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3年前シーン1 夕方 東京 前田のリビングルーム 瀬太郎 京子 ワイドショット2

 

京子:   いいの、いいの。歩はやっとやり甲斐のある仕事を見つけて順調に進んでいる。今は忙しいけれど必ずマリちゃんのありのままの姿を認めて、パパとしてちゃんと責任を持っている。歩は元奥さんとは全然違う。瀬太郎、息子を信じてやってください。

 

歩の声OFF: 詰まった声で お母さん本当にごめんなさい。僕は情けない息子で情けない

パパだ。

 

瀬太郎の声OFF: いいや、過去形やろう。そしてある日。

3年前シーン2 午後 東京 街並み 瀬太郎 マリ ミドルショット

 

瀬太郎とマリは近所の道を歩いている。マリは突然ストンと止まってボロボロになりかけている小さな建物を指さす

 

瀬太郎の声OFF: ある日マリちゃんは駅から違う道を家に帰りたかった。そして、、、、、

たまたま、、、、

3年前シーン3 東京 ダンススタジオ前 リンダ生徒たち 瀬太郎 マリ ワイドショット1

 

瀬太郎の声OFF: たまたまリンダさんの経営しているダンススタジオに近付いたとき、たくさんの生徒さんたちがスタジオから出てきた。

 

生徒1:     先生、ありがとうございました。めちゃ楽しかった。

 

生徒全員: ありがとうございました。また来週。

 

リンダ:  よかった、嬉しいです。あっ、みんな待ってて。(慌ててスタジオの中に入って、5秒もしないうちに戻ってくる) 忘れてました。はいどうぞ。(生徒たちにペロペロキャンディを渡す)独り言で 一つ残った。(再び生徒たちに向かって) では来週待っています。気を付けてお帰り。

 

生徒全員: 笑顔で 先生ありがとう、またね、また来週、来週も楽しみやで、あっキャンディ美味しい。(生徒たちは、とても楽しそうでワイワイ喋りながらスタジオから離れてもまだまだ弾んだ声が聞こえる) あの動き方めっちゃおもろいな、まるで鳥みたいやん。

(関西出身の女の子) 僕は少し難しかったけどヒョウのような走り方めちゃ楽しかった。私、蝶々好きだった。

 

マリは興奮した表情で生徒たちとリンダを興味津々で見つめている。リンダはマリに気付いてゆっくり近づいて行く

3年前シーン4 東京 ダンススタジオ前 リンダ 瀬太郎 マリ ワイドショット2

 

リンダ:  もしよかったら、ペロペロキャンディどうぞ。(急いで瀬太郎を見る) 甘い物をあげても大丈夫ですか。

 

瀬太郎: (頷く) 大丈夫です。

 

マリ: 少し照れ臭そうに ありがとう。(ぎこちなく小さいお辞儀をする)

 

リンダ: いいえ、お辞儀が可愛い。

 

マリはキャンディを包んでいるプラスチックを取ろうとしているが、なかなか剥がれない。

 

リンダ: 難しそうですね。手伝いましょうか。

 

マリ:    大丈夫、自分で。

 

リンダ: 分かりました。えらいえらい、お名前は?

 

マリ:    マリ。

 

リンダ: あー、とても素敵な名前ですね。実は私のダンススタジオの名前はマリから始まります。マリポーサ。

 

マリ:    えっ、本当?

 

リンダ: 本当だよ。壁にアルファベットでMariposaと書いてあります。(文字を指差す) マリポーサの意味は蝶々です。

3年前シーン5  東京 ダンススタジオ前 リンダ マリ ミドルショット2

 

マリ:     (蝶々のように手を動かす) あの蝶なの?

 

リンダ:  そうよ。あの蝶だよ。マリちゃん、ダンスはとても上手だよ。(リンダは最初手だけ動かすが少しずつ体全体に動きが広がる)

二人とも、とても楽しんでいる

3年前シーン6 東京 ダンススタジオ前 瀬太郎 顔クローズアップ

 

瀬太郎は少し驚いた顔で興味深くマリのダンスをじっと見ている

 

瀬太郎: (頭で考えている言葉) そうか、マリちゃんは自分の部屋でよく床を響かせていた。何か落としているような音も頻繁にあった。急に暴れているのか、機嫌が悪かったと思ったけど、もしかしたらダンスをしてたかも。

現在シーン3 夜 京都 バー 歩 瀬太郎 

ミドルショット1

 

歩:      そうなの、たまたまスタジオを通りがかったきっかけでマリはダンスを始めた。

 

瀬太郎: そうダンスのセンスがある。俺もびっくりした。

 

歩:   マリにはまだまだたくさんの能力と可能性が内に眠っているね。

 

瀬太郎: 本当だ。あー、遅くなったのでもう寝ろ。明日の朝ご飯は何時する?

 

歩:       7時半はどう?

 

瀬太郎: はいよ。俺払う。(ポケットから財布を出す)

 

歩:       いいよ、お父さん。僕が奢るよ。

 

瀬太郎:  じゃ、言葉に甘えて。先に部屋に戻る。

ありがとう、歩。

 

瀬太郎は椅子から立ち上がって、腰の曲がった姿勢で出口に向かっている

 

歩:        おやすみ。

 

瀬太郎は何も言わずに、手だけ上げた。

 

歩:        (独り言) お父さんも年取ったな。

 

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