ボルドーの2015年のワイン39種類を試飲できるという、夢のような試飲会が開催されたので参加して来ました。

 

 

ボルドーワイン・エクスペリエンス 2015 Vintage

全35種類以上 最新のシャトー蔵出しワインを一挙飲み比べ

(エノテカ広尾店)

 

(試飲ワインリスト ※Châteauは省略)

 

[SAINT ESTEPHE]

Calon SegurCos d'EstournelLes Pagodes de CosLes Ormes de Pez

 

[PAUILLAC]

Clerc MilonD'ArmailhacDuhart MilonGrand Puy LacosteLynch BagesPichon LalandePontet Canet

 

[SAINT JULIEN]

Branaire DucruGloriaGruaud LaroseTalbot

 

[MARGAUX]

Brane CantenacGiscoursDIssanRauzan SeglaTertre

 

[HAUT MEDOC]

CantemerleSenejac

 

[PESSAC LEOGNAN]

Domaine de Chevalier BlancDomaine de Chevalier RougeHaut BaillyHaut BrionClarence de Haut BrionLa Chapelle de la Mission

 

[BORDEAUX]

Croix Mouton Grand Village

 

[PREMIERS COTES DE BORDEAUX]

Mont Perat Rouge

 

[POMEROL]

HosannaDe SalesLa Fleur PetrusLa Grave a Pomerol

 

[SAINT EMILION]

Belair MonangeFigeacLe Dragon De Quintus

 

[BARSAC]

Doisy Vedrines

 

 

 

この試飲会は、ボルドーの2015年が2009年・2010年以来のグレート・ヴィンテージとなったことを受けて、日本のワイン・ラヴァーにその素晴らしさを体感してもらうためのイベントです。試飲会にはよく参加していますが、これだけの規模の試飲会は初めて、非常に楽しみにして行きました。

 

私は試飲会ではブルゴーニュ、イタリア、カリフォルニアのワインの試飲会によく行っていますが、それはあまり詳しくない、というのも理由の1つです。今日のボルドーは一番好きな地域で、これまでメインで飲んできたワインたち。メドック(上のリストだとSAINT ESTEPHEHAUT MEDOCの5地区)の格付け61シャトーも全てボトルで飲んでいます。

 

今日は①グレート・ヴィンテージと言われている2015年を体感し、将来楽しむワインを購入すること、②地区の違いを体感すること、③地区の中でのシャトーの違いを体感すること、以上3点を目的に参加しました。

 

39種類で、1杯30mlなので、全て飲むと39×30=1,170mlとボトル1本半になります。私の1日の許容量はボトル1本まで。全部飲むと大変なことになるので(笑)、ポイントを絞って、量も調整しながら、試飲を進めました。時間も2時間と限られるので、詳しい感想はやめ、印象もポイントだけです。

 

その結果、以下のような感想を持ちました。

 

 

(1)2015年のボルドーはグレート・ヴィンテージ!

飲むワイン、飲むワイン、素晴らしい出来でした!凝縮感がもの凄いワイン、強い甘味を感じるワイン、エレガントなワインといろいろですが、総じてレベルが極めて高いです。左岸も右岸も素晴らしい、つまりは、カベルネ・ソーヴィニョンもメルロも傑出しています。しっかりと熟成させてから飲むべきワインだと思います。

 

なお、ボルドーの場合、グレート・ヴィンテージだけでなく、並のヴィンテージでも素晴らしく、例えば、昨年開けた中小シャトーの20年ものとなる1997年も抜群に良かったです。つまりは、基本的にどの年も素晴らしく、熟成によって真価を発揮するワインたちだと思います。

 

 

(2)特に2015年はマルゴー村のワインが素晴らしい

マルゴー村の5つのシャトーがエレガントで甘くて非常にレベルが高かったように感じました。特にローザン・セグラ、ジスクール、ディッサンが傑出していたと感じました。この村のトップ銘柄、シャトー・マルゴーの2015年に最高の評価がなされているのもとても頷けます。

 

 

(3)既に購入したワインがとても良くてホッとした(笑)

試飲会で確認してから購入した方が確実ですが、あまりに評価が高くて、その前にワインが売り切れてしまうことが時々あります。今回、2015年の評価が高かったので、長期保存の後に楽しむワインとして、久しぶりに早めに購入していたワインがありました。シャトー・ピション・ラランドとシャトー・オザンナです。どちらも様々な要素が高いレベル、バランス良く、完成度の高いワイン。ホッとしたところです。

