素晴らしかったマリアツェル観光からウィーンに戻りました。この日、日中の行き先を「山」や「マリア(さま)」にこだわったのは、夜にサウンド・オブ・ミュージックを観るからでした。ウィーン・フォルクスオーパーで観るサウンド・オブ・ミュージック、めちゃめちゃ楽しみです!
VOLKSOPER WIEN
THE SOUND OF MUSIC
Musik von Richard Rodgers
Gesangstexte von Oscar Hammerstein II
Dirigent: Wolfram-Maria Märtig
Regie und Choreographie: Renaud Doucet
Bühnenbild und Kostüme: André Barbe
Lichtdesign: Guy Simard
Ton und Multimedia: Martin Lukesch
Choreinstudierung: Thomas Böttcher
Maria Rainer: Barbara Obermeier
Schwester Margarethe: Sulie Girardi
Schwester Bertha: Renée Schüttengruber
Schwester Sophie: Manuela Leonhartsberger
Mutter Oberin: Ulrike Steinsky
Kapitän Georg von Trapp: Axel Herrig
Franz: Georg Wacks
Frau Schmidt: Susanne Litschauer
Liesel: Vanessa Zips
Friedrich: Jonas Tonnhofer
Louise: Madleine Hogg
Kurt: Lorenz Pojer
Brigitte: Sophie-Marie Hofmann
Martha: Emma Westerkamp
Gretel: Gioia Fanciano
Rolf Gruber: Jakob Semotan
Elsa Schrader: Renate Pitscheider
Max Dettweiler: Thomas Sigwald
Herr Zeller: Nicolaus Hagg
Baron Elberfeld: Hermann Lehr
Baronesse Elberfeld: Manuela Culka
Admiral von Schreiber: Franz Waechter
Chor, Orchester und Komparserie der Volkoper Wien
Bühnenorchester der Wiener Staatsoper
(写真)購入した公演プログラムの表紙より。マリアの表情とポーズがとてもいい!
第1幕。冒頭は修道院のシーンから。修道女たちの敬虔な祈りの音楽が心に沁みますが、そこに「マリアはどこ~?」の声(笑)。そしてすぐに舞台展開。Barbara Obermeierさん演じるマリアが、ザルツカンマーグートの山の自然をバックに、あのテーマ曲「サウンド・オブ・ミュージック」を歌いながら踊る有名なシーン!何という感動!!!もう涙がみるみるうちに溢れます。昨日のアンドレア・シェニエでは、感動はしたものの、涙は第3幕のマデロンまでかかったところ、今日はものの3分です。はやっ!(笑)
(参考)ご存じ「サウンド・オブ・ミュージック」のテーマ曲
https://www.youtube.com/watch?v=5fH2FOn1V5g (2分)
※Rodgers and Hammersteinの公式動画より。最初の旋律でもう涙涙でした…。こちらは映画版のオープニング。
続いて、修道院長と3人のシスターの4重唱。よく見ると、シスターたちはコミカルな役柄のよう(笑)。そして、修道院長とマリアの2重唱。CMの「そうだ京都に行こう」でもおなじみの「私のお気に入り」。修道院長は真摯にマリアの相談に乗りますが、実はいろいろ人生経験を積んでいるような雰囲気。ドストエフスキー「カマラーゾフの兄弟」の高僧ゾシマを思い出しました。
いよいよ家庭教師としてトラップ家に遣わされるマリア。トラップ大佐は「ピーピピ!」っと、笛で7人の子供たちを管理しています。ドレミの歌のシーン、この歌一発でマリアが子供たちの心を掴む感動的なシーン!また涙涙です…。さりげなく対位法の練習も入っていました。
(参考)ご存じ「ドレミの歌」
https://www.youtube.com/watch?v=jITsImZdlMQ (2分)
※Rodgers and Hammersteinの公式動画より。映画版の映像。ザルツブルクや近郊の美しい景色も素晴らしい。
リーズルとロルフの若い恋人の2重唱「もうすぐ17歳」。初々しく楽しい曲ですが、何と、途中からはウィンナ・ワルツになって、2人でワルツを踊り始めます!さすが、フォルクスオーパーの上演!フォックストロットの音楽も軽快でいいですね。その後の「レイヨロ、レイヨロ、レッイッヨー!」のヨーデルの歌もとても楽しい。
そして、子供たちへの自由な教育を咎められ、トラップ大佐に「立ち去れ!」とマリアが言われてしまった時、子供たちがみんなで出てきて、主題歌「サウンド・オブ・ミュージック」を重唱のアカペラで歌って、マリアを留めるシーン!!!世の中にこんなに感動的なシーンが、いったいあるんでしょうか?もう涙止まらなくてボロボロです…。
子供たちが1人ずつ「おやすみなさい」を言って、寝室へいなくなる歌「さようなら、ごきげんよう」も楽しい。5歳のグレーテルが舌っ足らずな歌で可愛いのなんの(笑)。
結局、マリアは修道院に戻りますが、それはトラップ大佐への愛を感じて、修道院長に相談するためでした。ここで、修道院長がマリアに「自分の道を行きなさい!」と励ます歌「すべての山に登れ」を歌いますが、これがフォルクスオーパーの劇場全体に響き渡る、ど迫力の歌!
