朝からウィーン少年合唱団の素敵なモーツァルトを聴いて、非常に清々しい気持ち。それではウィーンのまちを楽しみましょう。

 

まず向かったのが、プルンクザール。オーストリアの国立図書館です。一昨日29日にメルク修道院の図書室に魅了されたので、ここにもぜひ行こうと。ここは世界で一番美しい図書館と言われています。

 

 

(写真)世界で一番美しい図書館、プルンクザール

※購入した絵葉書より

 

 

(写真)プルンクザールの入り口

 

中に入りました。歴史的な雰囲気のある図書館の中に非常に価値のありそうな本がビッシリ並んでいて、正に壮観という言葉しか思い浮かびません!フィッシャー・フォン・エルラッハ親子の設計・建築、マルティン・ルターの膨大な蔵書もあるそうです。高いところの本を取るための趣のある階段やはしごがあったり、偉人たちの彫刻が並んでいたり、大きな地球儀が4つ置かれていたり、この図書館自体が一大美術作品のように思えます。さらに、上の写真でも一部見えますが、高い天井には見事なフレスコ画が描かれています。

 

さてこのフレスコ画ですが、ただのフレスコ画ではありません。昨日30日にウィーン・フィルのプレヴューコンサートで聴いた2曲目、ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ「ウィーンのフレスコ画」とは、実はこのプルンクザールのフレスコ画のことなんです!ダニエル・グラン作の美しく、温かみのあるフレスコ画。音楽を実際に聴いた上で観ることができ、めちゃめちゃ感激しました。

 

(参考)2017.12.30  リッカルド・ムーティ/ウィーン・フィルのプレヴューコンサート

https://ameblo.jp/franz2013/entry-12343840198.html

 

 

また、プルンクザールは館内でよく企画展をやっていますが、今回は“300 JAHRE FREIMAURER Das wahre Geheimnis”展をやっていました。これはウィーンでフリーメイソンが始まってから300周年を記念した展示で、ウィーンにおけるフリーメイソンの活動やフリーメイソン全体のことについての展示がありました。フリーメイソンは言葉は耳にしますが、実際どのようなものかなかなか分からないので、とても貴重な展示です。

 

 

(写真)“300 JAHRE FREIMAURER Das wahre Geheimnis”展のポスター

 

特に気になったのはやはりモーツァルトの関連。Johann Georg Kronamenというフリーメイソンの方のフリーメイソンの交流のためのFriendship Albumにモーツァルトが記帳していますが、“Patience and tranquility of Mind contribute more to care our Distempers as the whole art of Medecine”という言葉を残しています。なかなか意味深な言葉です。

 

また、魔笛の舞台のシーンの展示があったり、フリーメイソンの著名人の名前が並んでいたり(作曲家だと、ハイドン、モーツァルト、ミレッカー、ツェムリンスキー、シベリウス、ガーシュウィンなど)、大変興味深い展示でした。

 

 

プルンクザールに入ったのは今回で3回目ですが、ワルツ「ウィーンのフレスコ画」や映画「薔薇の名前」のこともあって、私にはとても思い出深い場所になりました。

 
 
 

 

(写真)ところで、プルンクザールの道路を挟んで向かいにはこんな家が。この景色、観たことのある方もいらっしゃるかも?さて、この家は何でしょう?(答えは本記事の最後に)

 

 

 

(写真)アルベルティーナ。ウィーン国立歌劇場の斜め向かいにあります。

 

次に、アルベルティーナに行きました。ここはいつも大規模な絵画の企画展をやっているので、ウィーンに来た時は必ず観に行くところです。今回はラファエロ展をやっていました。ラファエロの代名詞である、聖母マリアと幼子イエスの美しい絵が5点くらい展示されていて魅了されました。後はデッサンが数多く展示されていました。特に私が印象に残ったのは、4大予言者の内の1人エゼキエルが見た、「エゼキエルの幻視」という作品でした。

 

 

(写真)ラファエロ/エゼキエルの幻視

※購入した絵葉書より

 

 

アルベルティーナは常設展示もあります。特にウィーンならではということで、ウィーン幻想派のルドルフ・ハウズナー/Adam 1+2=Adam to scale、ウォルフガング・フッター/Arraival of the Flowerなどの作品に唸りました(絵葉書はありません)。1992年にBunkamuraのザ・ミュージアムでウィーン幻想派展が開催された時に、どストライクな内容に狂喜乱舞して観たのを思い出しました。

 

その他、ルネ・マグリット/The Enchanted Domain、パウル・クレー/Spellbound Lightning、エドヴァルド・ムンク/Winter Landscapeなどの作品に惹かれました。オスカー・ココシュカやルドルフ・キルヒナーの作品もいろいろ楽しめます。特に、大好きなベルギーのシュールレアリスムの画家ポール・デルヴォー/ランタンのある風景、には非常に魅了されました。観れば観るほど、本当に不思議な絵です。

 

 

(写真)ポール・デルヴォー/ランタンのある風景

 

(写真)パウル・クレー/Gebannter Blitz。コメントでpmds90|80さんからパウル・クレーについて言及があったので、追加掲載しました。この絵の名前は日本語訳が見当たりません。「禁じられた稲妻」辺り?

 
 

旅先で全く準備や先入観なしに1枚1枚の絵画と対峙するのは、新鮮だったり、好きな絵を見つけたり、思わぬ発見があったり、本当にいいものですね。(続く)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(回答)プルンクザールの道路を挟んで向かいにある、女性の像が4体ある印象的な入り口の家はパラヴィチーニ宮、映画「第三の男」のロケが行われた場所です。映画中、この景色が印象的に何度か出てきます。お化粧されて、女性の像は白く綺麗になりました。
 
「第三の男」と言えば、あのツィターの音楽。タララララン、ララン、チャン!~♪ 今回、ウィーン・フィルのプレヴューコンサートのワルツ「ウィーンの森の物語」でツィターを聴けたのは、本当に感慨深かったです。