毎年、今頃の時期になると
私達夫婦は、その年で初めての渓流釣りへ行くのです

北海道のヤマメ、イワナの解禁は
他県よりひと月も遅くて
これがもっと北になると、
更にもうひと月、遅くなります。
  

今頃は、
暑くも寒くもなく、
ちょうど良い気候。

初夏の日差しに輝く新緑の緑
何もかも動き始める
そんな、活気あふれる渓流の景色を思い描いて息を深く吸う

冷たい空気が、肺の奥深くへと、入って来るような
そんな気持ちになった

釣行はもう無理だけど
せめて、そんな山の雰囲気をちょっとでも味わいたい

思い始めたら、
なんだか、居ても立ってもいられない

母をショートに送り出したあと
家を出たのです


山と言っても、私が行こうとしているのは、二人でよく散歩していた大きな公園
私達の知ってるホントの奥深い山ではないんだよね

けれど、
悲しいかな今の私にとって
かつて夫と訪れ、
今も自信を持って、一人で行けるのは、もはや、もうそこしかなく
それが、精いっぱいの山なのです。


とは言うものの、バスから降り、
私の足には、
ほどほどこたえる坂の途中
そこで見たものは、

「熊出没注意」🐻の看板💦

今や札幌市内でも
こんな事態にヘーキになっていて💦 ホント、なんとかしてくれ🥲




少し歩く





三つ葉が自生している
ひとつ摘み、鼻に近づけると
街で手にする物とは、 
ぜんぜんちがう色濃い匂いがする
 
「ひとり静か」も咲いているんだ、なんてこと思いながら 

更にもっと歩く






長老の木を過ぎたあたりで
空気が変わったのが、わかった



すると、、、
「ほおーーーーーーー」と、かなり長めのロングトーン
何かの幕開けのよな厳かな響きが聴こえてきた

あれ、これはもしや!?と思ったら

「✨ほー!ホケキョ〜💖」と😶





んまぁ、なんてことでしょう😱
とても聴きたかった
この鳴き声!
ウグイスではないですか!!
 
何者にも
媚てなどいない、
それはそれはもう、いっちょ前の立派な鳴き声だ✊✨いいぞ!


うっわ〜✨嬉しーーーー!!😆



うん、うん会いたかったよ
(見えてはいない鳴き声だけね)

3年ぶりだね、お久しぶり


いや、長かったなあ〜
二年以上かかったな〜って、ね

距離の問題じゃない

夫と、よく来てた場所に
一人で訪れてみようと
そんな気になるまで、そう思うまでの、単なる私の時間軸の話しなんだけど

なんだか、ちょっと泣けた

あまり人がいない木道
いいさ、と、ぼろぼろ泣いた
「ここも、そこも夫と歩いたな」って


いつの間にか
ウグイスは何処かへと飛び去り

散策中の老夫婦と不意にすれ違う





「がんばった、がんばった」と夫はオロオロしながら、
きっと私の背中を撫ぜているだろう

夫が何を思い、何を話し
次にどんな表情をするのか  
手に取るように、私にはわかるんだ




また、ここに来たいな
また、ここに来ようね

春が訪れる度、幾度となく
来年も再来年も、、、




 
きっと、またウグイスは 
待っていたかのように、鳴いてくれるから




新緑の頃は
夫が一番好きな季節