ひと頃のマカロンブームの時、僕はそれ程、美味しいとは思わなかった。

キャビアやトリュフもあまり感動しないし、フカひれも美味しいとは思うけどスープが美味しいだけで僕には春雨でも分からないかも知れません。

大ブレークしているお笑い芸人も何が面白いのか理解できない芸人さんが沢山いる。何だか事務所とメディアが無理やりブームを作り、それに大衆が踊らされているように思います。

流行ファッショも同様です。

マツコの知らない世界で特集されると大ブームになってしまうし、芸能人の〇〇さんが一押し、欧米でも大人気等々に踊らされるのはあまり知的ではないと思う。ひとによって好みなんて違う。”多様性社会”を主張しながらその環境ではない。

 

美味しい、面白い、お洒落と刷り込まれているだけで自分自身の判断ではないことって沢山あるような気がします。

特に日本社会は同調圧力が強いので違う意見を言い難いかも知れない。

大人数の音楽ユニットが多数出ており、大ブームが続いたけど冷静に考えたら大したことはないと思っているひとも多かったのではないかと思う。勿論、当事者が一生懸命精進していることを否定はしないけど別段可愛くもない、格好よくもない、歌も上手くないグループが大ブームになっていた。

それはそれで楽しみ方の一つだから良いのだけど自分なりの意見を持つことが重要だと思うし、それを率直に言える社会の方が健全だと思っています。

 

それは会社の会議の場でも感じます。

何となく反対しにくい雰囲気で会議が進んでおり、参加者も意見を言わない状況で、僕が否定的な意見を言うと急に同じような意見が出てくる。どうして僕の前に言わないのかが不思議。

そこに懸念を感じない経営者はどんどん裸の王様になってしまう。ただでも孤立化、裸の王様化し易いのに様々な事象を冷静且つ客観的にみる習慣がないと益々、暴走してしまう。無意識のうちに。気付かずに。

 

そういう意味では社外取締役制度や監査役会制度と言うのは良いことなのかも知れません。

株式会社の経営者は株主総会で選任され『あなた達は経営のプロとして取締役に選任されたのだから善良に管理して企業価値を上げなさい』と要求されており結構なRisk負担をしていますが、同時に『取締役は何をやるのか信用できないから監査役会や社外役員が監督するように』と言う制度にも支配されています。

当事者としては少し居心地が悪いのですが決して悪い制度とは思っていません。重要なのは経営者の覚悟と哲学なのでしょう。

日和過ぎてスピード感を失わなければ良いと思っています。

現状の取締役に対する理論はスチュワードシップ・コードやエージェンシー理論と言うもので、それは当然に尊重する訳ですが、同じように気を付けたいのが社内的に過度な同調圧力を課していないかと言う運営上の姿勢だと僕は思っています。

『役員って現場を理解していない癖に好き勝手を言うけど睨まれたくないから言うことを聞いておくか・・・』っていう会社は最悪です。

役員が『キャビアって美味しいよね』と言っても堂々と『そうですか?塩気が強すぎて僕は薄味のイクラの方がずっと美味しいと思うな~』と言える会社の方がずっと良い。全員がキャビアが美味しいと思わされている環境でも率直に『本当に美味しい?』って言える社会の方が良い。

その様な意見も聞きながらスピード感を落とさずに進めて行きたいものです。

今年はこの辺を意識した運営を考えたいと思っています。

新年早々、斜に構えた内容ですみません。

 

僕がキャビアやトリュフの美味しさを知らない、或いは本物を食べたことが無いバカ舌の可能性も高いのですけど。