素晴らしいコンサートの余韻のもと、この日はウィーン市内を散歩しました。まずはウィーン市立公園から。



(写真)シューベルト像。以前、王宮礼拝堂のミサでウィーン少年合唱団によるミサ曲第6番変ホ長調を聴いて大いに感動したことがあります。


(写真)ブルックナー像。可哀想にいつも鳥の落としものが…。ウィーン音楽院やウィーン大学で学生たちに慕われたブルックナー。きっと鳥たちも親しみを持って停まりやすいんだと思います(笑)。


(写真)池は半分凍っていて鴨たちも寒そうでした…。


(写真)J.シュトラウスⅡ世像。改修が終わって、より一層光っているような気がします。昨日、一昨日と素晴らしい音楽を本当にありがとうございました!


(写真)レハール像。一昨日の「こうもり」の余興で出た「微笑みの国」のアリアには本当に痺れました!


そしてできてから150周年のリング通りに沿ってぐるっと周りつつカールス広場へ。



(写真)ブラームス像。今年はヴァイオリン協奏曲を聴く予定。今から楽しみにしています。


(写真)カールス教会。ブルックナーの葬儀はここで。葬儀の際、入口近くにいたブラームスは中に入るように勧められましたがぶっきらぼうに断り、「すぐに私の番だ」と言って立ち去ったエピソードが有名です。またマーラーはここでアルマと結婚式を上げています。


ん…?あれっ!?150周年?150周年と言えば?そうです!そうです!年が明けて今年2015年はシベリウスの生誕150周年でした!シベリウスはフィンランドの国民的作曲家ですが、一時期ウィーンに留学したことがあり、その時に住んでいたのが下の写真の家です。ナッシュマルクトとベルヴェデーレの間で、R.シュトラウスの住居のすぐ近くです。




(写真)シベリウスがウィーン留学中に住んでいた家と記念のプレート。

シベリウスはウィーンでの生活を「私の趣味にぴったり」と大いに楽しんだそうです。その趣味とはどうやらお酒や贅沢だったようですが(笑)。音楽面ではブルックナーに憧れ、「現存する一番偉大な作曲家」と言っています。ブルックナーの交響曲第3番ニ短調のコンサートに感激し、不注意にもブラームス愛好家たちの前でブルックナーの擁護者になる宣言をしたため乱闘になり、けがしたりしています…。様式や音色は違うにせよ、ブルックナーとシベリウスの交響曲はその神秘性にて近いものがあるような気がします。

また、ヴァイオリンが得意だったシベリウスはウィーン・フィルの試験を受けました。結果は?残念ながらシベリウスは人前で極度に緊張することから、上手くいきませんでした…。でも、作曲に専念したことによって、あの偉大な、人類の至宝とも言うべき7つの交響曲が生まれたのかも知れませんね?

ウィーンの国際的な雰囲気の中、様々な国から来た音楽家たちの影響も受けて、シベリウスはフィンランド、特にフィンランド語や叙事詩「カレワラ」に目覚めていきます。「カレワラは音楽そのものだ」という言葉も残しています。そして、それは最初の交響曲であるクレルヴォ交響曲へと結実していきます。