『「雑貨」ってなんですか?』と聞かれてなんと答えますか?という話の続きです。

(1)を読んでいただいてから是非お読みください。

 

 

「雑貨」のクラスが初めてできた頃は1990年代中頃になります。

雑貨の業界を目指す人の専門コースです。

 

そのころは何度か目の雑貨ブームの到来で、雑貨を『ZAKKA』というような表記と感覚さえも従来の雑貨とは違った空気感が訪れました。

 

クラスを持っていた私は雑貨という概論を話すときに一番最初に「雑貨とはなんだろう」ということを認識するために自分が思ってる雑貨を言葉で言えるようにすることと『「うちに帰ったら家の人に雑貨って何?」って聞いてきて来週教えてください』ということをやっていました。

 

当時教えて生徒さんたちは今はとっくに親世代で40代に突入しているのでその親も60〜位なので、今の60代は感性も若いしその雑貨ブームだったシャレた時代を生きて来ているので、この質問をしても効果がないと思うのですが、当時は親やおばあちゃんなんかに聞いて来てもらうと

(1)で雑貨とはフィギュア!とかサボテン!と答えていた人のお母さんから

「雑貨ってホースとか、ほら、ポリバケツとかあれでしょ?」「雑貨ってゴミ箱とかたらいなんかを言ってるんでしょ」

なんてナイスな答えを引き出す事が出来ました。

昭和ど真ん中の「8時だよ!全員集合〜!」のコントコーナーでいかりや長介さんが「かあちゃん」で他メンバーが子供達やお巡りさんで商店街や街角の一コマを舞台にしたコントがありましたが、その時代ドンピシャな人は思い出してみてください。

「母ちゃん」が営んでいた店は「雑貨屋」の看板が掲げてあり、売られている商品は箒やはたき、金だらいやバケツにホース、と生徒たちの家族が言っている雑貨そのものでした。

 

 

お家の人達の答えも正解なのです。

「雑貨」という従来のというかそもそもが「雑」の「貨」ですから本当の生活に必要な用具、そこにはオシャレやセンスなんて関係なかったのです。

 

 

 

 

それが生活が豊かになって物が溢れて、という時代を経過すると生活臭のするものが古臭く感じたり、と同時に輸入の生活用品が「見慣れぬ新鮮な」感じで従来のものと「置き換えたり」して行きました。

箒もちりとりもゴミ箱も、たらいもジョウロも従来のものは捨て去りドイツのだ、フランスのだ、アメリカのモノだと様々な目新しい輸入雑貨が入って来て、「輸入雑貨屋ブーム」なんていうものも80年代にはありました。

 

当時は輸入食品や輸入洗剤なんていうのも「雑貨の領域」に入っていたと思います。

今のようにどこの駅で降りてもカルディがあるような時代ではなかったので、そのような「今まで知っていたモノではあるけれど異国のモノで見え方が新鮮」、トマトホールもピクルスもジャムも日本のメーカーのモノは前からあるけれど「並べて可愛い英文字ラベル」こんな輸入食品も並べる生活雑貨屋さんも今よりも多くありました。

 

今は一周回って昔捨て去った「日本の生活用品が目新しく」なって前述したような昭和の、いえもっと以前からの日本の生活用品がおしゃれな雑貨屋さんに並んでいます。そして輸入食品ではなく日本の地方物産の食材や加工食品の瓶や感、復路が並んでいます。

昔生徒だった輸入雑貨がおしゃれで新鮮だった世代の子供達は日本の地方の品々が新鮮なんですね。そして生徒だった世代にも懐かしく新鮮に映っているのでしょう。

今は輸入ではなく日本の各地の良品をセレクトしたお店がオシャレに見えていますね。

 

雑貨とは、から話が広がっているように見えますが、

これが今で言う雑貨、の答えを表していると言えますね。

 

現代の雑貨とは、

■比較的安価で日常的なもの。

と言う事が大前提として、

■生活必需品(実用品)もあり、必要ではないけれど有ると気分のよいゆとり品も有る。

と言うことと

■生活用品であり見慣れぬ新鮮なデザインで日常の風景を楽しませてくれるもの。

そこには実用品だけでなく食品が含まれることもあったりカテゴリーは幅広い。

と言う事が言えます。

 

昔フランフランの創業者で社長の高島郁男さんのお話を聞きに言った事があるのですが、フランフランの人気のある商品の共通点はお客さんが「これを使っている自分が可愛い」「これを使っている自分が好き」と言う事が購買ポイントになっている。と言うお話をされていました。当時は特に「フラワーペタル入浴剤」がその筆頭であったと。

雑貨が一言で「生活必需品」ではない豊かな今の時代にはそれも「雑貨とは?」の答えの一つに付け加えたいですね。

お客さん心理にはかなりそれはあると思います。

■「コレを使っている自分が可愛い(好きである)」

 

 

雑貨とは貧しい時代には生活必需品、実用品を指していたが、時代が豊かになると

実用だけでなくゆとり品も加わり、さらに今までの自分の生活にはなかった新鮮な見え方の生活用品となり、そこには流行も存在する「ファッション(流行)的な雑貨」と言う事が言える。

 

と言うことではないかと思います!