異国の地でお母さんをするということ | 沖縄で語学と日仏バイリンガル教育と

沖縄で語学と日仏バイリンガル教育と

フランスで6年、東京で4年過ごしたのち、2020年8月に私の故郷(夫と出会った場所)沖縄に来ました。
2011年生まれの息子、2013年生まれの娘がいます。
2020年8月より、沖縄在住。
公立小+おうちフランス語で日仏バイリンガル育成中。

今朝、息子の保育園への送迎から自宅に戻り、

ほっと一息をついていた10時頃。

私の携帯の着信がなりました。




先週から、出張で日本に行っている夫からでした。

家のこと、子供たちのことなど、他愛もないことを

少し話していましたが、娘がぐずってきたので

電話を切りました。




通話が終わった携帯に何気なく目をやると、

画面に「留守電が入りました」というメッセージが。

ちょうど夫と話していた時に、どこかから着信が

あったようです。




しかしその電話番号に見覚えはありません。

そもそも私の携帯に電話がかかってくることなど

ほとんどないので、営業か何かの電話かな?

と軽く考え、無視しようかというところでした。




しかし、なんとなく気になり聞いてみると、

小さな声でボソボソ早口で話す女性の、

なんとも聞き取りにくいメッセージが入っていました。




「どうでもいい電話じゃない?」と一瞬聞くのを

中断しかけましたが、とりあえずは全神経を集中

させて聞いてみたところ、どうやら息子の保育園から

のよう。




「○○君、具合が悪そうなので迎えに来てください」

という電話だったことが分かりました。




こんなことは今まで一度もなかったので、

慌ててかけ直しました。


「熱があって、何の活動にも参加したがらず、

ずっと泣いているので、迎えにこれませんか?」


ということでした。




急いで迎えに行くと、先生にだっこされたまま、

泣きじゃくっている息子がいました。

朝なんだかいつもと違ってグズグズしていたのは、

単なるわがままじゃなかったんだ…。




子供の体調不良を察知することが出来ず、

それどころか「いい加減に泣くのをやめなさい!」

と朝から怒鳴り散らしてしまった自分の行動に

対し、反省と後悔で、すごくすごく胸が痛みました。




「お腹が痛い」ということもしきりに言っていたので、

よく観察してあげてくださいね。




先生がそう言うので心配になり、

「これは病院に連れて行くべきでしょうか?」

と聞いてみるも、

「まずは家で様子を見てみたらどうでしょう」と。





夫は週の終わりまで帰ってこないので、

何かあったらどうしよう…と心配になりつつ、

重い足取りで、ぐったりしている息子が乗った

ベビーカーを押しながら歩いて帰りました。




普段病気をあまりしない子だけに、とても心細く、

明るい空の色とは裏腹に、私の心はどんより

曇り色でした。




家になんとかたどり着き、息子をベットに

寝かせてあげると、今度は、またひとつ大事な

ことに気がつきました。




今日の夕方は、6時半から幼稚園の説明会に

行くことになっています。

でも、この状態で息子を連れ出すわけには

いかないので、おそらく出席できない。




行かなかったらどうなるんだろう…。

夫もいないので、自分で解決するしかありません。

私は思い切って、幼稚園に電話をかけてみることに

しました。




普段、私は電話で大事なことを問い合わせることを

しません。フランス語が不安だからです。




でも、今日はそんな事を言っていられません。

幼稚園の説明会に無断欠席して、後で問題が起こったら?

息子に何か、不都合が起こったら?




緊張する心を落ち着かせ、恐怖を押し殺して、

電話を取りました。




何回か呼び出し音がなった後、ちょっとぶっきらぼうな

感じの女性が電話に出ました。

一瞬、恐怖でそのまま切ってしまいたい衝動に駆られ

ましたが、「私は、お母さん。頑張れ」

そう自分に言い聞かせました。




今年幼稚園に入学する子の母ですが、

今日の説明会に行けそうもありません。

後日、資料をもらえたり、なんらかの方法で、

情報をいただくことは可能でしょうか?




一生懸命、それを伝えました。




すると、


担当者がいないので、電話番号と

お名前を教えてください。後で掛けなおします。


と、言われました。



緊張と焦りで、一瞬自分の携帯番号を忘れて

しまいましたが、なんとか無事伝えることができました。




いったん電話を切り、ドキドキしながら待っていると、

10分くらい経った時に、電話がなりました。

緊張しながら出てみると、




「説明会の資料として後に配布するものは特に

用意していないので、今日来ていただくしかありません。

もし来れない場合、質問があれば後で個人的に

聞きに来てください」



とのことでした。




少なくとも、行かないとなにか大きな問題になる、

ということではなさそうなので、安心し、

お礼を言って電話を切りました。




終始ドキドキしましたが、なんとか母親として

ミッションを達成できたことに、静かな喜びを

感じました。




自分が外国人となるこの国で、

母親として一人前に、

子供たちを守れる自分になりたい。




その思いから、フランス語を真剣に勉強しようと

腹を決め、今日もコツコツ勉強を続けています。




その努力が実っているのかどうなのか。

平和に暮らせている時にはなかなか目に見えず、

うっかりすると気を抜きそうになったりします。




でも、

「その時」はいつやってくるか分からない。

だからこそ、日々、たゆまずおごらず努力を続けよ。




今日の出来事は、そういう教えだったのかも

しれません。




異国の地でお母さんをするということ。

その責任感を改めて、背中の芯から感じた

気がしました。




子供たちを守るためには、

子供たちに不便をさせないためには、

母たるもの、恥も恐れもを捨てて、挑戦しなければ。




その決意を新たに、今日も明日もコツコツ

フランス語の勉強を続けていきます。




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