お盆を迎えました。
 
 お盆とは正式には「盂蘭盆(うらぼん)」といい、

古代のインド語の一つであるサンスクリット語の「ウランバナ」を

漢字にあてはめて読まれた言葉です。


 「盂蘭盆」とは本来「逆さ吊り」という意味で、

地獄のような苦しみに遭っている人を救うための法要を行うことを

「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といいます。


 お盆には、一年ぶりに我が家に帰って来られるご先祖様、

あるいは「新盆」の先亡の「み魂(みたま)」をお迎えしてご供養し、

お送りします。


 迎え火、送り火、盆棚、盆提灯、盆踊りなどの習俗に見られる

この行事は、目連尊者の「救母説話(きゅうぼせつわ)」に由来する

仏教的なものばかりではなく、

我が国古来の「祖霊信仰」と習合したものといわれています。


 ご先祖様をお迎えする時は、早く来ていただくために

胡瓜(きゅうり)に4本足をつけた足の速い「馬」の乗り物、

帰りは茄子(なす)で足の遅い「牛」を用意するなど、

なるほどと思わせる心配りがあることに気付きます。

 
 お盆の行事を通じて、親兄弟、ご先祖様、

ご縁の深かった故人に今一度感謝することで、

これからの自分を見つめ直すことができ、

心機一転して明日からの生き方を正しく導いてくれる気がします。


 また、私自身のこの一年をとっても、

お世話になった多くの大切な方々と、

何の御恩返しもできないままお別れすることとなり、

本当に残念でなりません。

 しかしながら、これも「縁(巡り合わせ)」なのだと

納得するように努力しています。

 ここに改めて故人様のご生前のお姿を偲びつつ、

戴きました御恩に感謝して、

心からのご冥福をお祈りしたいと思います。



 人の世に出会いと別れは常であり、

長く続いた親交もやがて別れの時がやってきます。

であればこそ、多くの方々から戴いたご縁をもっと大切にして、

もっとじっくりと情を深めていきたいと改めて強く願うばかりです。


【写真:生前大変お世話になりました恩人の一人

「ひばり姐さん(知立中1年で芸妓入り、18歳で舞妓)」(享年75歳)です。】


訳あってここに、深い感謝と哀悼の意を込め、謹んで掲載させていただきます。


 
 
「ゆっくりお休みくださいね。本当にありがとうございました。」