は抑え気味にして、ギルバートさんのペース配分を感じます。ひとしきり盛り上がった後に、チェロとコントラバスがバッハのG線上のアリアの旋律を急ぎ弾くところは大好きな場面。

 

最後の大きな盛り上がりはもうたっぷりの指揮、その後の音楽もギルバートさんはニュアンス込め込め、それに見事に応える都響!

 

 

バーンスタインだけでなく、ニューヨーカーの振るガーシュウィンも凄すぎた!都響もまたしても見事な演奏!

 

 

アラン・ギルバートさんと都響のバーンスタイン生誕100周年記念コンサート、めちゃめちゃ素晴らしかったです!観客も大いに盛り上がっていました。こういうのを聴けるので、コンサート通いは止められません!

 

 

(追伸)アラン・ギルバートさんと都響のニューヨークの雰囲気満点の演奏で気分は最高。帰りに品川のニューヨーク料理のレストランに寄り、マンハッタン・クラムチャウダーにブルックリン・ラガーを楽しみました。

 

ここはニューヨークのグランド・セントラル駅にあるレストランが本店ですが、以前に食べに行った時には、ニューヨークのご年配のマダムがお一人でずらっと並んだ牡蠣をワインと一緒に楽しんでいて、何て粋なんだ!、と唸ったレストランです。ニューヨーク、また行ってみたい!(また何かのフラグ?笑)