人ってこんなに、動かないでいられるんだな。って、自分のことを思った。


笑ってる夫の安らかな寝顔を

私は身じろぎもせず、ずーっと見つめていた。永遠にこのままでいたいな。って、

いつまでも、いつまでも



あの日、寝室で見つけた夫は

「○○ちゃん!ごめん!!俺、こんなことになった💦すまん!」みたいな困った顔をしてた。


大学病院での処置が終わり

看護師さんに呼ばれ顔を見たら

「えっ⁉」ていうぐらい彼は笑ってた

そして、夫はまだ温かくて、、、


「たぶん心臓疾患でしょう、原因をお知りなりたければ解剖を希望されますか?」

もう、いい。と思い私は断った。



「一番驚いてるのはご主人だよ」と友人に言われ。しっかり送ってあげなきゃ。って、その時、強く思った。



体じゆうの水分が抜けたみたいに

常に喉はカラカラ

だけど食べられて、物の味がちゃんとするのが不思議だった。

「こんな時なのに、ちゃんと味がするよ」と言うと


私と同じように、ご主人亡くされた方の話を友人がしてくれ

「○○さんもね、こんな時でもあんぱんは甘いんですね」って、言ってたよ。と


こんな時でもあんぱんは甘いんですね


名言だな。確かに、、、と思った。



あの日から後悔や喪失感、

周りとの時間差に地味に傷ついたり

一時より笑う時間もそれなりに増えたけど

浮いたり沈んだりの毎日


這い上がるにも足場がない

立ち上がるにも体と心の

どこに力を入れればいい?!

まだわからない


けど、夫がいたときのように

「生きてるだけで楽しい」そんなふうにまたいつか、なれたらいいな。と思う


最後のお花を入れたとき

夫はより一層「ふわっ」と笑ってた


あんなに笑った人、見たの初めてと

後に友人に言われるぐらい


それは、彼からの私への

最後のメッセージだった。と思う


今も私は夫の

その強い思いの余韻に、守られてるんだと思う。