秋のコンサート&オペラのラッシュでタイミングを逸したり、仕事で時間がなかったりで、結局2ヶ月以上かかりましたが…、前回のブロムシュテット/ウィーン・フィルのR.シュトラウス&ブルックナーの記事を持って、夏の旅行記の活動記録は終了しました。

 

今回は、旅のまとめと振り返り、今後に向けてについて、個人的な備忘録として書きます。

 

 

(1)旅のまとめ

 

今回の旅程をまとめると以下の通りです。 

 

8月11日(金・祝)

(フライト)

○エーベルバッハ修道院観光(薔薇の名前&修道院ワイン)

○ヴィースバーデン観光(ブラームスが交響曲第3番を書いた家&ラインガウ・ワイン祭り)

○エルトヴィレ観光(薔薇のまち&グーテンベルク)

○ユリア・レージネヴァ/カペラ・ガベッタ@エーベルバッハ修道院(ラインガウ音楽祭)

 

12日(土)

○ライン川観光(ライン川の川下り&ローレライ)

○コブレンツ観光(ドイチェスエック&ラインガウとモーゼルのワイン)

○アスマンスハウゼン夕食(シュペート・ブルグンダーとゲーテの詩)

 

13日(日)

○アスマンスハウゼン観光(木組みの家&シュペート・ブルグンダーのぶどう畑)

○ニーダーヴァルト観光(ゲルマニアの女神像)

○リューデスハイム観光(ブレムザー館の自動演奏楽器コレクション&ドロッセルホーフ)

(リューデスハイム→バイロイトへ移動)

 

14日(月)

○バイロイト観光(ヴァーンフリート&ワーグナー博物館)

○ワーグナー/パルジファル(バイロイト音楽祭)

 

15日(火)

○ニュルンベルク観光(ニュルンベルクのマイスタージンガーの舞台を巡る旅)

○ワーグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー(バイロイト音楽祭)

○ニワトコのリキュールとニワトコのモノローグ

 

16日(水)

○ホーフ観光(伝説のソーセージ売り&テレジエンシュタイン市民公園)

○ワーグナー/トリスタンとイゾルデ(バイロイト音楽祭)

○薔薇のリキュール

 

17日(木)

(バイロイト→ザルツブルクへ移動)

○ザルツブルク観光その1(ミラベル庭園&ヴァルカン・グリル・ヴァルター)

○モーツァルト/皇帝ティートの慈悲(ザルツブルク音楽祭)

○ザルツブルク観光その2(モーツァルトクーゲルンのフュルスト&大聖堂オルガン)

○アルバン・ベルク/ヴォツェック(ザルツブルク音楽祭)

 

18日(金)

○ツェル・アム・ゼー観光(シュミッテンヘーエ&皇妃エリーザベト)

○ヘンデル/アリオダンテ(ザルツブルク音楽祭)

 

19日(土)

○ザルツブルク観光その3(大聖堂&モーツァルトの住居)

○カリディス/アヴデーエワ/ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団のモーツァルト・マチネ(ザルツブルク音楽祭)

○ザルツブルク観光その4(ギャラリー&美術展&ザンクト・ペーター教会)

○ヴェルディ/アイーダ(ザルツブルク音楽祭)

 

20日(日)

○ブロムシュテット/ウィーン・フィルのR.シュトラウス/メタモルフォーゼンとブルックナー7番(ザルツブルク音楽祭)

(フライト)

 

 

音楽は、オペラ(楽劇など含む)7回、コンサート3回、どれも素晴らしい公演でした!特にパルジファル、ニュルンベルクのマイスタージンガー、ヴォツェック、アイーダ、ブロムシュテット/ウィーン・フィルは生涯忘れられない公演になりました。ユリア・レージネヴァさんの歌とアリオダンテでヘンデルにも惹かれました。また、初めて体験したラインガウ音楽祭がとてもレベルが高いことに驚きました。今後も頼もしい選択肢となるでしょう。

 

まちは11のまちを巡りました。リューデスハイム、アスマンスハウゼンなど、前半のライン川沿いのまちは初めて訪れることができて、とても良かったです。ライン川の川下りで通り過ぎたバッハラッハやボッパルトなどの素敵なまちにも、いつかぜひ行ってみたい。ホーフとツェル・アム・ゼーは予想外のサプライズもあってめっちゃ楽しめました!バイロイト、ニュルンベルク、ザルツブルクを深掘りできたのも嬉しかったです。

 

お酒や食事もいろいろと楽しめました。特に、いろいろ試したラインガウのリースリング、アスマンスハウゼンのホテル・クローネでの夕食(シュペート・ブルグンダーのワイン)、バイロイトでのニワトコと薔薇のリキュール、ザルツブルクでのアイーダの後の食事とワイン(特にルチアーノ・サンドローネのワイン)は思い出になりました。ビールも毎日のように飲みましたが、やはりシュミッテンヘーエ山頂でのアルプスの山々の眺望を楽しみながらのビールが最高でした(笑)。食べ物では、やはりホーフの伝説のソーセージ売りによる、茹でソーセージのホットドックが素晴らしかったです!

