ボルドーはメドック、マルゴー村で素晴らしいワインを造り続けている、シャトー・パルメの試飲会があったので参加してきました。
シャトー・パルメ スペシャルテイスティングイベント
(エノテカ銀座店)
①アルテ・エゴ・ド・パルメ2014
②ヒストリカル・ナインティーンス・センチュリー
③シャトー・パルメ2012
④シャトー・パルメ2006
⑤シャトー・パルメ2000
マルゴー村と言えば、最も有名なのはシャトー・マルゴー。繊細なワインで多くのファンを魅了しているシャトーです。シャトー・パルメはマルゴー村でそれに続く存在。特にメルロを多く使っているのが特徴です。
今回の試飲会に合わせて来日されたエクスポート・ダイレクターのダミアン・グルラさんのお話では、ジロンド河左岸でメルロを栽培するのは難しいが、パルメではシャトー名にもなっているパーマーさんが1931年からメルロの比重を多くしてきたため、河の近くのいい場所にメルロを植えてあるので、いいメルロが育つ、とのことでした。
①はパルメのセカンド。綺麗なボルドー・ルージュで縁は明るい色。香りは最初は野生の香りがしましたが、後に赤い果実、ヴァニラっぽい香り。味は最初はまだパツンパツンの印象でしたが、しばらくするとエレガントさも。丸いタンニン、細い後味、マルゴー村のワイン、という印象を持ちます。
②ヒストリカル・ナインティーンス・センチュリー。今回の試飲会の目玉です。このワインは、パルメの最高責任者トーマ・デューロさんが15年前にサンフランシスコで1869年の「パルメ・エルミタージュ」というワインを飲んだことから始めたもので、19世紀にはパルメにエルミタージュのシラーを混ぜたワインを造っていたのを復活させたものです。
色は①に似ていますが、やや薄い印象。香りはシラーが入っていることはあまり感じなく、パルメに似ていて、ヴァニラ香、果実の甘い香り。③を香った後だと、若干のスパイシーさを感じます。味はこなれていますが、甘々ではなく、酸味も。シラーを入れたことがどのように利いているのか、よく分らない、というのが正直な感想でした。それこそ、シャトー・コスデストゥルネルの方がよりスパイシーな印象を持ちます。
③シャトー・パルメ2012。①②より明らかに濃く、縁も非常に濃く、ハッキリしています。香りは甘い香りがグンと来ます。チャーミング、丸い、ヴァニラ香。味は甘くて、エレガント。柔らかくて繊細。きめ細かなタンニン。後から、苦みや複雑さを感じました。まだ寝かせた方がいいワインです。
④シャトー・パルメ2006。色は③に比べて、明らかに縁に茶が入っています。美しいグラデーション。香りは③より熟成、より深く、甘さも十分、バランスが良く、エレガント、丸い印象。味はバランスが良くて奥深い。円やかで旨味が十分。飲みやすく、透き通る甘さ。まだ12年しか経っていませんが、今飲んでも十分美味しく飲めると思います。
⑤シャトー・パルメ2000。グレート・ヴィンテージの2000年。色は④と同じですが、中央はやや薄くなって、熟成が進んでいます。香りは④より一段と熟成の雰囲気が出ていて、甘さや華やかさが前面に。非常にバランスが良い印象です。味は甘味は④ほどはなく、やや気難しさを感じます。後味にタバコのニュアンス。まだまだ熟成を必要としているワイン、という印象を持ちました。
ダミアンさんからは、エイジング・ポテンシャルは科学ではまだ解明できていなくて、グッド・サプライズとバッド・サプライズがある。ともあれ、ワインを楽しんで欲しい、とお話がありました。
シャトー・パルメのような偉大なボルドーのワインは頑張って買っても1本なので、開け時が難しいのです。今回、2012年、2006年、2000年の現在の状態を体感できたので、これを参考にして、自宅で大切に寝かせてあるパルメを、ぜひいいタイミングで開けてあげようと思います。
今回もおもてなし攻撃を検討しましたが、パルメということで値段が高く、私のお財布ではとても手の届かないレベルでした…。それでも他のお客さんはバンバン購入していて、世の中あるところにはあるんだな~、という印象です。いずれにしても、こうして経済が回ることはとてもいいことですね。
(写真)過去に1本もので楽しんだ偉大なシャトー・パルメから1989年。1980年代では1983年と双璧で素晴らしいパルメでした。あの頃はまだまだお値打ちでしたが、今はとても手がでません…。