3月末になり、働いてきた年月がまた1年増えました。同期の友人とこの1年間のお互いの健闘を称え、その頑張りを慰労するため、ちょっといいワインを開けました。

 

Château Cheval Blanc(シャトー・シュヴァル・ブラン)。大いなる憧れを抱く言葉です。「白馬」を意味するフランス語の響きも素敵ですが、その名前にピッタリな、しなやかでエレガントなワイン。カベルネ・フランの比率が高いことが特徴です。ボルドーはメドック、サンテミリオンの逸品。ボルドーを、いや世界を代表する珠玉の赤ワインです。

 

シュヴァル・ブランは昨年11月の試飲会で2003年と2012年を試す機会がありました。素晴らしかったことは言うまでもありませんが、一方で、もっと熟成させた方がより一層良くなるとも思いました。

 

(参考)2017.11.10 シャトー・シュヴァル・ブラン&シャトー・ディケム スペシャルテイスティング

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12327332519.html

 

 

ヴィンテージは1998年。ボルドー右岸のグレート・ヴィンテージです。今年でちょうど20年。1999年にプリムール(ワインが店頭に出る前の先物買い)で購入し、大事に大事に寝かせてきた一本。私はボルドー右岸の優良年は20年を飲み頃の目安と考えているので、このタイミングで開けることにしました。

 

 

色はまだまだ若々しくも、年数を重ねてきて、こなれた雰囲気も感じる美しいボルドー・ルージュ。縁にまだ茶色は入っていませんが、若干淡くなっています。一方、中央の質感にはまだまだ凝縮感を感じます。ボトルの最後の方では、タンニンもそれなりに確認されました。

 

香りはもう素晴らしいの一言!甘さ、ヴァニラ香、熟した果実の香り、スーボワの香り、複雑さ、熟成感、などなど、いろいろな要素が渾然一体となってうわっと迫ってきます。ミステリアスで、何と形容したら良いか、すぐには思い付かない独特な香り。鼻のセンサーを振り切るような力強い香りです。もともとのワインのポテンシャルに加え、20年の熟成はワインをとんでもない高みへと誘い(いざない)ます。

 

味はこれまた複雑なもの!甘さも十分感じますが、いろいろな要素が混ざった複雑さ、構築感を感じます。ただ、ラトゥールのようなガッチリした感じではなく、しなやかさも十分に感じます。重厚なエレガントさ、と言った趣き。ゴージャスでエキゾチック。凝縮感がもの凄く、口の中に旨味がこれでもかと広がります。極めの細かいタンニンもほんのり感じ、後味には若干ですが独特の苦みを感じます。メインでいただいたお肉にももちろん合いましたが、特にタケノコに抜群に合いました。

 

 

シャトー・シュヴァル・ブラン1998、超絶に素晴らしい偉大なワインでした!元々のポテンシャルの高さは分かっていましたが、20年経って年輪を刻んで、ものの見事な成長ぶりです。私もこんな風にいい感じで歳を重ねていくことを目指そうと強く思いました。今飲んで十分素晴らしいですが、あと10年は美味しく飲めると思います。

 

 

仕事をする限りは大変なことや辛いこと、嫌なこと、多々ありますが、また4月からも頑張って働いていこう、そういう前向きな気持ちになれました。偉大なワイン、そして素晴らしい友に感謝です。

 

 

(写真)素晴らしかったシャトー・シュヴァル・ブラン1998。この派手なところのない、格調の高いラベルも大好きです。