このスペインもののコンサートに行くことを決めたのは、実は飲みたかったスペインのワインがあったからなんです(笑)。普段、スペインのワインを飲む機会がなかなかなく、「チャンス到来!」とはたと思い付き、終演後にスペインバルに行って開けました。
スペインはリオハの赤ワインで、テンプラニーリョ100%ですが、味わいは何だかボルドー右岸の雰囲気がします。それもそのはず、このワインはワイン評論家のロバート・パーカーが「あの名高いポムロールのレヴァンジルが思い起こされる」と評して、パーカー・ポイントも93点という高得点を取っています。でも、10年くらい前に買ったこともあり、値段はとても良心的。伝統的な方法と近代技術を融合させたワイン造りとのことで、昔ながらのリオハとは少し趣が異なります。
飲み進めてみると、味の中盤から終わりにかけて、艶めかしい甘さを感じ、確かにレヴァンジルを彷彿させるものがあります。伝統的なリオハも好きですが、ファンホ・メナさんの理知的な指揮の余韻のもとで飲むには、こちらの方がいいような気がします。とても香り高く上質なワインで、イベリコ豚やパエリアに良く合いました。14年経っていてちょうど良い飲み頃。あと10年くらいは余裕で持ちそうですが、感触としては5年以内に飲んだ方がいいかなと思いました。
「お酒が目的でコンサートに行くとはケシカラン!」とお叱りを受けそうでゴメンナサイ!!正直に白状すると、今回は最初は「花より団子」な動機もありましたが、時に団子がきっかけで改めて花の素晴らしさに気付くこともあるのが面白いところ。ファリャにアランフェス協奏曲にと素晴らしいスペインの音楽を堪能でき、ファンホ・メナさん、カニサレスさん、N響に感謝です!