もう1人の今年が没後100周年のウィーンの芸術家とは、建築家のオットー・ワーグナーでした。ベルデヴェーレからすぐ近くのカールスプラッツにある、ウィーン・ミュージアム・カールスプラッツで、オットー・ワーグナーの没後100周年を記念した企画展をやっていたので観に行きました。
(写真)オットー・ワーグナー没後100周年記念展のスクリーン(ウィーン・ミュージアム・カールスプラッツ)
オットー・ワーグナーはウィーンを代表する建築家で、ゼセッション(ウィーン分離派)の中心人物の一人です。マジョリカハウスやヒーツィング駅、アム・シュタインホーフ教会など、洗練されたデザインの建築物は、今なおウィーンで輝きを放っています。その没後100周年の記念展、とても楽しみです。
中に入ると、Stadtmuseum am Karlsplatzの大きくて素晴らしい模型が出迎えます。全体的に洗練された建築物の模型や設計図の展示が多かったですが、中には水路だとか、都市計画の図面もあり、建築に留まらず、面的に広がる都市計画にまで携わっていたことが分ります。何と、壮麗な模様の素敵なピアノまでありました!
また、ゼセッションのメンバーの写真がずらっと並んだコーナーもあって圧巻でした!1910年の新聞に、フィッシャー・フォン・エアラッハ(オーストリアのバロックの著名な建築家。シェーンブルン宮殿やカールス教会を設計)から「自分の思う通りにやりたまえ。100年後に人々はそれを愛する。」というメッセージを受け取っている記事もありました。今でこそ称賛されているオットー・ワーグナーの建築ですが、当時は賛否もあったのかな?と思いました。
(写真)オットー・ワーグナー・パビリオン・カールスプラッツ
せっかくなので、流れで同じカールスプラッツにある、近くのオットー・ワーグナー・パビリオン・カールスプラッツにも足を運びました。ここはカールスプラッツ駅の入り口で、中にはワーグナー展示室があります。内容はウィーン・ミュージアム・カールスプラッツでの特別展をコンパクトにまとめたもの。特別展は昨日(7月10日)で終わってしまったので、建築が好きな方は、ここに観に行くと、オットー・ワーグナーの素晴らしい建築の数々を堪能できます。
(写真)エゴン・シーレが描いたオットー・ワーグナーの肖像画
これまでその建築物を、個々では楽しんできたオットー・ワーグナーですが、こうしてその優れた業績をまとめて俯瞰することができ、非常に貴重な機会でした!
そして、オットー・ワーグナーの建築物のウィーン市内の地図も購入しました。全部で27箇所!次回ウィーンに行った時に、まだ見たことのない、素敵な建築物を見に行くのがとても楽しみです!
(写真)ウィーンでオットー・ワーグナーが設計した建築物のマップ
さて、時間は限られましたが、この日のウィーン観光も十分に楽しめました。この後、GWの旅の行き先をどうしてウィーンにしたのか?その決定的な理由となったコンサートを聴きに行きました。
空前絶後の感動を体験して、間違いなく生涯で最も思い出に残るコンサートの一つ。次回の記事で!