カリフォルニアの傑出したワインメーカー、オー・ボン・クリマの試飲会に行ってきました。

 

 

オー・ボン・クリマ スペシャル・テイスティング

(エノテカ二子玉川東急フードショー店)

 

≪オー・ボン・クリマ≫

①シャルドネ・ツバキラベル2015

②シャルドネ・ニュイ・ブランシュ・ピアレス2014

③ピノ・ノワール・イザベル2014

 

≪クレンデネンファミリー≫

④ピノ・ノワール・ル・ボン・クリマ2014

⑤ネッビオーロ・ブリッコ・ブオン・ナターレ・サンタ マリア・ヴァレー2013

 

 

私はカリフォルニアのワインはそんなに飲んできた訳ではありませんが、その中でも、オー・ボン・クリマのワインには比較的、親しむ機会が

ありました。卓越したシャルドネにピノ・ノワール。いつも確実で幸せになれるワイン。そういう印象があります。

 

 

まず今回の試飲会に合わせて、オー・ボン・クリマのオーナー、ジム・クレンデネンさんが来日されました。すると、ジムさんとともに若い女性の姿が!もしかして?と思ったら、娘さんのイザベルさんも来られました!オー・ボン・クリマで最も有名な銘柄、ピノ・ノワール・イザベルの名前の由来のイザベルさんです。いきなりビッグ・サプライズ!!

 

そして、ジムさんからプレゼンがありました。カリフォルニアでは多くのお金を稼いでからワイン業界に入るのが普通だが、私が37年前に始めた時はオーストラリアやブルゴーニュで働いて得た、なけなしのお金で始めた。お金はなかったが沢山働いた。おかげで17年前にお金が貯まったので、自分の畑を買い別会社を作った。それがグレンデネンファミリー。

 

オー・ボン・クリマで得たお金を活かして、グレンデネンファミリーでチャレンジをしている。イザベルとノックス(息子さん)と私の3人でやっている。ワイン造りはリスクもあるが、冒険そのもので楽しい。このようなお話でした。

 

私が試飲会に行くのは、素晴らしいワインを体感したいことももちろんありますが、このようなワインを造られている方のヒューマン・ヒストリーを聞くのが好きなんです。

 

 

①~③はオー・ボン・クリマのワイン。まず①シャルドネ・ツバキラベル2015。現代アートの椿氏がデザインした、酵母の精霊がラベルに描かれています。色は綺麗な黄色。香りは南国の香り、トロピカルフルーツ。シャルドネですが、ボルドーブランの雰囲気すらあります。味は丸い酸、円やか、爽やか、旨味を感じて心地良い。

 

 

②シャルドネ・ニュイ・ブランシュ・ピアレス2014。色は①と似ていますが、やや硬質で緑のニュアンス。香りは甘くて蜂蜜の香り。ミネラルも感じて、①よりブルゴーニュに近い印象です。味は丸くて旨味十分、バランスが良い。ブルゴーニュより親しみやすい感じでした。

 

 

③はいよいよピノ・ノワール・イザベル2014。色は美しいルビー。ブルゴーニュよりも濃い印象です。香りはかぐわしい芳香、黒い果実、甘さ。とても複雑な香りです。味は綺麗で美味しい!シャンボール・ミュジニーなどとは異なるエレガントさ!酸もあるけど、バランスが良い。旨味の層の重なりが迫ってきますが、同時に線が細くて繊細。これは凄いワインです!

 

このワインの説明は、途中までジムさんがした後に、イザベルさんにバトンタッチ。イザベルさん、何と日本語での説明です!ソノマ、サンタバーバラなどいろいろな地域の美味しいぶどうをブレンドして作っているワイン。果実味を感じる真面目なワイン、とのことでした。とても貴重な機会!

 

実は私はこのピノ・ノワール・イザベルのヴィンテージ違いの2010年を持っています。後で、ジムさんに飲み頃を聞いたら、素晴らしいヴィンテージで、あと5~10年寝かせると良い、とアドバイスをいただきました。ジムさん、見た目がフィンランドの名指揮者、レイフ・セゲルスタムさんに似ていて好きなんですよね(笑)。

 

 

④からはクレンデネンファミリーのワインになります。まずピノ・ノワール・ル・ボン・クリマ2014。色は美しいルビー。香りは③よりブルゴーニュに近いか?味は円やかでこちらも非常に美味しい。ジムさんによると、特別な造り方をしていて、上手くいくと官能的なワインができるが、失敗するとそれこそヴィネガーになってしまう。タンニンがしっかりしているので、エイジングができる、とのことでした。

 

 

⑤ネッビオーロ・ブリッコ・ブオン・ナターレ・サンタマリア・ヴァレー2013。イタリアに行った時にネッビオーロに感激したことから、クレンデネンとして最初に作られたのは、このネッビオーロのワインとのことです。出荷するまでとても時間がかかるので、取引先の銀行からは「馬鹿だ!」と言われたそう(笑)。

 

色はピノ・ノワールよりも赤いルビー色。香りは線の細く、ほのかな果実の香り。味はエレガント、抜群に旨くて甘い!イタリアのネッビオーロよりも雑味がなくクリアでピュアなネッビオーロ。非常に繊細なワインです!思えばカリフォルニアのネッビオーロを飲むのは初めてでした。

 

 

 

オー・ボン・クリマの試飲会、非常に楽しめました!お持てなし攻撃はまさかのご本人登場ということで、もちろんピノ・ノワール・イザベル2014に。購入してサインをいただき、イザベルさんにも非常に喜んでいただけました。ちなみに、ご本人も一番好きなワインはイザベルだそうです。何だか、いろいろと凄かった試飲会でした!

 

 

(写真)オー・ボン・クリマ ピノ・ノワール・イザベル2014。イザベルさん(左)とジムさんのサイン入り。おそらくワインラヴァーにとって、垂涎ものの貴重な一本。家宝にします!