先週に引き続き、ファビオ・ルイージさん客演のN響のコンサートに行ってきました。

 

 

NHK交響楽団第1859回定期演奏会Cpro.

指揮:ファビオ・ルイージ

ピアノ:ベアトリーチェ・ラナ

 

ベートーベン/ピアノ協奏曲第1番ハ長調

ブラームス/交響曲第4番ホ短調

 

 

前半はベートーベンのピアノ協奏曲1番。目下、ベートーベンのピアノ協奏曲5曲の中で一番好きな曲です。ベアトリーチェ・ラナさんの小気味よいピアノとルイージさんの的確な伴奏で、大変心地良いベートーベンとなりました。この曲はモーツァルト的な要素も持っているので、もっと遊びがあった方がより雰囲気が出ますが、十分な演奏。第3楽章ラストの前はゆっくりとためて、最後は駆け足で逃げ切り。この曲を聴く醍醐味です。

 

ベアトリーチェ・ラナさんの経歴を見たら、「モノーポリのニーノ・ロータ音楽院を16歳で修了」とありました。ニーノ・ロータの名前を冠した音楽院があるんですね!私はフェデリコ・フェリーニの映画が大好きでほとんど観ましたが、ニーノ・ロータの音楽には本当にお世話になりました。フィギュア・スケートの高橋大輔さんが2010年のバンクーバー・オリンピックで銅メダルを取った時の「道」は音楽と演技が一体となって(ラストのステップの場面!)、心の底からの感動を覚えました。ニーノ・ロータは映画だけでなく、クラシックの音楽も書いているので、ルイージさん、いつか演目として採り上げていただけたら嬉しいです。

 

後半はブラームス4番。ルイージさんのブラームスは先週のマーラーと同じで熱い指揮になるのかな?と思っていましたが、意外にもゆっくりのテンポ、抑えた指揮で入ります。途中までは、最初を抑えて、第1楽章最後や第3楽章は走るのかな?とも思いながら聴いていましたが、結局最後までテンポはそんなに上げず、ゆっくり目、抑え目の指揮でした。意外にも巨匠風の指揮?逆にやや迫力には欠けたような気もします。いずれにしても、曲が名曲なだけあって、聴き応えは十分にありました。

 

こういうドイツ・オーストリア系のオーソドックスなプログラムは聴いていて何だかホッとしますね。今後聴きに行く予定のコンサートを見たら、しばらくありませんが(笑)。

 

 

(写真)ブラームスの散歩姿のシルエット(ミュルツツーシュラークにて)