フランチャコルタ(イタリアのスパークリングワイン)で有名なワイナリー、ベラヴィスタの試飲会があったので参加してきました。ここの上質なフランチャコルタには何度かお世話になっていますが、2004年以降、ミラノ・スカラ座のオフィシャルサプライヤーにもなっており、より親近感を持っています。
ベラヴィスタ スペシャルテイスティングイベント
(ワインショップ・エノテカ 丸の内店)
①フランチャコルタ・アルマ・グラン・キュヴェ・ブリュットN.V.
②ブリュット・テアトロ・アッラ・スカラ・エディション2011
③フランチャコルタ・ロゼ2011
④メラヴィリオーゾN.V.(1,500ml)
⑤クエルチェゴッベ2009
⑥ペトラ2012
冒頭、ベラヴィスタの輸出部長ヴィタリアーノ・ティリートさんから説明がありました。ベラヴィスタではワイン造りは、ナチュラルであること、エレガントであること、長い余韻のあること、の3点を大切にしているそうです。
①はベラヴィスタのフランチャコルタの基本形。生産量の70%を占めるそうです。「アルマ(alma)」とは「魂」「愛情のこもった」という意味。イタオペにもよく出てくる言葉ですね。香りには熟成感があり、味わいはコクを感じます。シャルドネとピノ・ネロが主ですが、とてもいいブドウの木があるので、ピノ・ビアンコを1%だけ使っているとのこと。もちろん品質面を考えてのこととは思いますが、遊び心もあっていいなと思いました。
②はテアトロ・アッラ・スカラ・エディション。私はベラヴィスタのヴィンテージものは、スカラ座の再オープン記念で造られた2004年のものをいただいたことがあります。アルマよりも甘い香りが華やか、味は切れ味良く、より酸味を感じます。ティリートさんからは骨格が大きい 余韻が長い、という解説がありました。スカラ座の2016/2017シーズンのオープニングはプッチーニ/蝶々夫人だったので、パッケージは桜の花によりデザインしたとのこと。オペラの演目に合わせてデザインを考えるなんて、おしゃれでいいですね!
③はロゼ。綺麗なサーモンピンク、味わいはごく辛口。後で赤ワインを加える方法でなく、ブドウの皮から抽出してロゼを造っているので、とても難しいそうです。どこかしら②と姉妹のような雰囲気。桜の季節にロゼを飲むのは何となく雰囲気が出ていいものですね。
④は今回の試飲会の目玉、メラヴィリオーゾ。1984年、1988年、1991年、1995年、2001年、2002年の6つのグレートヴィンテージのワインをブレンドし、12年の熟成を経てリリースしたもの。比類なき熟成能力を持った、革命的なフランチャコルタだそうです。
色は緑がかった綺麗な黄色。香りは熟成したブルゴーニュに近い甘い香りですが、とにかく繊細です。以前に熟成したシャンパンを飲んだこともありますが、ここまでの香りはなかなか経験できないと思います。味は熟成感もありつつ、まだまだ若くしっかりしていますが、後味には甘さも感じる複雑なものでした。
オーナーのモレッティさんと醸造家のヴェッツォーラさんの友情から造られ、フランチャコルタはこんなに凄いと世に知らせたい!、という想いが込められているそうです。名前はオーナーが最初に飲んだ時の一言「メラヴィリオーゾ!(奇跡的)」から取られました。
ベラヴィスタのフランチャコルタの素晴らしさは①のアルマで十二分に堪能できますが、このメラヴィリオーゾはとにかく「とてつもないフランチャコルタ!」という印象です。
⑤は赤ワインのクエルチェゴッベ。色は縁にやや茶色が出て始めていて、熟成したボルドーのような香りがします。味にも熟成感があり、円やかで甘さを感じます。ここの畑は海沿いなので多くの木が風で曲がるため、クエルチェ(多くの木)+ゴッベ(曲がる)が名前の由来だそう。面白いネーミングですね!ボルドーのポムロルに似た土地なので、メルロ100%によりこのワインを造ったということでした。
⑥はスーパータスカンのペトラ。色は鮮やかな赤、香りはやや土っぽく、味はしっかりでまだまだ若いワインです。 オーナーの奥さまがいい赤ワインを飲みたいということで造り始めたそうです。それを実現してしまうとは何と凄いことか。モレッティさん、とっても奥さん思いなんですね!カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、サンジョベーゼなどからできているとのことでした。
魅力的なラインナップの試飲会、十分に堪能できました!せっかくティリートさんが営業で来日されているので、ここは日本人としておもてなししなければ!、ということでベラヴィスタのワインを1本買うことにしました。ただ、メラヴィリオーゾはお値段もメラヴィリオーゾ!ではなかったのでとてもとても…(泣)。
悩んだ末に、試飲会には出ていなかった美味しそうな2010年の白ワインがあったので、それにしてみました。ティリートさんからボトルにサインをもらった際に、「2018年に飲むといいよ」とアドバイスをいただきました。ただ、おそらくそれ以降でも十分持つと思うので、ぜひスカラ座の来日公演のアフターで開けたいと思います!次は何年後でしょうか?
(写真)メラヴィリオーゾN.V.(左)とフランチャコルタ・ロゼ2011