何この感動的な歌!!!
この歌、映画で聴いた記憶があまりなくて、全くの不意打ちをくらったのですが、めちゃめちゃ感動的な歌!もはや号泣するしかありません…。Ulrike Steinskyさんの素晴らしい歌で第1幕を終えました!
(参考)第1幕最後の修道院長の歌「すべての山に登れ」
https://www.youtube.com/watch?v=cVDSNhb_G2I (2分)
※Rodgers and Hammersteinの公式動画より。途中、「サウンド・オブ・ミュージック」の主題歌の旋律のヴァリエーションも入って、とてもいいですね!
第2幕。序曲はこれまで出てきた曲のメドレーです。ここでもフォックストロットの音楽が軽快で楽しい。子供たちはマリアがいなくなって、意気消沈です…。しかし、マリアが戻ってきてニッコニコ。そして、マリアとトラップ大佐との2重唱。お互いの愛を確かめ合います。続く結婚の場面はステンドグラスが美しい。めっちゃ喜ぶ子供たち。
(写真)プログラムに載っていた結婚式のシーン。子供たちが可愛い!
しかし、戦争の影が近づき、ロルフもナチスの紋章を付けて登場。リーズルとの仲も微妙に…。とうとう従軍の指令が来てしまい、トラップ大佐たちは、歌の大会に出るふりをして、脱出することを決意します。その歌の大会のシーンでは、ナチスの兵隊がフォルクスオーパーの客席に現れ、幹部もバルコニーに臨席して、ものものしい雰囲気に…。
歌の大会では、トラップ・ファミリーはドレミの歌を歌いますが、その後に、トラップ大佐の独唱でエーデルワイス!歌詞に反戦の想いが乗せられて、極めて感動的!最後の“Vaterland”(祖国)の歌詞にぐっと来ました!そして、優勝したものの、「さようなら、ごきげんよう」の歌を歌いつつ、トラップ・ファミリーは舞台から一人ずついなくなり、逃亡を図ります。
(参考)ご存じ「エーデルワイス」
https://www.youtube.com/watch?v=8bL2BCiFkTk (2分)
※Rodgers and Hammersteinの公式動画より。映画版。こちらはトラップ大佐が自宅で歌うシーン。
行き先は修道院。修道院長たちが、頑張ってかくまいます。しかし、探しに来たロルフにリーズルが見つかってしまいました!ナチス兵の「どうした?」に、ロルフ「何でもありません!」 ロルフ、GJ!しかし、それは同時に、リーズルとの哀しい別れでした…。
追っ手のナチス兵はひとまずいなくなりましたが、全ての道が監視されて脱出不可能との情報。しかし、ここでトラップ大佐が、「これまで山と共に生きてきた。山に活路を見出そう!」と力強く宣言!すると、舞台の背景に山の風景が広がり、照明が暗くなってトラップ・ファミリーが黒い影のシルエットとなり、みんなで手をつないで山に向かう感動のラスト!!!
そして、そこにトドメで、送り出す修道院長だけが客席に向かって、あの第1幕ラストのど迫力の歌「すべての山に登れ」を再び!!!
何この感動的すぎるラストシーン!!!!!
もう涙腺が爆発したかのごとく、涙が止まりませんでした!と言うか、いまこの記事書いていて、涙が溢れて溢れて仕方ありません…。フォルクスオーパーのサウンド・オブ・ミュージック、素晴らし過ぎました!!!
(参考)こちらは映画の感動のラストシーン。実はここでも「すべての山に登れ」が合唱で歌われていました!
https://www.youtube.com/watch?v=jvDFoF9sfQA (1分)
※Rodgers and Hammersteinの公式動画より
(写真)翌日の朝が早いので、終演後のレストランは控えましたが、ちゃんとザルツブルクのビール(Stiegl)は飲みましたよ。こういう儀式はキチンとしなければいけません(笑)。