歴史的快挙、素晴らし過ぎたシルヴァン・カンブルラン/読響のメシアン/アッシジの聖フランチェスコの日本初演。この偉業を讃えるべく、終演後の余韻のもと、ワインを楽しんできました。

 

どのワインが相応しいか?いろいろ考えましたが、「神への賛美」「宗教」「初演」のキーワードから、シャトー・オザンナ1999にしました。ボルドーはポムロル地区の、シャトー・ペトリュスで有名なジャン・ピエール・ムエックス社の造るワイン。オザンナ(Hosanna)とは「賛美」の意味。クラシックの宗教曲でも歌詞によく出てきますね。神への賛美、オペラの内容からすると良さそうです。

 

1999年はこのシャトーの初ヴィンテージです。以前、試飲会の機会にシャトー蔵出しで購入して、15年くらい大事に大事に熟成させてきた1本。日本初演となる公演を讃えるべく、初ヴィンテージの記念のワインをこの機会に投入しました。

 

 

色は濃く綺麗な赤紫色。縁に茶色やオレンジは見えず、薄くすらなっていません。ええ!?ポムロルは1998年と2000年がグレートヴィンテージで、1999年はごく普通のヴィンテージと記憶していたので、18年ものなのに、こんなにまだ若々しいのは意外でした。このシャトーのぶどうや造りのポテンシャルの高さを感じます。ただ、赤紫でも紫の要素は少なかったので、それなりには熟成しています。

 

香りは素晴らしいの一言!ポムロルの甘い魅惑的な香りが満開です。十分楽しめますが、タイミングはやはり若干早めの印象。もう5年ほど寝かしたら、ドンピシャのような気がします。飲み始めからかなり香りますが、終盤になるとますます強くなり、それこそツーンと香って、鼻の香りのセンサーを振り切るくらい。ブルゴーニュではたまにありますが、ボルドーでここまで香るのも珍しい。枯葉のニュアンスもほんの少し入りますが、メルローが綺麗に熟成した甘い香りでいっぱいでした。

 

味は旨味と甘みが前面に出て、熟成によるほのかな心地良い苦味、十分こなれています。非常に複雑かつバランスの良い味です。酸味やタンニンはほとんど感じません。香りに比べると、いま十分飲み頃という感じでした。とにかく美味しいワイン!あと5年熟成させるのが良さそう、10年でも行けると思います。

 

 

メシアン/アッシジの聖フランチェスコの日本初演の後に開けるに相応しい、祝祭感溢れる素晴らしいワインでした!カンブルランさん、読響、歌手、合唱のみなさまほか、この公演の準備に携わられた多くの関係者のみなさまに大いなる敬意を表して杯を傾けました。大大大成功、本当におめでとうございます!そして、心より、ありがとうございました!

 

 

(写真)シャトー・オザンナ1999。ラベルの上は社長のクリスチャン・ムエックスさんのサイン。白髪が素敵な、ダンディを絵に書いたような方で大ファンです。そう言えば、今日の指揮台の上で輝いていた方も!カンブルランさん、本当にありがとうございました!