 
 

(2)旅の振り返り

 

(良かった点)

 

旅程をいい感じで組めたこと

 

バイロイト音楽祭はまだ観ていなかったワーグナーの後半の3作品を、ザルツブルク音楽祭はオペラとコンサートをほどよく織り交ぜて、旅程を組むことができました。ザルツブルクはショスタコーヴィチ/ムツェンスク郡のマクベス夫人の公演もあり、今回日程が合わなかったのは残念でしたが、逆に、そんなに積極的ではなく観に行ったヘンデル/アリオダンテがヒットしたのは望外の喜びでした。

 

それと初日(8月11日)のラインガウ音楽祭のエーベルバッハ修道院でのコンサートのこと。実はこの旅行、当初は12日(土)のフライトを取っていたのですが、フェスタ・サマーミューザのチラシを見て、11日(金)が山の日で祝日だということに初めて気付いて(笑)、フライトを取り直して、そのおかげで聴きに行けたコンサートでした。

 

その流れでエーベルバッハ修道院にちなんだ映画「薔薇の名前」を観て感動したり、本の重要性を再認識してアスマンスハウゼンでゲーテの詩を楽しんだり、旅程に1日余裕ができたので、ヴィースバーデンにブラームス3番の家を見に行ったりと、いろいろと発展しました。本当に何が幸いするか分かりません。

 

現地でイベントや意外な観光スポットを見つけて柔軟に楽しめたこと

 

旅行は事前に下調べするのも楽しい作業ですが、現地で偶然イベントに出逢ったり、意外な観光スポットを見つけたり、予想以上にはまったりすると、より感動できます。

 

今回は、ヴィースバーデンでのラインガウ・ワイン祭、アスマンスハウゼンのシュペート・ブルグンダーの珍しいアウスレーゼ、リューデスハイムのブレムザー館の自動演奏楽器コレクション、ニワトコのリキュールとの偶然の出逢い、ホーフの実はドイツで一番美しい公園だったテレジエンシュタイン市民公園、ザルツブルクの大聖堂のヴォーン・ウィリアムズ「未知の世界へ」に似たオルガン、ツェル・アム・ゼーでのノーマークだった皇妃エリーザベトとの出逢い、ザルツブルクのモーツァルトの住居で聴いた2台のオルガンによるメルヘンの極みの魔笛、ザルツブルクの素晴らしいギャラリーや企画展などなど、様々なサプライズのあった旅となりました。

 

現地の方と楽しく交流が持てたこと

 

今回の旅では、特に意識した訳ではないですが、現地の方や同じ旅人と楽しく交流を持てた機会が多かったです。

 

コブレンツでは黒人のカップルが結婚式を挙げていて祝福したり、バイロイトのパルジファル観劇で隣の席のミュンヘンから来られたマダムと沢山話し込んだり、ニュルンベルクではニワトコかどうか確認するため現地のマダムに話しかけたり、ホーフでは伝説のソーセージ売りのお兄さんとのコミュニケーションを楽しんだり、ザルツブルクのカフェ・フュルストでは観光客の方に対して何故かテーブル・ホストを務めたり(笑)、などなど。

 

旅行中の現地の方や旅人とのちょっとした交流は楽しいものですし、思い出に残ります。これからも積極的に交流してみようと思いました。

 

 

(反省点)

 

観劇に傘を持って行かず、帰りにずぶ濡れになったこと

 

バイロイトのニュルンベルクのマイスタージンガーの日でしたが、ニュルンベルクを観光した午前中や祝祭劇場に行く前は全然晴れていたのですが、終演後の帰り道でポツポツと降り出し、途中、雷を伴う豪雨になりました!お店の軒先で雨宿りを30分くらいしましたが、なかなか止まず、結局最後は意を決してダッシュしましたが、濡れ鼠になりました…。他の観客のみなさまも同様で、中にはタキシードをバッチリ決めたカッコイイ男性が豪雨の中をびしょ濡れになりながら猛スピードで走って行くのを見かけて、さながら007のワンシーンのようでしたが(笑)。

 

ザルツブルクのアイーダの後の遅い食事の後にも少し降られました。ヨーロッパの音楽祭では、夜に急に雨が降ることは、これまであまりなかったように思いますが、気候のパターンが少し変わってきているのかも知れません?雨に濡れて風邪を引いてしまったら、旅行の楽しみも半減します。用心で傘を持って行くに越したことはないですね。

 

写真のメモリーの容量が足りなかったこと

 

