皆さんは「君の名は。」という映画をご存じだろうか。

 

 

2016年空前絶後のテラヒットとなり、全世界では日本映画史上歴代ナンバーワンの興行成績を記録したアニメ映画である。

 

おそらくだが皆さんのほとんどがこの映画を映画館に見に行き、時に友と語り合い、時にSNSで感想を書き、時に書籍に批評を寄稿した事であろう。

 

でももし、その全ての行為がどこかのゼネコンが地方の若者を搾取する事に共犯する行為だったとしたら。

 

この動画の中で藤井聡京都大学大学院教授・内閣参与(彼、あるいはこのチャンネルのイデオロギーには賛同しない。)が口を滑らせているが心理学的物語研究によると人間はフィクション上の追体験と現実の体験の区別が基本的にないそうだ。

https://www.youtube.com/watch?v=b0AUCpV0rCQ&t=2h50m55s

 

つまりフィクション上の成功体験現実の成功体験と同じ影響間の認知バイアスに与える

 

「君の名は。」において主人公の三葉は物語の重要なポイント(瀧のデートを見に行くときとラスト)で「勇気を出して上京する事によって「クリティカルな成功体験」をする。

 

このような成功体験を東日本大震災の心的外傷を悪用した超感動的な形で体験した人生経験貧弱な若者の認知バイアスは一体どのような影響を受けるだろうか。

 

若者の認知バイアスは「より上京志向的に」、それも本来の経済的合理性に反して上京志向的になるだろう。

 

前述の通り、「君の名は。」は「地方に在住する世間知らずな若者の認知バイアスを本来の経済的合理性に反して上京志向的に歪めるためのプロパガンダ」なのだ。

 

しかもこれだけ歴史的なテラヒットになったのだ。おそらくほとんど全ての若者がこの映画を超感動的に追体験している。現在若者の生活するコミュニティにおいて「上京志向無意識的かつ巨大なコンセンサスとなり、ある種の同調圧力を伴う鉄のイデオロギーと化しているだろう。

 

理由は間違いなく東京オリンピックに向けた労働力、それもブラックな労働力の確保だろう。本来であればこんなプロパガンダなどなくとも賃金さえ上げれば人は集まるのだから。

 

思えば映画の中で土建屋と政治家が腐敗しているというシーンがあったが、あれは何のことない新海監督自身がこの映画でやっている事のセルフパロディだったのだ。

 

新海よ、宮崎駿は泣いてると思うぞ。

 

おそらく新海監督自身プロパガンダに加担する事に対するに引け目があり、アレが彼なりのエクスキューズだったのだろう。

 

全世界で日本映画史上歴代ナンバーワンの興行成績を上げた映画がオリンピック利権のためのプロパガンダ映画だったとは、一日本人として絶望しか感じない。

 

しかもこれは日本人だけの問題ではなく、この映画はアジアの近隣諸国でも100万人単位のヒットになっている。この「勇気を出して東京へ行って心的外傷を悪用した超感動的な成功体験というプロパガンダは外国人すらも労働力として東京に集めてしまいかねないのだ。

 

無論上京が全て悪いわけではないが、「君の名は。」によって認知バイアスが歪められた状態で上京を判断していることが問題なのだ。

 

例えば労働市場においては間違いなく東京都では従来の経済的合理性に反した供給過多が発生し、他の道府県では従来の経済的合理性に反した需要過多が発生するであろう。

 

これから進学、就職する若者は東京都以外の自治体を選ぶことを強くおススメしたい。「君の名は。」の影響で確実に穴場になるはずだ。

 

不幸な思いをする若者を一人でも減らすためにも、この映画のプロパガンダ性この映画に影響されて上京を判断する事の危険性が一人でも多くの地方の若者に周知される事を強く願う次第である。