若い頃は年功序列に否定的でしたが、課長くらいになった頃からは肯定的になりました。何とも都合の良い話です。

今は会社の生産性と社員の処遇を考える立場になりましたが、それでも年功序列も悪くないと思っています。

年功序列が悪いのではなく、仕事をしない年長者がポストに居座ることが問題なので、ちゃんと仕事をしてくれれば問題はないと思いますし、3割、30本、30盗塁を期待せずに、2割5分、15本で良しとすれば、何とかなりそうな気もする。後は人柄。

 

当社の様な中小企業(社員数100人ちょっと)が困るのは中途採用ばかりで年齢がバラバラなことです。

ですから頑張って毎年新卒採用をしないといけないし、綺麗な形のピラミッドを作る為の中途採用もしないといえません。

何よりも離職者を出さないことが重要です。

僕も含めて経営者は身勝手なので、離職者問題を中間管理職のマネジメント能力の問題にすり替えますが、当然ながら最大の問題は経営にあります。

ミドルマネジメントの質的向上は経営の仕事ですし、経営者のレベルの低さが中間管理職の成長を阻害しています。僕もそうです。頑張らないと・・・

これから長期計画の策定をするのですが、重要なキーワードとして「風土改革」を上げています。

風土は自然には変わらないし、時間とともに悪くなる可能性もある。

強い覚悟で経営が取り組まないと風土改革など出来ません。

僕は年功序列の良さとしては、安心して働けること、将来の設計がしやすいこと、昇格に対する納得性が高いことを考えています。

若い頃は「課長になったら年収は〇〇になるから、ちょっと無理しても課長代理で住宅ローンを組むか!」って計算ができました。

これって結構、大切なことだと思っています。

勿論、突出した若手の抜擢も行おうとは思っていますが、無理してやる必要もなく、基本は年功序列で良いのかなと思っています。

 

僕ら世代は人事評価の優劣によりモチベーションも刺激されていました。

課長職までに飛び級することが第一歩で、昇格遅れの瞬間に道が閉ざされる。

そして同期で最初の部長職になると役員のへの道が開かれる。

そんな経験があるから、今も若手の抜擢人事を行うことが有効だと思い込んでいます。

ですけど、若手社員はそこはあまり拘っておらず、自分のレベルアップや満足感、生活の充実等を重視している気がしていて、そこを無視して昔流の評価によるモチベーションアップばかりを考えていても良くないと思っている。

『人的資本経営」は偉い学者さんたちが主導して、何となく導入されているけど、『人的粗笨経営が生産性を高める]と口にするのは簡単だけど、多分、現実的な難しさを学者たちは理解していない。

ひとの心ほど不確定な要素はありませんから。