 

(参考)2017.11.19 シャトー・オザンナ1999

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12330299723.html

 

 

(4)地区の違い、シャトーの違いなど

シャトーによって違いもありますが、大まかには、サンテステフはエレガント、ポイヤックはスケールの大きさ、サン・ジュリアンはバランスの良さ、マルゴーは丸くて線が細い、グラーヴは土っぽい、ポムロルとサンテミリオンはメルロによる甘さ、と、それぞれのテロワールの違いを見て取れました。(サンテステフはもっと土っぽい印象を持っていたので、シャトーの個性かも知れません。)

 

面白かったのが、そのサンテステフのシャトー・カロン・セギュールとシャトー・コス・デストゥルネル。カロン・セギュールのエレガントな香りに対して、コス・デストゥルネルは明らかにスパイシーでエキゾチックな香り!一説には、シラーを混ぜているんではないか?という冗談すら囁かれるコスですが、一際存在感を放っていました。

 

また、ポイヤックのシャトー・ピション・ラランドとシャトー・ポンテ・カネ。ピションの様々な要素が調和したバランスの良い甘さに対して、ポンテ・カネはほとんど修行僧を思わせる(笑)、生真面目で固い香り。ポンテ・カネやモンローズは若い内はカチンコチンですが、20~30年寝かせれば、きっと信じられないくらいに傑出したワインとして花開くでしょう。

 

そして、シャトー・オーブリオン。ボルドーはメドックの5つの1級ワインの1つ、いわゆる5大シャトーです。最高の評価がついた2015年のオー・ブリオンですが、試してみると、非常に土っぽい香り、ほとんど土埃の塊を嗅いでいるかのよう(笑)。味はバランスが良くとても繊細です。きっとこれから伝説を作っていくことでしょう。

 

 

 

さて、今回の大規模な試飲会に合わせて、6つのシャトーから7名のオーナーやマネージャーの方々が来日されました。途中にプレゼンテーションがあり、どの方のプレゼンもワインへの愛情が感じられてとても良かったですが、特に感銘を受けたのが、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのオーナー、オリヴィエ・ベルナールさんのプレゼン。非常にハッキリとした、分かりやすい英語でプレゼンし、ユーモアも交えて、参加者の心をグイグイ掴みます。こういうのは英語のプレゼンだけでなく、普段の日常的なコミュニケーションも含めて、本当に参考になります。

 

 

せっかくの機会なので、私も7名のフランスからのゲストとやりとりをしました。全て過去に飲んだことのあるシャトーなので、◯◯年を飲んだことがあり素晴らしかった、◯◯年を持っていますが、いつ開けたら良いでしょうか?、など会話のネタに困ることはありません。基本は英語、フランス語も1/3くらい交えてのやりとりです。私のフランス語は旅行会話に毛が生えたくらいで非常に怪しいですが(笑)、これまでの経験からすると、少しではあっても、会話にフランス語を交えると、フランスの方は好感を持っていただけることが多いです。

 

このイベントに向けて、仏検の単語集で少しフランス語の復習もしましたが(単語だけでなく、よく使う例文が1つ2つ載っていてとても便利)、先週土曜のラザレフ/日フィルのストラヴィンスキー/ペルセフォーヌでのドルニオク綾乃さんのナレーションのフランス語、昨日にモーリス・ブルグさんのプレトークで聴いたフランス語がとてもいい訓練になりました。なぜか、シャトー・オーバイィのダイアナ・ポーランさん、シャトー・ランシュ・バージュのマリーナ・カーズさんとだけ長めにお話した理由は秘密ということで(笑)。

 
 
 

さて、今回のおもてなし攻撃(ゲスト生産者のワイン購入による来日への敬意表明活動)は、来日されたゲストのワインを全部買うと破産してしまうので、最もコスパが良いと思われた、シャトー・ジスクール(マルゴー)にしてみました。ぜひ2035年頃に開けたいと思います!

 

 

 

(写真)素晴らしかったシャトー・ジスクール2015。ジェネラル・マネージャーのアレクサンダー・ヴァン・ビークさんのサイン入り。