今回の旅では写真を1,250枚撮りました(ブログは250枚くらいなので、2割くらいアップした形です)。しかし、ツェル・アム・ゼーのアルプスの山々の絶景に喜んで写真を撮りまくった結果、途中で、メモリーの容量をオーバーしてしまい、泣く泣く写真を一部捨てる羽目になりました…。

 

捨ててしまった写真ももったいないですが、旅の途中なのに、それを選別している時間があまりにももったいない。作業が間に合わなかったので、ツェル湖の写真は仕方なくスマホで撮りました。次回の旅の際にはデジカメの容量を増やして臨みたいと思います。

 

ピアノを弾かなかったこと

 

これは今思い返しても後悔のしきりですが、リューデスハイムのブレムザー館の自動演奏楽器コレクションで、ガイドのマダムから勧められたのにも関わらず、みすみすベヒシュタインを弾く機会を逃してしまいました…。サンプルで自動演奏のあった愛の夢でなくても、リストでなくても、何でもいいので、何か弾けば良かったと本当に惜しいことをしました…。

 

いつ何時こういうことがあるか分からないので、ピアノでよく弾かれる作曲家の曲は、どんな弾きやすい曲でもいいので、できれば1曲はいつでも弾けるようにしておきたい、と思ったところです。

 
 

 (3)今後に向けて

  

ドイツ語を勉強すること

 

今回の旅ではドイツ語ができたらもっと楽しめたのに、と悔しい思いをした場面が多々ありました…。特に残念だったのが、バイロイト音楽祭のニュルンベルクのマイスタージンガーで、各幕の最初スクリーンにドイツ語の説明が出てきたのに、十分読み取れなかったこと。そして、ブロムシュテットさんを讃えるウィーン・フィルの事務局の方のスピーチを十分に聞き取れなかったことです。

 

大学の第二外国語がドイツ語だったこともあり、旅行での簡単なやりとりぐらいであれば、なんちゃってドイツ語(笑)で何とかなりますが、ここはしっかり勉強せねばと強く思いました。

 

ということで、10月からNHKのラジオとテレビのドイツ語講座を始めました!どれだけ強化できるか全く分かりませんが、少しはより楽しめるようになれればと思います。”Ich bin. Sie sind.” ”das des dem das” ”Ich liebe dich.”(笑)

 

薔薇とアルプスの高山植物の種類を覚えること

 

今回の旅では、エルトヴィレ、エーベルバッハ修道院、ザルツブルクなどで素晴らしい薔薇の花の数々を楽しむことができました。また、ツェル・アム・ゼーの山登りでは、アルプスの可愛らしい高山植物や花を楽しむことができました。

 

ただ、薔薇は「赤い薔薇」とか「小さくて可愛い薔薇」というのは分かっても、薔薇の種類までは分かりません。アルプスの高山植物も、エーデルワイスやアルペンローゼ、エンツィアンなどは分かりますが、その他に沢山の種類があります。いつかまたアルプスの山をハイキングした時に、名前がすぐに分かるように、ここは日本にいるうちに勉強しておきましょう。

 

もっと映画を観ること

 

今回、エーベルバッハ修道院をより楽しむために、旅の前に映画「薔薇の名前」を観ましたが、久しぶりに映画を観て、その素晴らしさを改めて実感しました。

 

最近は、映画館でもDVDでもほとんど映画を観ていませんが、渋谷のBunkamuraができた当時は、ル・シネマには頻繁に通っていました。特に好きだったのは、パトリス・ルコント監督の作品(「髪結いの亭主」「タンゴ」「大喝采」)、エマニュエル・ベアールさんの作品(「美しき諍い女」「愛を弾く女」「とまどい」)、芸術もの(「恋するシャンソン」「クリムト」「カルメン」)などでした。フランス映画が多かったので、その流れで、フランソワ・トリュフォーとエリック・ロメール、両監督の作品はほとんど観ました。

 

普段、コンサートやオペラを追いかけているので、なかなか映画を観る時間がありませんが、時間を見つけて、名作映画と言われるものでまだ観ていないものや、キラリと光る新作映画など、また楽しんでいければと思いました。

 

 

 

以上、旅のまとめと振り返り、今後に向けてをもって、今回の旅行記を終了します。長い期間に渡って、遅々として進まなくて、長文で読むのが大変で本当に恐縮でしたが、それでもご覧いただけたみなさまには本当に感謝いたします。もし、みなさまのご旅行や普段の生活に少しでも参考になれば嬉しいです。読んでいただきまして、本当にありがとうございました!

 

 

 

 

(写真)今回の旅のお土産。ワインは空港で買ったエーベルバッハ修道院の紅白のワイン。エーベルバッハ修道院のグラスは修道院で買って、大事に大事に運んで何とか無事に持ち帰ることができました(笑)。そして、思い出のニワトコのリキュール(右)!ニュルンベルクのマイスタージンガーの公演があったら、アフターで楽しみたいと思います。