EU最高法廷が認めた「忘れられる権利」について概略をまとめてから、私の意見

 

 もともとの話は1998年にさかのぼる。スペインの新聞「バンガルディア」は同国人の男性が社会保障費を未払いし、回収のために不動産を競売にしたという記事を掲載した。その後、男性は未払い分を処理したが、この新聞のウェブサイトには当時の記事が掲載され続けた。このため、男性がグーグル検索で自分の名前を入力すると、十数年前の未払い問題が表示結果に上ってきた。

 2010年、男性はバンガルディア紙とグーグル・スペイン社及び米本社に対し情報の削除を求める訴えをスペインのデータ保護局に起こした。保護局はバンガルディア紙の報道は「合法」として男性の削除願いを退けた。しかし、グーグルに対しては表示結果に出さないように命じた。これを不服としたグーグルがスペインの高裁に控訴し、高裁はCJEUに判断をゆだねた。昨年5月13日、CJEUはグーグルに対し該当する個人情報を表示しないように命じた。

 CJEUはグーグルが「データの管理者」の役目を果たしている、と見る。グーグルには市民の基本的権利、自由、特にプライバシーを維持する権利を守るというEUデータ保護指令(1995年発効)に基づいた「責務を順守する必要」があり、個人が不都合と考える自分についての情報を表示結果に出さないようにするべきという判断を示した。その一方で、利用者の知る権利とプライバシー保護には「公正なバランス」が必要で、公人の場合は利用者の知る権利が優先されるとした。

 2012年には、欧州委員会が保護指令のアップデート版とも言える「データ保護規則案」を提案。これは非欧州企業であってもEUのデータ保護規則などに従う必要があること、情報の削除を申請する個人ではなく情報を発信する企業側に立証責任を持たせることなどを含む。今年3月13日、EU加盟国はいくつかの修正を加え、規則案を採択した。

 ネット上の個人情報の保護について画期的な判決が出たのは、昨年5月だ。欧州連合(EU)の最高裁判所となる欧州司法裁判所(CJEU)が米検索大手グーグルに対し、EU市民の過去の個人情報へのリンクを検索結果に表示しないように命じる判決を下したのである。

「忘れられる権利」をめぐって欧州の市民がグーグルに初めて勝訴したのは2011年と言われている。フランスの女性が若いときに撮影したヌード写真が30万以上のホームページにコピーされたことから、グーグルを相手取り、写真の削除を求めて訴訟を起こした一件である。

昨年5月のCJEUの判断は、欧州内で市民に忘れられる権利を保障する典型的な判例となったこと、グーグルが包括的な取り組みを開始したという点で非常に大きな動きだ。

 これらの事象は,日本でも発生している問題であり、いつ誰の身に起きてるかもわからない問題であると思う。インターネットの普及に加え、近年はスマートフォンやタブレットが多く出回り、インターネットが身近になりすぎているからこそこういった事件が多発するようになるのである。わたしは忘れられる権利にとても賛成である。しかし巻き込まれないことが一番なので、情報流出や対人トラブルのリスクを考えたインターネットの立ち振る舞い方が重要になっていくのではないかと思う。