フランスに住んで10年

 

私は、フランス人旦那と

 

7歳と4歳の息子がいる。

 

 

 

フランス首都パリ

 
日の出 06:21
日の入 21:31
最高気温は34度の予報だった。
 
夕方5時からでも洗濯を干せば
2時間で乾き乾燥肌に大敵、
数年前から猛暑のフランスの夏
今日は39度の予報が恐ろしい。
 
 
早寝早起きを心がけても一人疲れるだけ。
遅くなってもええ
太陽が寝てくれへんねんから!
そう思う事にした。
 
夏は夏らしく生き、冬は冬眠する。
これが、
夏のヨーロッパを生き抜く術だと
諦める事ができてまだ数年足らずである。
 
 
夕方6時、旦那が
「暑いから車で5分の所にある噴水に
息子達を連れていこう!」
と言って来た。
そのつもりで晩ごはんの用意などしていない。
夜7時、外へ遊びに出た。
昼ごはんがちょとだけ遅かったから
息子達におやつは与えていなかった。
 
半時間経ったら息子達は
「お腹がすいた」と遊ばなくなった。
 
旦那に
間食はオレンジジュースだけと説明した。
もう、
夫婦喧嘩する私なんかではない。
フランスの夏に適応できるよう
進化を遂げた日本人妻なのである。
 
 
まず、車にがま口を取りに行き
目の前の
利用した事もなかった小さなスーパーへ
消化が良さそうなパンかビスケットでもと
買いに歩いた。
 
 
木陰から出れば夕陽が眩しく熱く
早く店に入りたいのに
走りたくなかった。
 
やっと店のドアを1枚抜けた。

風除室にトイレットペーパーの
安売りを高く積んである
日本を思い出させる様なスーパーだった。
 
その横に
「マスク着用義務」
と書かれた看板が立ち
私は何故か疑い店の中の人を確認した。
 
とっくにマスクは義務化されているため
もちろん店内では皆がマスクをしていた。
 
そんな時のために
マスクは車に常備してある。
 
 
 
何故、
 
私はがま口だけ取って来たのか?!
 
自分を責め・・・
 
たりなんかしない。
 
「知らん。。暑かったんや。。」
 
 
 
 
 
息子達が水鉄砲で遊んでいるのを横目に
 
車にマスクを取りに行き出直した。
 
 

 
再び着き
自動ドアの前に立ったのにドアが開かん!?
センサーを見上げながら
立ち位置を変えてドアに近づいていると
突然、中から車椅子の男性が現れ
びっくりしてもた。
 
夕陽が眩し過ぎて
自動ドアに集中し過ぎて
中が全く見えてなかったからだ。

男性はそれに気づくと微笑みながら
私に言った。
 
「閉店だよ。」
 
「ウェ〜!ウソやん!?
マスク忘れたから取りに行って
帰ってきたら閉まってしもた?!」
 
男性
「僕もギリギリでラッキーだったよ。
家から来てたらマスク忘れへんのに、
違う事を外でしたついでやと
天気が良すぎてコロナの意地悪を
つい忘れてしまうんや。」
 
「ほんま、その通りですわ。。」
 
男性
「がんばろうね!」
 
「ありがとう!」
 
前を向くと
隣の隣のパン屋がレジを数え
外のテラス席も片付け終わりかけていた。
 
ちょと速く歩くと
陳列に全くパンが無いのが見えた。
 
終わったな・・
 
そう思いながら入り
お金を数えていた姉ちゃんに
 
「小さなパンでええねんけど
まだ買えますか?」
 
と控えめに聞くと
売れ残ったぱんをまとめて入れた
みかん箱より大きなプラスチックのカゴから
素手で茶色いパンを堀り出し
 
「これは?乾燥フルーツが入ったパン」
 
と応じてくれた。
 
「おいしいそうやけど、
子供がお腹空いたって言うから
小さな甘めの・・ミルクパンがあったら・・」
 
お姉ちゃん
「これ!どう?!」
 
 
私はまた驚いた。
想像した通りの
手のひらサイズの小さな
おいしそうなミルクパンが出た!
 
「ああ!それください!完璧!!」
 
2ユーロあったらいけるかな・・
 
そう思いがま口を開けると
 
 
姉ちゃんが言った。
 
「プレゼントです。」
 
「へぇっ!?いやいや払いますっ!」
 
姉ちゃん
「いいねん!
小さな子がお腹空いてるんやから
私、あげたいの。」
 
「・・ありがとう。。
あの、実はさっき
ミニスーパーで間に合わそう思て
行ったらマスク忘れたせいで
戻ったら閉店で。。
もうアカンと思ったら
ここが開いてて
その上プレゼントやなんて
こんなことってあるねんなって。。」
 
姉ちゃん
「良かった。。。」
 
 
姉ちゃんは
 
買った人と同じ様に紙袋に入れて
 
ナプキンまで付けてくれた。
 
 
このミルクパンの値段はわからない。
 
 
片付けるはずだったのかもしれないけれど
 
がま口に
50ユーロくらい持っていたけれど
 
私は本当に困っていた。
 
 
息子達に半分こずつし、
 
 
 
 
食べながら
 
「このパンめちゃめちゃ美味しいな!」
 
と息子達が言った時
 
私はお金というものについて改めて考え
 
今日も
 
パン屋さんがあってくれる事と
 
働いてくれる人に感謝したのだった。
 
 
「まだいる!!」
 
と2人が言うので経緯を話し
 
晩ごはんをいっぱい食べるようにと言うと
 
長男が
 
「それでママは目が赤くなってたんや。」
 
と安心した様に笑って言ったのだった。
 
 
これからは
 
本格的なフランスパンで
 
上顎を切るくらい
 
ごちゃごちゃ文句を言っては
 
ならないのである。。
 
 
 

 

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